バックアップの基礎知識


バックアップとは不測の事態に備え、データを復旧可能な状態で複製して保存することで、パソコンは定期的なバックアップが推奨されている。
ただ、一口にバックアップと言っても、その方法は幾通りもあり、Windowsもバックアップ機能を実装している。

バックアップにはWindowsが起動しないなど異常をきたした際に使用する「システムのバックアップ」と、画像や動画ファイル、文書ファイルなど作成したファイルを復旧させる「データファイルのバックアップ」がある。



バックアップの目的

バックアップは元のデータへアクセスできなくなった際に復旧を目的としたもので、「パソコンが壊れたとき」の保険というイメージが強いものの、データが消失するという事象は意外と多い。

  • ファイルの上書きによるデータ書き換え
  • ファイル保存時のエラーなどによるファイルの破損
  • 人為的なミスによる削除
  • Windowsの不具合
  • ハードディスクの劣化や物理的損傷

HDDの劣化については使用頻度や容量などによって異なるが、Windowsの不具合と同様、発生頻度はそれほど高くないものの、発生してしまうと対象のドライブに保存されていたデータは、専門業者に委託しないと回復が難しい。
一方、最も頻繁に発生するファイルの消失は、人為的なミスによる上書き保存や削除、ファイルの破損によるもので、大抵はその場で悶え転がって終わっているのだが、バックアップがない場合のファイル回復に費やす労力は、積み重なると大きなロスだったりする。

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バックアップはWindowsやハードディスクの不具合に備えるだけでなく、日常的に発生するデータファイルの回復にも役立つので、こまめなバックアップには大きなメリットがある。

バックアップの方法

単にバックアップと言っても方法は様々で、一律にバックアップソフトを使用する必要はなく、運用しやすい方法を選択するのがベスト。
バックアップファイルは元データと同容量の記憶領域が必要で、バックアップファイルを上書きせず、変更分を別ファイルとして世代管理をする場合は、更に多くの記憶容量が必要になるため、一般的には外付けHDDやNAS(ネットワーク・ストレージ)をバックアップ専用として使用することが多い。

コピーによるバックアップ

最も分かりやすく原始的な方法が別の場所へのコピー。

コピー先は別ドライブ、USBメモリ、外付けHDD、NASなどで、無料のコピーツールとタスクスケジューラーを併用すれば、定期的なバックアップも可能。
また、コピーしたデータファイルへのアクセスも容易なため、ファイル消失時の復旧も手軽にできるというメリットがある。
反面、Windowsやアプリケーションのバックアップはできず、コピー先のフォルダやファイル管理の徹底が必要。

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クローンによるバックアップ

バックアップソフトを使用して、現在使用しているドライブを、パーティションなどを含めて別のドライブにコピーするもの。

使用中のシステムドライブが破損したり、Windowsに不具合が生じた際、ドライブを交換するだけで復旧が可能。

デスクトップPCやハードディスクの交換が可能なノートPCで、ディスク交換ができる場合に有効。

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イメージファイルによるバックアップ

Windowsが標準で実装しているバックアップツールやバックアップソフトで使用されているのがイメージファイルを使用したバックアップで、ディスクやドライブ、フォルダなどの構造を保ったまま、1つのファイルとしてアーカイブ(保存)する。

イメージファイルでのバックアップは専用のツールが必要になるが、パーティションやファイル構造など、ドライブを丸ごとファイルにすることができるため、システムのバックアップにもデータファイルのバックアップにも使用できる。

バックアップソフトの多くはデータファイルもイメージファイルでバックアップを行うため、ファイルの回復にはバックアップソフトでイメージファイルを復元が必要になる。

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クラウドストレージを利用したバックアップ

DropboxやGoogle Backup & Sync、OneDriveなどのオンラインストレージは、ファイルの自動同期のほか、一定期間の世代管理が可能になっているので、更新頻度の高いデータファイルのバックアップに最適。

クラウドストレージではシステムのバックアップはできず、データファイルのバックアップのみで、当然ながらオンラインでなければ使えない。
また、無料だと使用できる容量が限られているため、ドライブのデータファイルを丸ごとバックアップするような使い方はできないが、ファイルを限定して利用すれば、万が一の時に強い味方になる。

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RAIDはハードディスクの冗長化なので、バックアップとはニュアンスが異なるのだが、RAID1やRAID5などはバックアップに似た性質があり、1台のハードディスクが破損してもシステムを継続して可動させることができる。
比較的取り扱いが簡単なのはミラーリングと呼ばれるRAID1で、最低2台のHDDが必要で、同じデータが同時に2台のHDDに書き込まれるため、1台のHDDがアクセス不能になっても、残った1台が稼働する仕組みになっている。

ただ、あくまで自動的にコピー作業を実行しているだけなので、HDDがアクセス不能になった場合にのみ有効で、削除や上書きしたデータファイルを復旧したり、不具合が生じたWindowsをロールバックすることはできない。

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Wodnows標準のバックアップ機能の違い

Windows10には「システムの復元「システムイメージの作成」「システム修復ディスクの作成」「回復ドライブの作成」「バックアップ」と複数のバックアップ機能があり、微妙に違いがわかりにくい。

システムの復元

Windowsはアプリのインストールなどシステムに大きな変更が加えられる際などに、以前の状態を復元ポイントとして保存しており、復元ポイントを利用して過去の状態にロールバックすることができる。

「システムの復元」は「コントロールパネル」→「システム」で左ナビゲーションから「システムの保護」を選択。

初期設定でCドライブの保護が有効になっており、「構成」で保護を無効にしたり、ディスクの使用量設定、作成された復元ポイントの削除が可能。
また、「作成」では手動で復元ポイントを作成できる。

復元ポイントを使用して回復を試みる場合は「システムの復元」をクリックすると、「システムファイルと設定の復元」ウィザードが開始するので、任意の復元ポイントを指定する。

「影響を受けるプログラムの検出」ではシステムの復元によって影響を受けるプログラムやドライバを確認できる。

復元ポイントは一見するとシステムバックアップのような感じだが、復元ポイントはシステム全体が過去の状態にロールバックするわけではなく、ドライバーやプログラムなどシステムの一部に適用されるため、不用意に過去の復元ポイントを利用して回復すると現状との整合性が取れず、既存のアプリやハードウェアに不具合が生じる可能性がある。

システムイメージの作成

「システムの復元」と異なり、Windowsやインストールされたアプリケーションなどのイメージファイルを作成する機能で、復元するとイメージファイルを作成した時点の状態に回復できるため、定期的に作成していると、Windowsに不具合が生じても被害を最小限に防ぐことができる。

「システムイメージの作成」は「スタートメニュー」→「設定」→「更新とセキュリティ」の「バックアップ」を選択し、「バックアップと復元に移動(Windows7)」のリンクをクリックするか、「コントロールパネル」の「バックアップと復元(Windows7)」を開く。

「以前のバックアップをお探しですか? Windows7のバックアップと復元ツールで作成したバックアップは、Windows10でも使用できます。」と過去の遺産的な扱いで微妙なニュアンスの説明がされており、Windows10には同様の機能が別に実装されているような印象を受けるが、「バックアップと復元(Windows7)」しかシステムイメージファイルを作成することはできない。

イメージファイルの保存先には「ハードディスク」「光学ドライブ」「ネットワークの場所」があり、DVDディスクを使用する場合は複数枚に分割して書き込みをすることになるので、Cドライブの使用量と同サイズ以上の外付けHDDなどを、バックアップ専用として使用するのがベター。

デフォルトでWindowsがインストールされているCドライブほか、システムが使用するドライブレターが割り当てられていない「システムで予約済み」などが選択されており、任意のドライブにチェックを入れて追加することも可能。

アプリケーションなどをCドライブ以外にインストールしていたり、デスクトップほかドキュメントやピクチャ、ビデオなどWindowsが使用するフォルダを移動している場合は、必ず対象のドライブも選択しておく。

システムイメージの保存先と、システムイメージに追加するドライブを選択したら、後は「バックアップの開始」をクリックするだけ。
バックアップ中も通常通りPCの操作は可能だが、バックアップは5分や10分で終わるものではないので実行の際は要注意。

バックアップ完了後、「システム修復ディスク」を作成するか訊いてくるので、作成していない場合は「システム修復ディスク」または「回復ディスク」を作成しておく。

システム修復ディスクの作成

「システムイメージの作成」と同様、「バックアップと復元(Windows7)」のメニューで、Windowsに不具合が生じて起動しない場合に使用する起動ディスク。
Windowsを診断・修復する「スタートアップ修復」、復元ポイントを利用する「システムの復元」、「システムイメージの作成」のバックアップファイルから、システムを回復する「システムイメージの回復」などのメニューが含まれる。

起動ディスクに含まれるデータサイズは200MB以下なので、DVD-ディスクでなくCD-Rでも問題ないが、利用できるのはDVDかCDのみで、USBメモリは使用できない。

書き込み可能なCD/DVDドライブが非搭載の場合は、「回復ドライブの作成」を利用する。

回復ドライブの作成

回復ドライブは「システム修復ディスク」を拡張したもので、「システム修復ディスク」に含まれる機能のほか、Windowsのシステムファイルを追加することで、回復ドライブからWindowsの再インストールが可能になっている。
ただし、「回復ドライブ」のWindows再インストールは、システムをロールバックするのではなく、インストールされたアプリケーションやデータファイルは全て削除されるので注意が必要。

回復ドライブを作成する前に、Widnows10 Pro/Enterpriseのエディションでは「BitLockerドライブ暗号化」を要確認。

ドライブを暗号化する「BitLockerドライブ暗号化」が有効になっている場合、回復ドライブからの復元時に「回復キー」を求められるので、回復キーを適切に保管するか、「BitLockerドライブ暗号化」を回復ドライブの作成前に無効化しておく。

「回復ドライブの作成」は「コントロールパネル」→「セキュリティとメンテナンス」にある「回復」をクリックするか、「検索」で「回復ドライブの作成」と入力。

「回復ドライブの作成」をクリックするとセットアップウィザードが開始する。

「システムファイルを回復ドライブにバックアップします」にチェックを入れて「次へ」。
このチェックを外すとWindowsの再インストールができなくなる。

バックアップに使用できるのは8GB以上のUSBフラッシュメモリのみ。

使用するUSBメモリに保存されているデータは削除されるので使用前に要確認。

イメージファイルの作成と同様、PCの操作は行えるが、回復ドライブの作成も相当に時間を要する。

回復ディスクの使用方法

作成した回復ディスクを使用する場合は、USBメモリが1st Bootになっている必要があるので、USBメモリをPCに挿してかか起動して、普通にWindowsが起動するようなら、UEFIやBIOSでブート設定の変更が必要。

※UEFIやBIOSでの設定についてはPCの取説を参照

回復ディスクを読み込むと「キーボードレイアウトの選択」が表示されるので「Microsoft IME」を選択。

「オプションの選択」では「トラブルシューティング」を選択。

Windowsを再インストールする場合は「ドライブから回復する」を選択するのだが、この場合は表記されているように、個人用ファイルとアプリはすべて削除される。

システムイメージを作成している場合は「詳細オプション」を選択。

「詳細オプション」のメニューが「システム修復ディスク」と同じ内容になり、「イメージでシステムを回復」→「オペレーティングシステムの選択」でWindows10を選ぶと、保存されたイメージファイルを検索し、「コンピューターイメージの再適用」のウィザードが開始する。

バックアップ

Windows10にはデータファイル(個人用ファイル)のバックアップ機能があり、設定に基づいてバックアップが実行され、ファイルの変更履歴をバックアップ先のドライブに保存し、「バックアップからの復元」で指定した時点のファイルへロールバックできる。

「システムの復元」で復元ポイントを作成するような感じなので、バックアップからファイルを復元する場合は、直接バックアップ先にアクセスせず、「現在のバックアップからファイルを復元」のツールを使用する必要がある。
また、バックアップの設定を10分にしていても、10分ごとにバックアップがファイルが保持されるわけではなく、ファイルに変更がない場合は履歴は更新されないため、復元時はファイルが変更されたポイントのみが表示される。

バックアップの設定を行うには「スタートメニュー」→「設定」→「更新とセキュリティ」の「バックアップ」を選択。

「ドライブの追加」をクリックすると、Windowsがバックアップファイルの保存先として有効なドライブが一覧で表示されるので、任意のドライブを選択。

保存先のドライブには、Cドライブ以外の内蔵HDD、外付けHDD、ネットワークドライブ、USBメモリ(8GB以上)の利用が可能。
ただし、「デスクトップ」「ダウンロード」「ドキュメント」などのフォルダをCドライブ以外に移動していると、移動先のドライブはバックアップ先のドライブから除外される。

保存先のドライブを選択すると自動的にというか、勝手にバックアップが「オン」になり、どのファイルを何時バックアップするのか全くわからないので、「その他のオプション」をクリック。

バックアップの初期設定でバックアップされるのは、「Cドライブ」→「ユーザー」フォルダ内にある「ユーザー名」フォルダ内の全てのオブジェクトで、バックアップの実行は「1時間ごと」、バックアップの保持は「無期限」になっている。

バックアップは初回のみ全データがコピーされるが、以降は差分データが追加されていく感じなので、バックアップの実行間隔を短くしても、極端に保存領域が圧迫されることがないのだが、「バックアップの保持」が無期限になっているため、着実に空き容量は減少するので注意が必要。

「ファイルのバックアップを実行」は10分から設定が可能

「バックアップの保持」はデフォルトで「無期限」になっているので、バックアップ用ドライブの容量などを考慮して変更する。

ちなみに「3ヶ月」にすると、3ヶ月以上前の履歴が自動的に削除されるため、バックアップ開始から3ヶ月が経過した時点で、常に過去三ヶ月分のファイル履歴を保持することになる。

「バックアップ対象のフォルダー」ではバックアップされる各フォルダが確認でき、「+フォルダーの追加」をクリックして任意のフォルダを追加することも可能。

バックアップ対象フォルダで、バックアップが不要なものは「除外するフォルダー」ぼ「+フォルダーを追加」に追加することで、「バックアップ対象フォルダー」から削除できる。

また、バックアップ先のディスクを変更する場合は、「別のドライブにバックアップ」の「ドライブの使用を停止」をクリックすると、バックアップそのものが停止し、再度バックアップの保存ドライブの選択から設定し直すことができる。

全ての設定が完了したら「今すぐバックアップ」をクリックしてバックアップを実行する。

バックアップが正常に終了すると、「バックアップのサイズ」と「バックアップ先」「最新バックアップの日時」が表示される。

「今すぐバックアップ」を実行後、バックアップの設定画面が終了した場合、バックアップは実行されていないので、一旦バックアップ先のドライブを解除。
バックアップ先ドライブを開くと「FileHistory」フォルダが生成されているので、フォルダを削除してから、再度バックアップの設定を初めから行う。

ファイル履歴からの復元

バックアップしたファイル履歴からの復元は、専用のツールを使用する。

復元ツールは「設定」→「バックアップ」の「その他のオプション」を開き、設定画面の最下部にある「現在のバックアップからファイルを復元」をクリックするか、「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「ファイル履歴」にある「個人用ファイルの復元」をクリック。

保存されているファイル履歴が表示されるので、|◀▶|で任意の日付に移動して、復元するファイルを選択後、回転矢印のアイコンで復元する。

復元はフォルダ単位でもファイル単体でも可能。





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