PDFSAM Split and Merge Basicのインストールと使い方


PDFファイルの分割・結合に特化したフリーソフト「PDF Split and Merge」が、バージョン3.0からPDFSAM Split and Merge Basicとしてリニューアルした。
バージョン2.xでは微妙だった日本語も進化して、インターフェイスも大幅に改善されているものの、バージョン2.xで実装していたビジュアル機能が外されたのは残念。

PDFSAMにはオープンソースの「Basic」のほか、Basicの機能を補完する有料の強化版「Enhanced」が用意されている。
PDFSAM BasicではPDFファイルの分割と結合しかできないが、Enhancedではビュワー・PDFファイルの作成・変換・編集・MS OfficeやHTMLへのコンバート・PDFファイルの編集・セキュリティなど、と一通りのPDF編集機能が揃っており、使用可能なモジュール(機能)によって「スタンダード」「プロフェッショナル」「プロ+OCR」の3タイプに分かれている。

無料にこだわるなら、編集はPDF-XChange Editorを使用し、他のファイルをPDFにする場合はBullzip Free PDF Printer、分割・結合のみPDFSAM Basicを利用することになるが、PDFSAM ProfessionalならPDF-XChange Editorと同等の編集機能と、Bullzip Free PDF PrinterのようなPDFファイル作成機能が備わっているので、高額なAdobe Acrobatの代替としては有力候補かも。

システム要件

バージョン3.3.2現在

OS:指定なし
RAM:256MB以上
ストレージの空き容量:20MB以上
※Javaランタイム JavaFX8以上が必要(セットアップ時に自動インストールされる)

ソフトの入手先

PDFSAM  公式サイト ダウンロードページlink




PDFSAM Basicのインストール

セットアップは全て日本語化されているが、通常のセットアップウィザードとはスタイルが異なり、デフォルトで進めてしまうとPDFSAM Enhancedも同時インストールされるので注意が必要。
Enhancedではビュワーのみ無料で提供されており、PDFの作成モジュールはメールアドレスと氏名を登録することでアクティベートキーを取得できるものの、他のモジュールは使用できない。
Basicで可能な「PDFファイルの結合」はEnhancedでも「PDF作成」で対応できるが、「分割」に関してはEnhancedでは有料モジュールになるため、無料で使用する場合はBasicとEnhancedを併用することになる。

ダウンロードページの「Windows downloader(.exe)」をクリックして、プログラムをダウンロードする。

下段にある「Install PDFsam Enhanced….」の部分は画像なのでチェックは外せないが、セットアップ時に選択できるので気にしない。

 

ダウンロードしたPDFSAM Basicのインストーラーを起動すると、セキュリティ警告が出るので「実行」。

セットアップセットアップウィザードが開始するので、「詳細オプション」をクリック。

「PDFsam Enhanced」をインストールする設定になっているので、Basicのみ使用する場合はチェックを外す。

デスクトップへのショートカット他、「デフォルト設定」のチェックが全て外されて選択不可になるが、無料バージョンなので仕方がない。
「アプリケーションの実行中でも….」のチェックはどちらでも良いので、PDFsamのインストール先を確認して問題なければ、そのまま「次へ」。

Javaランタイムほか、必要なプログラムを自動ダウンロードしてインストールが開始する。

セットアップウィザードはインストールが完了すると、何も告げずに終了するが、 ブラウザが起動してPDFsamのウェブサイトが表示される。

Enhancedのチェックを外すと、デスクトップのショートカットやスタートメニューへの登録などPDFsamへのアクセス手段が全て取り消されるので、手動で登録する必要がある。

セットアップ時に確認したプログラムのインストール先(Windows7では C:\Program Files (x86)\PDFsam Basic)を開き、「pdfsam」の実行ファイルを選択後、コンテキストメニュー(右クリックメニュー)から、「スタートメニューに表示する」や「送る」→「デスクトップ(ショートカットを作成)など、任意で登録をして完了。

使用方法

PDFsam Basicでできるのは、「分割(Split)」と「結合(Merge)」「回転(Rotate)」の3機能。

PDFsamの起動直後は賑やかだが、プレミアム機能は使用できない。

左ナビゲーションから「ギア」アイコンをクリックして「設定」画面を開く。

「動作」の項目から「警告音を再生」「起動時に更新を確認する」以外の項目のチェックを外してからPDFsamを再起動。

Basicで使用可能な機能のみ表示され、ワークスペースがシンプルになる。

分割(Split)

「分割」は1つのPDFファイルを「各ページ」「偶数ページ」「奇数ページ」「指定したページの後ろ」「指定したページ数毎」の5通りが可能。

ワークスペースから「分割」を選択して分割フォームを開く。

フォームの上部にあるテキストボックスに、分割するPDFファイルをドラッグ・アンド・ドロップするか、「参照」からファイルを指定する。

ファイルにロックがかかっていると、追加したファイルの先頭に鍵のアイコンが表示されるので、アイコンをクリックしてパスワードを入力後に「ロックを解除」する。

当然ながらロックを解除しなければ分割や結合などの実行時にエラーがでる。

ファイルを追加したら「分割の設定」を行う。

後で分割

「後で分割」は指定したページの後ろで分割するもので、「各ページ」「偶数ページ」「奇数ページ」が選択できる。

6ページのファイルの場合、「各ページ」を選択すると6つのファイルが作成され、偶数ページだと1~2ページ、3~4ページ、5~6ページの分割、奇数ページだと1ページ、2~3ページ、4~5ページ、6ページという分割になる。

次のページ番号の後で文章を分割

「次のページ番号の後で文章を分割」は文字通り、指定したページ番号の後ろで分割される。
分割したいページ番号を入力し、複数ある場合は「,(カンマ)」で区切る。

6ページのファイルを「次のページ番号の後で文章を分割」で「4,5」と指定した場合、1~4ページ、5ページ、6ページのファイルが生成される。

“n”ページごとに分割

「”n”ページごとに分割」は指定した任意の「n」ページで区切って分割する。

6ページのファイルを「”n”ページごとに分割」で「3」と指定した場合、1~3ページと4~6ページのファイルが生成される。

分割設定が完了したら、次に出力設定を行う。

出力設定はファイルの生成場所の指定と、「詳細設定」で「しおり(ブックマーク)」の破棄と、PDFのバージョン変更が可能。

PDFファイルの閲覧アプリとして最も使用されているAdobe Reader(Acrobat Reader)は、下位互換になっているので、最新のAcrobat DCであれば全てのPDFファイルを表示可能。
また、Adobeの公式からはすでに入手不可能なバージョン4.0など、極端にバージョンの古いAcrobat Readerを使用しない限り、閲覧に支障が出ることはないので、PDFのバージョンはデフォルトの「入力文書と同じにする」で問題ない。

ファイルの出力先を設定したら、「ファイル名」を入力して「実行」。

出力されるファイルはデフォルトで「生成されたファイルの先頭ページ数_指定したファイル名」という体裁になる。
「PDFsam_89」というファイル名で6ページのファイルを3ページで分割すると、「1_PDFsam_89」と「4_PDFsam_89」のファイルが出力される。

ファイル名には変数を指定してすることも可能で、ファイル名の入力箇所で右クリックすると使用可能な変数が表示される。

「TIMESTAMP」は年月日にミリ秒までの時刻がファイル名として挿入される。
20170601_081452189(2017年6月1日8時14分52秒189ミリ秒)

「BASENAME」は「生成されたファイルの先頭ページ数」に「元ファイルのファイル名」が付いたもの。
分割元のファイル名が「TES」の場合、「1_TES」として生成される。

「CURRENTPAGE」は「生成されたファイルの先頭ページ数」。

「FILENUMBER」は生成されたファイルに連番を付けていく変数。

これらの変数はファイル名を入力せず変数単体でも使用可能で、任意のファイル名と組み合わせる場合は、ファイル名の前後など好きな場所に配置でき、変数を複数使用することもできる。

出力先が新規フォルダではなく、デスクトップや既存フォルダなど、すでにオブジェクトが存在している場所を指定した場合、「実行」時に「ディレクトリが空ではありません」というメッセージがでるので「上書き」を選択。
ただし、出力先に「同じ名前」のPDFファイルが存在しているとファイルが上書きされるので要注意。

結合(Merge)

結合は個別のPDFファイルを1つのまとめるもので、複数ページのファイルから範囲を指定して、別のファイルと結合することもできる。

結合するファイルをドラッグ・アンド・ドロップか、上部の「追加」からファイルを参照して追加する。
ファイルにロックがかかっている場合は「分割」と同様、ロックを解除する。

結合される順番は最上部が先頭ページになるので、追加したファイルをドラッグするか「上に移動」「下に移動」で調整する。

複数ページのファイルは「ページの範囲」指定が可能で、3ページから6ページを抜き出してマージする場合は「-(ハイフン)」、3ページと6ページを抜き出したい場合は「,(カンマ)」で区切る。
10ページのファイルを追加し、ページの範囲で「8-10,5,1-3,7」と指定すると、「8,9,10,5,1,2,3,7」というページ順のファイルが生成される。

「マージ設定」はファイルを結合する際のオプション機能で、印刷して冊子にする際に便利な「ページ番号が奇数の場合、空白ページを追加」。

「フッターを追加」は結合する各ページの最下部(フッター)に、元のファイル名と作成するファイルのページ番号を追加する機能。
ただし、ファイル名に「かな・カタカナ・漢字」が使用されているとエラーになるので注意が必要。

「ページサイズを標準化する」は結合するファイルがA4サイズやB5サイズなど混在する場合、結合時の1ページ目に設定したファイルの用紙サイズに統一する機能。

「インタラクティブフォーム」はPDF上で入力可能なAcro Formの取り扱いを指定する項目。
「しおりの処理」は元ファイルにしおりが設定されている場合の処理。
「目次」は元のファイル名や文書タイトルから目次を作成する機能。

各項目の設定が完了したら、「分割」と同じ要領で出力すれば結合されたファイルが作成される。

しおりレベルで分割

「しおりレベルで分割」は「分割」機能のオプションのようなもので、ファイルに設定された「しおり」ごとに分割する機能。

「分割設定」には「しおりレベルで分割」と「一致する正規表現」の2項目がある。

「しおりレベル」というのが分かり難いが、要は「しおり」の入れ子状態を表しており、「しおり」が入れ子状態になければレベル1になり、「しおりレベルで分割」の項目では「1」しか選択できない。

上図の場合だとP30がレベル3になり、レベルを3で分割を実行すると1ページ~29ページと30ページ~最後のページに分割される。
同様にレベル2で分割すると1ページ~14ページ、15ページ~21ページ、22ページ~最後のページの3分割になる。

「一致する正規表現」は「しおり」に含まれている単語を指定して、該当する「しおり」で分割する機能。
ワイルドカードが使用できるが「*(アスタリスク)」だけではなく、アスタリスクの前に「.(コロン)」が必要。
「P30」を指定する場合、「P30」と正しく入力するか、「.*30」または「.*3.*」とワイルドカードを使用することであいまい検索が可能になるが、「しおりのレベル」と一致しなければエラーになる。

上図の場合、「.*30」は「しおりレベル3」以外ではエラーになる。

回転

回転はファイルを90度もしくは180度にする機能で、スキャンして作成したPDFファイルなどでファイル向きを調整する場合に便利。

「回転の設定」には「すべてのページ」「偶数ページ」「奇数ページ」と、「時計回りに90度」「時計回りに180度」「反時計回りに90度」の選択肢があるので、必要に応じて設定する。

交互にミックス

特殊な結合機能で、2つ以上のPDFファイルを交互に重ねていく機能。

「A~F」6ページのファイルと、「1~5」5ページファイル、「あ~お」5ページのファイルを追加し、「1~5」のファイルを「逆順」で結合すると、「A,5,あ,B,4,い,C,3,う…」といった並びで結合されたファイルが作成される。

通常の結合と同様、「ページの範囲指定」のほか、差し込むページ数を指定する「ペース」も指定可能。

前述の設定で「A~F」「あ~お」のペースが各1、「1~5」のペースを2にして実行すると、「A,5,4,あ,B,3,2い,C,1,う,D,え..」という並びでファイルが作成される。

抽出

分割や結合の際に使用する「ページの範囲」を独立させた機能。

ページの範囲指定と同様、連続したページは「-(ハイフン)」、単ページは「,(カンマ)を使用して抽出範囲を指定する。

サイズで分割

ファイルの体裁にこだわらず、ファイルサイズで分割する機能。

分割時に指定できるサイズは「MB(メガバイト)」と「KB(キロバイト)」があるので任意で指定する。

一般的にメールに添付するファイルサイズは2MB前後に抑えるのがビジネスマナー。

単位

8bit = 1B(バイト)…半角英数1文字のサイズが1B(バイト)
1000B = 1KB(キロバイト)…正確には1024Bが1KBだが、一般的には1000B=1KBでOK。
1000KB = 1MB (メガバイト)…フロッピーディスク1枚が1.44MB
1000MB = 1GB(ギガバイト)…CD-R1枚は750MB、DVD-Rは4.7GB
1000GB = 1TB(テラバイト)…Blu-rayディスクは25GB
1000TB = 1EB(エクサバイト)…現段階ではほぼ容量無制限状態





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