Audacityのインストールと使い方


Audacityはマイクからの録音・オーディオファイルの編集・エンコード・エフェクトなどが可能な波形編集タイプの多機能ソフト。
サウンド編集系のアプリは専門用語が多く、見た目にもとっつきにくい。動画と同様、音声も非常に奥が深く、あまりに深すぎてどこから手をつけていけば良いのかすら分からないのだが、やりたいことのイメージだけはあるので質が悪い。
完全素人向けのアプリはお手軽だが、編集できる範囲が極端に制限されているので使いづらく、かと言って高機能なアプリは見た目に拒絶反応を起こしてしまう。

サウンド編集といってもそこまで専門的なことをするわけではないが、ある程度は編集したいという何とも中途半端な要望に応えてくれるのがAudacity。
日本語にも対応しており、インターフェイスもわかりやすく、しかも結構細かい編集作業も可能になっている。

2017年3月にバージョン2.1.3がリリース。

システム要件

バージョン2.1.3現在

OS:WindowsXP SP3 / Windiws Vista / Windows7 / Windows8 / Windows10
CPU:Intel / AMD 1GHz以上のPC/AT互換機(推奨2GHz以上) SSE2のサポート
RAM:2GB以上(推奨4GB以上)

※バージョン2.1.3はWindows XPをサポートする最終バージョンになる模様。

ソフトの入手先

Audacity公式ダウンロードページ

Audacity用 FFmpeg LAMEのダウンロードページ




Audacityのインストール

Audacityは本体の他に機能を拡張させるため「LADSPA」「LAME」「FFmpeg」などを個別にインストールする。
また、Audacityの最新バージョンはCPUがSSE2をサポートしていることが条件になっている。
SSE2とはSSE(ストリーミングSIMD拡張命令)が強化されたもので、荒っぽいい方をすると計算方法の事。
IntelのPentium4で実装されたのが最初なので、2003年以降のIntel / AMDのCPUならサポートしている。

使用しているCPUがSSE2をサポートしているのか確認したい場合はCPU-Zを使用する。
CPU-Z起動後に「IInstructions(利用可能な拡張命令セット)」の項目み記載があれば問題ない。

CPU-Zのインストールと使い方

CPU-Zはパソコンのハードウェア情報を表示する定番ソフト。 プロセッサのステッピングやリビジョンの他、メモリのCASやRASの情報なども表示可能。ただし、日本語には未対応。 Ver1.72.1でWindows10に対応 … 続きを読む

CPUがSSE2をサポートしていない場合は、Audacityのバージョン2.0.6を使用。

ダウンロードページにある「Audacity for Windows」のリンクをクリック。

AudacityはインストーラーとZIPファイルで提供されており、ZIPファイルにはヘルプなどのファイルが含まれていない。
セットアップを手軽に済ませたいなら「Audacity x.x.x. Installer」のリンクをクリック。

インストーラーをダウンロードするとページが移動するので、再度ダウンロードページに戻り、Audacityのダウンロードリンクの下にある「Option Downloads」から「LADSPA plug-ins x.x.x. installer」のリンクをクリックしてインストーラーをダウンロードする。

はじめにAudacity本体からインスールするので、ダウンロードした「audacity-win-x.x.x」を起動。
セキュリティ警告がでるので「実行」。

言語選択は「日本語」のまま「OK」。

セットアップウィザードが開始するので「次へ」。

「Audacityはオープンソースのフリーソフトで、GNU一般公衆利用許諾契約書(GPL)のバージョン2の条件に基づいて使用許諾されています。」という内容の事が書かれてあるので「次へ」。

インストール先の指定。
特にこだわりがなければデフォルトのまま次へ。

デスクトップにアイコンを作成したくない時はチェックを外して「次へ」。

設定を確認して「インストール」。

インストール完了後に使用許諾書や旧バージョンからの変更点などが「情報」として表示されるので「次へ」。

引き続き拡張機能をインストールするので「Audacityを実行する」のチェックを外して「完了」。

LADSPAのインストール

LADSPAプラグインをインストールすることで多くのフィルタを追加できる。

ダウンロードしたLADSPA_plugins-win-x.x.xを起動すると「言語選択」になるが日本語はないので「English」のまま「OK」。

セットアップウィザードが開始するので「Next」。

使用許諾書を確認の上、問題なければ「I accept the agreement」を選択して「Next」。

LADSPAの情報が表示されるので「Next」。

インストール先の指定。
特にこだわりがなければデフォルトのまま「Next」へ。

FFmpeg / LAMEのインストール

Audacity用のFFmpeg / LAMEはライセンスの関係で別ページから入手する必要がある。

ダウンロードページの「TO DOWNLOAD Lame and FFmpeg for Windows, click links BELOW:」から、上図赤枠部分の「 Lame_v x.xx.x_for_Windows.exe 」と「ffmpeg-win-x.x.x.exe」のリンクをクリックしてインストーラーをダウンロードする。

ダウンロードしたFFmpegのインストーラーを起動するとセキュリティ警告が出るので「実行」。
言語選択画面は「日本語」のまま「OK」。
セットアップウィザードが開始したらAudacity本体のセットアップと同じ手順でインストールする。

LAMEは言語選択画面がなく、インストーラーを起動するとセキュリティ警告の後にセットアップウィザードが開始する。
「使用許諾書」→「インストール先の指定」→「確認」を進めてインストールすれば完了。

使用方法

音声の波形は縦軸に振幅、横軸が時間になっており、波動の振動(振幅)を時間の変化で表すグラフになる。
この波形を全体もしくは部分的に編集することで音声データを加工していく。

Audacityの波形には薄いブルーと濃いブルーで表示されており、薄いブルーは平均値、濃いブルーは最大値を表しており、波形が赤くなっている部分はクリップ(限界値超過による歪み)、いわゆる「音割れ」している箇所になる。

Audacityの初期設定で使用されている単位はdb(デシベル)。
このデシベルは比較するために用いられる単位で、0dbは1倍、20dbが10倍、40dbが100倍といった比率になり、基準値を決めることでその基準値に対して何倍なのかを表す。

非常に多機能なAudacityだが、CD音源を直接取り込むことはできないため、CD音源を編集する場合は、CDexなどでMP3やWAVファイルにCD音源を変換し、変換したファイルをAudacityを使用して編集することになる。

録音

Audacityを起動すると接続されているスピーカーとマイクを自動認識するので、使用するデバイスをドロップダウンリストから選択する。

MMEはMulti Media Extensionのことで、Windowsに搭載されている音声・動画を取り扱うドライバ。
Windows DirectsoundはDirectXの音声の入出力を扱う部分。
WASAPIはVistaから実装されたオーディオAPI。
デフォルトではMMEになっており、すべてのオーディオデバイスと互換性があるので、最も無難な選択肢になる。
DirectsoundのはMMEよりレイテンシが低く、WSAPIはループバック録音に適している。
レイテンシとは要求に対して返答が来るまでの遅延時間のことで、レイテンシが低いほど仕事が早い、つまり高性能ということになる。
また、ループバック録音とはPCで再生している音声を録音することで、メディアプレイヤーで再生している音声や、YouTubeなど動画再生時の音声を録音すること。

マイクを接続し、ドライバとデバイス、録音チャンネルを選択したら、右上にあるマイクのアイコンの「モニタを開始」をクリック。

マイクが正常に動作していれば録音レベルが確認できる。

録音は0dbが最大レベルになっており、録音時の信号レベルが0dbを超えるとクリップ(音割れ)するため、信号レベルの最大値が0db以下に収まるよう調整が必要。

マイク入力のボリュームはマイクアイコンのスライダーを移動して調整。

赤丸ボタンを押すと録音が開始する。

ループバック録音

WindowsVista以降のOSならドライバで「Windows WASAPI」が使用可能で、デバイスからマイクの他にスピーカーなどが選択可能になる。

再生しているYouTubeなどの音声を録音する場合は「スピーカー」を選択。

このあたりは環境によって異なってくるので、録音する音声を再生してデバイスを変更し、マイクモニタが動作するデバイスなら録音が可能。

後からカット編集が可能なので、録音ボタンを押して録音を開始してから、録音する音源を再生する。
録音中は波形が再生した音源に合わせて表示されていく。

録音が完了したら「□」の停止ボタンを押し、出力部分を選択(下記参照)してから「ファイル」→「オーディオの書き出し」を選択。

出力するファイル形式を選択してから「保存」で完了。

その昔、テレビの前にカセットデッキを置いて、息を殺して録音していた頃に比べれば、非常にクリアな音声データを取り出すことが出来る(笑)

オーディオファイルの取り込み

Audacityで取り込みが可能な音声ファイルはWAV、AIFF、Ogg Vorbis、 FLAC、 MP2、 MP3。
更にFFmpegをインストールしていればAC3、M4A、MP4、WMAの他、AVIやMP4などのビデオファイルからの音声取り込みも可能。

ファイルの取り込みはAudacityにドラッグ&ドロップするか、「ファイル」→「取り込み」→「オーディオの取り込み」で取り込む音声ファイルを指定する。

同時に複数の音声ファイルを取り込むことが可能で、ステレオの場合は波形が2つ表示され、上が左チャンネル、下が右チャンネルになる。

選択(全選択と部分選択)

編集の基本となる作業が範囲選択。
音声ファイル全体を選択する場合は「Ctrl+A」、または「編集」→「選択」→「すべて」。

部分選択する場合は、波形上でクリックすると始点になり、そのままドラッグすることで部分選択が可能で、選択範囲はグレーになる。

選択範囲を解除する際は、再度、波形状でクリックする。

波形の拡大

波形は拡大、もしくは表示領域を大きくすることが可能。

波形を拡大するには「表示」→「拡大」、または「Ctrl+1」。
この場合の拡大とは波形の時間軸のことで、初期表示は1目盛25秒になっているが、これを拡大することで1目盛を0.5秒以下にすることも可能になる。

振幅の表示を拡大するには、上図赤矢印部分のように、表示されている波形の枠にカーソルを合わせると矢印に変化するので、そのまま下へドラッグすると振幅の表示が拡大される。また、赤枠部分の振幅の単位をクリックすると、カーソルが虫眼鏡(+)に変わり、時間軸と同様に目盛が変化する。
ただし、クリックした目盛が中心になるため、基本は「0.00」をクリックして拡大する。
シフトを押しながらクリックすると縮小になる。

選択範囲の削除

不要な部分を削除する場合は、削除する範囲を選択し、「編集」→「録音されたオーディオ」→「削除」または「Ctrl+K」で削除する。

音量を上げる

録音レベルの低い音声ファイルの音量を上げるにはいくつかの方法がある。

「エフェクト」の「増幅」と「正規化」はいずれも音量を上げることができる。

「Normalize(正規化)」は初期値が「-1.0db」になっているので、取り敢えず
「-2.0db」に設定して「OK」。

ただし、この方法は波形の振りが全体的に小さい場合にのみ有効で、一部分でも振りが大きな箇所があれば、その部分が最大値に設定されるため、正規化を行なっても思ったように音量を上げることはできない。

「Amplify(増幅)」は「正規化」と異なり指定した範囲の振りを増大させるだけでなく、減少させることも可能。
また、「クリッピングを可能にする」にチェックを入れることで、音割れを許容した増幅も可能になる。

一部分に振りの大きな箇所がある波形の場合、その箇所を選択して増幅のスライドをマイナス調整し、他の部分と同程度の振りになるよう調整し、その上で「正規化」を実行すると全体的に増幅され、結果として音量を上げることもできる。

正規化・増幅での調整で期待通りに音量が上がらない場合はゲインの調整を行う。

音声データを再生して、波形の左にあるゲイン調整のスライダーを動かし、パラメーターを確認しながら調整を行う。
ただし、ここでのゲイン調整はクリップを起こしやすいので要注意。

ゲイン調整のスライダをダブルクリックすると別ウインドウで微調整が行える。

エンベローブ

エンベロープは波形の最大値を結んだ曲線で、波形を任意に変化させることができる。

上部の赤枠部分のアイコンをクリックすると、波形の上下にブルーの帯が表示され、カーソルが▼▲に変化する。
この状態でブルーの帯を上下させることで波形を変化させることができる。
また、カーソルを波形の任意の箇所でクリックすることで、一つのポイントを作ることができ、波形を部分的に変化させることも可能になる。

ステレオトラックの分離

ステレオのオーディオファイルを取り込んだ場合、範囲選択やエフェクトなど左右同時編集になるが、左右個別に編集する場合は、ファイルのタイトルが表示されている部分をクリックし、「ステレオトラックを分離」を選択する。

ステレオのファイルをモノラルにする場合も、同様に「ステレオからモノラルへ」を選択する。
また、分離したトラックの片方だけを削除する場合は、削除するトラックをクリックし、「トラック」→「トラックの削除」を選択する。

フェードイン・フェードアウト

フェードイン・フェードアウトはフェードする範囲を指定し、エフェクトから「フェードイン」または「フェードアウト」を選択する。

ノイズの除去

ノイズの入っている区間をAudacityに認識させることで、同様のノイズを除去できる。
ボイスレコーダーなどで入ってしまうノイズを消すときなどに便利。

ボイスレコーダーの音声データでは無録音部分を選択し、「エフェクト」→「ノイズ除去」を選択。

「ノイズ除去」のウインドウが開くので「ノイズプロファイルの取得」をクリックするとウインドウが閉じる。

再度「エフェクト」から「ノイズ除去」を選択すると、グレーアウトしていた「OK」ボタンが選択可能になっているのでクリックして「実行」。

数値に関してはデフォルトでテストして、納得できる仕上がりになるまでは任意で数値を変更して模索することになる。
ちなみにライブアルバムの楽曲をAudacityで読み込み、オーディエンスの歓声部分をノイズとして選択、 除去を実行すると、曲の後ろで聞こえていた歓声が除去できる。ただし、演奏の一部も失われていたので全体的にこもった音になった。このあたりは追求していけば上手く除去できるのかもしれない。

ボーカル部分を除去してカラオケを作成

ノイズ除去が可能ならボーカルの除去も可能。

「エフェクタ」から「Vocal Remover」を選択し、取り敢えず「Remove voclas」、次の「Remove Choice」は「Simple」でOK。

ただし、ボーカル部分と一緒に一部の帯域が消失しているため、オリジナルデータのクオリティが維持されるわけではなく、上記の設定では全くボーカルが除去できない場合もある。

「Simple」でボーカルがうまく除去できない場合は、「Remove Choice」を「Simple」から「frequency band(周波数帯域)」に変更し、周波数帯域の上限値と下限値を設定してから、再度ボーカル除去を実行する。
設定する上限値と下限値は手探りで見つけることになる。

データの書き出し(保存)

編集したデータは任意の形式で保存できる。

編集したデータを音声ファイルで書き出すには、「ファイル」→「オーディオの書き出し」を選択後、任意のファイル形式を選び、必要に応じてオプションでビットレートなどを設定する。

非圧縮で保存する場合、Windows環境であればWAVが一般的。

保存形式にMP3を選択すると、「ビットレートモード」が選択可能で、それぞれで品質等の設定ができる。

部分的に抽出して保存する場合は、保存する範囲を選択し、「選択したオーディオの書き出し」で可能。

編集途中のプロジェクトを保存

通常の保存は音声データの書き出しではなく、編集中の作業状態を保存することになる。

保存されるファイルは拡張子がaupになり、これはAviUtlと同じものだが、AviUtlでは開くことができない。

Audacityはエフェクトなど元データを編集する作業が多く、編集結果によっては幾度もやり直しが必要になるため、編集が成功した時点でこまめに保存したほうが良いかも。









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