パソコン内部の掃除


「パソコンに詳しくないからパソコンのケースは開けない」というユーザーは意外と多い。確かにパソコンのケースは滅多に開けるものではないが、ケースを開けなければ掃除ができない。
PCには発熱するパーツが多く、それらの冷却は非常に重要な機能で、冷却が正常に行われないとパーツを痛める原因になるため、「初心者が触ると壊れる」という認識が、却ってパソコンの寿命を縮める結果になりかねない。



使用している環境や使用時間にもよるが、ほぼ毎日2~3時間起動していれば、1年間でそこそこのホコリが溜まっている。
このホコリを取るだけでパソコンはずいぶんと快適になる。

一般的に市販のパソコンは背面にファンがついており、そのファンと電源ユニットから排気する仕様が最も多い。

赤枠がケースファンで、青枠が電源ユニット。
PCのケース内部はエアフローと呼ばれる空気の流れがあり、エアフローが悪いとケース内部の温度が上昇する原因になる。
図のように排気用のケースファンがあり、電源ユニットの吸気ファンがケース内部に向いている場合、換気扇が2つ付いているようなもので、それらが回転するとケース内の温められた空気が排出されて内部の気圧が低下し、新鮮な外気が流入して、ケース内部の空気が冷却される。
ただ、この時に新鮮な空気と一緒に空気中に浮遊している細微なホコリも入ってくる。

市販されているメーカー製パソコンのエアフローは、ケース内部の気圧が低下する「負圧」の状態になっているものがほとんどで、吸気口にフィルターがついておらず、ケースの吸気口や隙間からホコリが入りやすい状態にある。
ケース内部に入ったホコリは背面ファンから排気される途中で、CPUの冷却装置、拡張カードやマザーボードなどの基板、ハードディスクや光学ドライブの表面などに付着し、これが蓄積することで冷却効果の低下を招くことになる。

ホコリの蓄積しやすい箇所

ほとんどのPCケースはホコリが溜まる箇所が見えなくなっており、見た目はきれいなことが多い。
一般的に吸気口は前面と側面についており、前面の吸気口はフロントパネルで隠れている。また、エアフローは前面吸気・背面排気のため側面の吸気口にはホコリが蓄積しにくく、実際にどれほどホコリが蓄積しているか、外観からではわからなくなっている。

ホコリの蓄積量が目視で確認できれば掃除する気にもなるのだが、見た目に汚くなるところはしっかりと隠されているため、PC内部のホコリは見過ごされがちになる。

下図は一般的なメーカー製PCのミドルタワーケースで、ほぼ1年程度掃除をしていない状態。使用頻度は週に2~3回 平均2時間程度と低い。
前述のとおり最も一般的なエアフローは前面吸気・背面排気で負圧のため、ホコリは吸気側に蓄積しやすく、フィルターもないのでPC内部にホコリが流入しやすい。

市販PCにフロントファンが付いていることは稀で、ほとんどの場合は図のように吸気口のみになっており、吸気の際にホコリが付着する。

上図はケースにクーラーマスターCM690を使用した1日2時間程度稼働するマシンで、ほぼ1年近く掃除をしていない。
このケースは前面に120mmの吸気ファンとフィルターを搭載しているため、ファンの形にホコリが蓄積しているのが分かる。

吸気ファンを搭載しているため、通常の背面ファンのみを搭載したマシンに比べると吸気量は多いものの、フィルターが付いていないPCケースでは、これらのホコリがケース内部に侵入することになる。

ハードディスクは30℃~50℃程度の熱を持ち、冷却が正常に行われないと異音が発生したり、クラッシュの原因にもなる。

ハードディスクほど重要ではないが、光学ドライブの上面にもホコリが積もりやすい。

最も肝心なのがCPUクーラーで、他の部分と比較してもホコリが多い。
これはPC内部に侵入したホコリを、CPUの冷却ファンが吸い込み、ファンの下にあるヒートシンクに吹きつけるためで、当然ヒートシンクの表面にもホコリが蓄積する。

CPUクーラーは発熱するCPUを冷却する役割を負っており、CPUの熱を吸収して発散させるヒートシンクにホコリが付着すると、冷却効果が著しく低下し、CPUの冷却が正常に行われず、高温になりすぎると自動制御機能により、PCが強制終了する場合もある。

自作PCだとPC内部を正圧にすることで、吸気ファン以外に外気の流入がないため、吸気側にフィルタを設置することで、PC内部のホコリは大幅に減らすことができるが、それでもわずかとは言えヒートシンクなどにはホコリが蓄積する。

ケース背面に取り付けてあるファンは室内に取り付けられている換気扇と同じで、PC内部の温まった空気を外に排気する。

ファンの羽にホコリが付着していることから、ケース内部の空気にホコリが混じっていることが分かる。

ケース内部を正圧にしてあるPCのリアファンには、細かなホコリが付いている程度。
上図と比較すると、PC内部の空気に大きな違いがあることが分かる。

パソコン内部の掃除の手順

掃除の手順と言っても大したことはなく、サイドパネルとフロントパネルを外し、エアーダスターでホコリを吹き飛ばすだけ。
ただし、PCの使用状態にもよるが、室内でエアーダスターを使用すると相当なホコリが宙に舞うため、可能であれば、風通しの良い場所で作業した方が無難。

パーツを取り外さなければ自作の知識がなくても簡単にできる。
無論、各パーツを取り外し、ケースファンを水洗いしたり、パーツごとにエアーダスターを使用した方が良いのだが、そこまで行くと難易度が跳ね上がるので、とりあえずエアークリーナーで各部のホコリを吹き飛ばす。
全く掃除をしないよりは、エアーダスターのみでも清掃した方がPCの状態は格段に良くなる。

実際の掃除に必要なのはプラスドライバーとエアーダスターのみ。
より細かく掃除をしたい場合はブラシなどもあると便利。

初めにサイドパネルを固定しているネジを外す。

ネジによってはドライバーが必要ないものもあり、メンテナンスフリーのケースでは、レバーを操作することでサイドパネルを取り外せるものもある。

サイドパネルを固定している箇所は、図のように上下4箇所のものが多いが、ケースによって異なる。

サイドパネルを開けたら次はフロントパネル。
フロントパネルの固定方法はケースによって千差万別。

図のPCケースでは、赤枠部分のようにツメで3箇所固定されており、このツメを一つ一つ外していくことになる。

CoolerMasterのPCケースCM690などは、ツメで固定されておらず、底部から引き剥がすようにして外す仕様になっている。
また、稀にボルトで固定されているものもあるので、力任せに外すとパーツを損傷してしまうので要注意。

フロントパネルは左右で固定されていることが多いので、サイドパネルは必ず両方外して確認する。

フロント部分のホコリは吸気口に絡みついているため、エアーダスターを使用せず雑巾などで拭き取る。

ハードディスクや光学ドライブに付着しているホコリはエアーダスターで吹き飛ばす。

CPUファンのホコリは羽にこびり付いており、エアーダスターを吹きかけても取れにくいため、表面のホコリを吹き飛ばした後は、歯ブラシなどで軽く擦ってやるときれいになる。

ファンをきれいにしたら、次はファンの下にあるヒートシンクに蓄積しているホコリを吹き飛ばす。
エアダスターに付いているノズルを使用し、ファンの隙間から吹きつけ、ブラシを使用してヒートシンクに付着しているホコリを取り除く。

背面ファンなどのケースファンもCPUファンと同様、表面のホコリを飛ばした後、歯ブラシを使用して羽に付着しているホコリを除去する。

グラフィックカードやその他の拡張カードを使用している場合は、基盤の表面に付着したホコリをエアーダスターで吹き飛ばす。

また、グラフィックカードには冷却ファンやヒートシンクが付いているので、その部分も念入りにホコリを吹き飛ばす。

電源ユニットは背面からエアーを吹きかけるよりも、ケース内部にある電源ユニットの吸気ファンの方からエアー吹きこむほうが良い。

後は目についたところのホコリを除去し、ケースを正常な位置にしてから、再度、全体的にエアーダスターを吹きつけ、ケース内部のホコリを極力取り除く。

最後にフロントパネルとサイドパネルを元に戻して完了。






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