革靴の手入れ


革製品の中でも靴の手入れに関してはマニアが多いのか、様々な持論が展開されており、意外と面倒くさい。
好きだからこそ熱くなれるのかもしれないが、基本さえ抑えておけば、どこのメーカーのケア用品を使おうが、手順を変えようが、大した問題ではない。

大切なのは凝り固まった理屈ではなく、眼前にある靴のコンディションを見ることだったりする。

ケア用品

馬毛ブラシ

乾拭きに使用する布と同様、最も基本となる手入れ用具。
靴についているホコリや汚れ等を取ると同時に、革の状態も確認できる。

アプライブラシ

アプライ(塗る)ブラシは文字通り、靴クリームを塗るときに使用する。
靴クリームは布で伸ばしても良いのだが、靴全体にまんべんなく、薄く塗り広げるにはアプライブラシが非常に便利。
アプライブラシは靴クリームの色に合わせ、黒、茶、チョコなどに分けての使用を推奨。

ポリッシャーブラシ

ポリッシャー(磨く)ブラシは、アプライブラシで伸ばした靴クリームを、靴に馴染ませるためのブラシ。ブラシだと布のようにクリームを吸収しないので、しっかりと靴にクリームをなじませることが出来るだけでなく、布を使用するよりはるかに効率的。

クリーナー

M・モウブレイのクリーナーで、保革・ツヤ出しの成分を含まない純粋なクリーナー。
有機溶剤、界面活性剤、油脂類、水を主成分としており、クリーナー効果も高い。

靴クリーム

乳化性の靴クリームは、革に栄養を与えるだけでなく、ワックス成分も入っているので革にツヤがでる。また、色付きのものには補色効果もある。

クリームのカラーは使用する靴の色に合わせるのだが、同色がない場合は「近い色よりもわずかに薄い色」を選ぶか、補色を諦めて無色を使用する。



作業手順

革靴の手入れは靴クリームで磨けば良いというものではなく、使用頻度や革の状態に応じたケアが必要で、最も重要なのはクリームによる手入れよりも、靴を乾燥させることだったりする。
どれほど手間隙掛けてクリームで磨いても、靴が湿気っていると、気付いた時にはカビだらけ、ということになりかねない。

また、リキッドタイプの靴墨は、手も汚れず塗るだけでツヤがでるという優れものっぽいが、重ね塗りをしている事が多く、革がヒビ割れる原因にもなるので要注意。
化粧で例えるならメイクした翌日に化粧を落とさず、上からメイクするようなもので、見た目はそれなりに保っていても素肌はボロボロといった感じ。
リキッドタイプの靴墨で重ね塗りをしたら、早い段階でクリーナーを使用して表面に残っている古い靴墨を落とす必要がある。

手入れをするのは牛革のスムースレザーを使用した一般的な革靴。

まず紐靴の場合は当たり前だが紐を外し、シューキーパーをセットする。
作業時のシューキーパーはプラスティック製でもOK。

全体にブラシでホコリや汚れを落としていく。

コバの部分は念入りに。
革底の場合は底の汚れも取り除く。

左右どちらもブラッシングが完了し、革のコンディションが落ちていると感じたら、クリーナーを使用して表面の古い靴墨やワックスを落とす。

モウブレイのステインリムーバーは成分が有機溶剤と水と界面活性剤なので、しっかり振って成分を混ぜ合わせてから使用する。
形状は水に近く、布に取ると吸収してしまうが、少量でも十分なクリーナー効果があるので、気にせずに靴の表面からクリームを落とす感じで、全体に拭いていく。

クリーナーで古い靴墨を落としたら、表面を乾かすついでにコバを同色の靴クリームやハイポリッシュで補色する。

片足ずつクリーナーを使用し、コバに補色していると、いい感じで初めにクリーナーで拭いた靴が乾いているので、アプライブラシを使用して靴全体にクリームを伸ばす。

ここでのポイントは「塗り過ぎない」こと。
アプライブラシの先端に軽くクリームを付け、それを靴全体に伸ばしていく。

ポリッシュブラシで伸ばした靴クリームを、靴に擦り込む感じでブラッシングしていく。

タン(ベロ)の部分もしっかりとブラッシング。
この時点でツヤが出始めるので、ちょっと嬉しかったりする。

最後に布で浸透しなかった靴クリームを取り除きながら、靴全体を磨いていく。

 

これで完成。
この後に更にツヤを出したい場合はハイポリッシュという油性のワックスで磨くのだが、革のコンディションを整える作業はここまで。
ただし、しばらく履かずに収納する場合は、手入れをしてから2~3日は陰干し、木製のシューキーパーを入れることを推奨。

ちなみに写真の靴は5年目に突入したトリッカーズのマートン。
そろそろ革底が限界なのでオールソールでの修理を検討中。





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