自転車のフロントディレイラーとシフターの換装と調整


フロントディレイラーの取り替えには、チェーンやクランクの取り外し・取り付け作業が伴い、リアディレイラーと比べると、取り付け位置などが少々厄介。

フロントディレイラーとリアディレイラーを同時に換装する場合、リアディレイラーの調整時にフロントディレイラーは影響しないが、フロントディレイラーの調整にはリアディレイラーが影響してくるため、フロントディレイラーを取り外す前に、リアディレイラーの換装作業を行うようにする。



使用工具とパーツ

フロントディレイラーを換装する場合、クランクとチェーンの取り外しが必要なため、それぞれ専用工具が必要。

キーレンチ

ディレイラーやシフターの取り付けに使用。
トルクレンチのみでも可。

トルクレンチ

締め付けトルクの調整に必須。

ラチェットスタビーセット

ディレイラーの調整を行う際に使用するドライバー。

クランクリムーバー

クランクリムーバーは文字通りクランクを外すための工具で、「コッタレス抜き」ともいう。

ワイヤーカッター

ワイヤーを切断する専用工具。
ニッパーやペンチと異なり、切断面がきれいで、ワイヤーのバラツキも抑えられる。

チェーンカッター

チェーンのピンを外したり、繋いだりするための専用工具。
PWTのチェーンカッターには、繋ぐ際にチェーンを固定する針金が付属していて意外と便利。

ミッシングリンクリムーバー

チェーンを繋ぐミッシングリンクを取り外すためだけの専用工具。
無くても全く問題はないが、ミッシングリンクを使用する場合は、取り外し作業が楽になる。

デュラエースグリス

シフトワイヤーに塗布する。

シフトレバーセット

使用したのはブレーキレバーも付いているSHIMANOのST-EF500-8R/L。

フロントディレイラー

直付けタイプのSHIMANO ALTUS FD-M310を使用。

シフト用アウターケーブル

シフトワイヤーを通すためのアウターケーブル。
シフターに付属していない場合は別途必要。

MTB用フロントディレイラーの換装と調整

フロントディレイラーを取り外す前に、リアディレイラーの調整を済ませておく。

SHIMANOフロントディレイラーはMTB/トレッキング用とロード用で調整の仕方が異なるので要注意

フロントディレイラーに固定されているワイヤーのエンドキャップ部分を切断し、固定しているボルトをアーレンキーで緩めてシフトワイヤーを外す。

シフトワイヤーとシフターを取り外したら、チェーンをギアから外してクランクを取り外す

クランクが邪魔でシフトワイヤーを固定しているボルトにアーレンキーが届かない場合は、先にクランクの取り外しが必要。

クランクリムーバーを使用してクランクを取り外す。

クランクを外したらチェーンカッターでチェーンを切断
これでフロントディレイラーを取り外すことができる。

フロントディレイラーがシートポストの大きさに合わない場合は、付属のアダプターを取り付け、適当な位置で仮止めしておく。

フロントディレイラーの位置を決めるためクランクを戻す。

新しいフロントディレイラーにはガイドシールが張ってあるので、ガイドシールを参考に、チェーンガイドの外プレートがアウターギアの外側まで移動することを考慮しつつ、アウターギア(一番大きなチェーンリング)とフロントディレイラーのチェーンガイドの隙間が1~3mmになるよう調整する。

チェーンガイドの外プレートとアウターギアの平らな面が平行になるよう調整する。

フロントディレイラーの位置が決まったら、指定トルクでで固定する。
SHIMANOのMTB用フロントディレイラー(バンドタイプ)の締め付けトルクは「5 ~7N-m」。

フロントディレイラーの位置が決まったら、リアディレイラーのプーリーと、フロントディレイラーのチェーンガイドに注意してチェーンを繋ぐ。

フロントディレイラーの調整を行うため、チェーンが一番内側に来るよう、フロントをインナーギア(最小チェーンリング)、リアをローギア(最大スプロケット)にセットする。

SHIMANOのMTB/トレッキング用のフロントディレイラーなら、チェーンガイドの内側プレート(A)とチェーン(B)の隙間が0~0.05mm(ほとんど擦れている状態)になるようダウンスイング(y)とトップスイング(x)を調整する。

ダウンスイング・トップスイングともに右回しで外側、左回しで内側に移動する。

ロード用のフロントディレイラーは、ロー側はダウンスイングのみ、トップ側はトップスイングのみで調整を行うので、使用するフロントディレイラーの違いに注意が必要。

ロー側の調整が済んだら、シフトケーブルを張るため、フロントをアウター(最大チェーンリング)、リアをローギア(最大スプロケット)にセットし、チェーンガイドの内側のプレートとチェーンの隙間が0~0.5mmになるよう調整する。

何度かシフトレバーを操作してワイヤーの弛みを取り、手で軽く引っ張りながら固定し、微調整はシフトレバーのアジャスターを使用する。

引っ張り過ぎないことがポイントかも。
ワイヤーの締め付けトルクは「5 ~ 7 N-m」。

シフトワイヤーを固定したら、チェーンが一番外側になるよう、フロントをアウターギア(最大チェーンリング)、リアをトップギア(最小スプロケット)に入れ、チェーンガイドの外側のプレート(A)とチェーン(B)の隙間が0~0.05mmになるようダウンスイング(y)とトップスイング(x)を調整する。

トップ側の調整はロー側と逆で、右に回すと内側に、左に回すと外側に動く

ローギア側の調整・ワイヤーの張り調整・トップ側の調整が一通り終わったら、スムーズに変速できるか確認。

クランク側(外側)へチェーンが落ちる場合は、トップ側の調整ボルトを右に1/8回転ずつ(チェーンガイドを内側に動かす)調整。
ボトムブラケット側(内側)にチェーンが落ちる場合は、ロー側で調整ボルトを右に1/8回転ずつ(チェーンガイドを外側に動かす)調整。

ロー(最小チェーンリング)からトップ(最大チェーンリング)に変速しにくい場合は、シフトワイヤーを張る。
改善しない場合はトップ側で調整ボルトを左に1/8回転ずつ(チェーンガイドを外側に動かす)調整。

トップ(最大チェーンリング)からロー(最小チェーンリング)へ変速しにくい時は、ロー側で調整ボルトを左に1/8回転ずつ(内側にチェーンガイドを動かす)調整。

フロントディレイラーの取り付け位置をしっかりと決めてしまえば、後は調整ボルトとワイヤーの引っ張り具合で、居心地の箇所を見つけるような感じなので、取り敢えずフロントディレイラーを固定する位置決めが大きなポイント。

シフトレバーの取り外しと取り付け

シフトレバー本体を換装する場合、シフトレバー本体にアウターケーブルが付属していないことが多いため、既存のアウターケーブルを再利用するか、新たにシフト用アウターケーブルを用意することになる。

フロントディレイラー

既存のシフターを取り外すため、フロントディレイラーに固定しているシフトワイヤーのエンドキャップを切断して、ワイヤーを外す。

固定ボルトの位置によってはクランクの取り外しが必要な場合もある。

自転車のブレーキ交換

シフトレバーからフレームにある「アウターケーブル受け」まで、アウターケーブルの長さを調整してカットする。

アウターワイヤーの切断面。

切断面は目打ちなどで潰れた穴を整え、切断面はヤスリをかけておく。

エンドキャップを付けたアウターケーブルに、グリスを塗ったシフトワイヤーを通し、シフトレバーにしっかりと差し込む。

シフトワイヤーをボトムブラケットの下にあるフロント用のワイヤーガイドに通す。
ワイヤーガイドは「溝」ではなく、ワイヤー通す穴があるので要注意。

フロントをアウター(最大チェーンリング)、リアをローギア(最大スプロケット)にセットし、チェーンガイドの内側のプレートとチェーンの隙間が0~0.5mmになるよう調整する。

何度かシフトレバーを操作してワイヤーの弛みを取り、手で軽く引っ張りながら固定し、微調整はシフトレバーのアジャスターを使用する。

ワイヤーの締め付けトルクは「5 ~ 7 N-m」。

シフトワイヤーを固定したら、フロントディレイラーのトップ側の調整をし、変速に問題がなければ完成。





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