PCのトラブルシューティング


自作PCに限らず、それなりにパソコンを使用していると色々と問題に遭遇する。
ハードウェアやソフトウェアの不具合で起動しなくなったり、起動しても不安定だったリ、原因も症状も様々なのだが、意外と初歩的なミスを犯していることが多かったりする。



家電などの取説の末尾にある「こんなときは」には、必ず「電源は入っていますか?」と、イライラを増長させる文言が書かれているが、それくらい当たり前の事を見落としている可能性があるということ。

Windowsの起動が異常に遅い

パソコンの起動が遅い場合の対処法として、ハードディスクのデフラグや常駐アプリの削減が定番化しているが、これらの対処法は「現状を改善」する手立てであって、いままで使用していたPCの起動が明らかに遅くなった場合の対処法にはならない。

Windows7以降のOSで起動に5分以上要する場合は、PCに何らかのリスクが存在している可能性が高く、代表的なのが次の3項目。

  • マルウェアに感染
  • ハードディスクの異常
  • Windowsの不具合

セキュリティソフトを導入していればマルウェア感染は軽減されるものの、フリーソフトや拡張機能などをインストールする際に、ユーザー自身がマルウェアを取り込んでいることも多く、「アドウェア」「ブラウザハイジャッカー」「ダウンローダー」などのマルウェアに感染している可能性がある。

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多くのセキュリティ対策ソフトは試用期間が用意されており、試用期間中はフル機能で利用できるため、まずは信頼できるセキュリティ対策ソフトをインストールしてスキャンを実行する。

注意が必要なのは「ローグウェア」と言われる偽装セキュリティソフトで、インストール後にユーザーの不安を煽って、ほとんど機能しないセキュリティソフトを購入させるため、インストールするセキュリティソフトは「ESET」「Symantec」「Kaspersky」「Trend Micro」などの利用を推奨。

Windowsがインストールされているシステムドライブに異常が発生すると、当然ながらWindowsが起動しないなどの不具合が起こるのだが、増設したハードディスクの異常でもWindowsの起動は著しく遅延する。

一番厄介なのは増設した内蔵HDDをシステムが認識できなくなる現象で、Windowsには異常がないものの、増設ドライブの認識に失敗するため、Windowsが起動するまでに20分~30分を要することがある。

Windows起動後は不具合が発生したドライブアイコンが消えているほかは問題なく動作するものの、該当のドライブを取り外すまでWindowsの起動に支障が出る。

Windowsそのものに不具合が生じるとリカバリするのが手っ取り早いのだが、一時ファイルやプリフェッチデータを削除することで起動時間の改善が期待できる。

プリフェッチ(prefetch)とは、アプリケーションの起動を早めるなど、システムのパフォーマンス向上を目的としたメモリ管理機能。
ユーザーの「使い方」を記録・分析し、「ユーザーの癖」を掴むことで、次に起動するであろうプログラムを先読みする仕組み。
WindowsXPに実装され、Vista以降では「Windows SuperFetch」という名称になっている。
ただ、パフォーマンスを向上させる機能なのだが、ログデータが肥大化することでプリフェッチの読み込みに時間がかかり、Windowsの起動がもたつく原因になるため、定期的に削除することでOSの起動が安定する。

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プリフェッチデータは「Windows」→「Prefetch」フォルダ内に格納されているが、CCleanerの使用すれば長期間使用していないプログラムが記録されているプリフェッチデータが削除される。

この他、CPUやメモリリソースを大量に消費しているプログラムの削除、常駐プログラムの見直しなどを行ってから、デフラグなどを実行すると改善する可能性が高い。

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ハードディスクの劣化

数年使用しているPCで、ハードウェアに起因する不具合で最も多いと思われるのがハードディスクの劣化。
運悪くWindowsのシステムファイルが破損してしまうと、最悪の場合Windowsが起動しなくなる。

HDDにはS.M.A.R.T(スマート)という自己診断機能があり、HDDの各ベンダーが独自で「しきい値」という正常と異常の境界を定め、その「しきい値」を超えるとハードディスクに劣化が生じていると判断される。

この情報を取得して確認できるのがCrystalDiscInfo。

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HDDの健康状態を把握していれば、問題が発生する前に対処することが可能になる。

Windowsがインストールされているシステムドライブに不具合が発生すると、起動時にS.M.A.R.Tが異常を知らせるか、真っ黒な画面に「Operating System not found…」と表示される。

「Operating System not found…」は、USBメモリが差さっていたり、光学ドライブの中にディスクが入っていることが原因だったりするので、取り敢えずPCに挿さっている記憶装置類を取り外し、光学ドライブの中も空にして再起動。
それでも「Operating System not found…」が表示される場合は、マスターブートレコードかシステムファイルが破損している可能性が高く、稀にハードディスク本体が破損していたりする。

この状態ではリカバリするかWindowsの「システム回復オプション」を使用することになり、データがバックアップされているならリカバリするのが手っ取り早い。

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ハードディスクは消耗品だと考えて健康状態に注意し、万が一のためのバックアップが重要。

電源が入らない・電源が落ちる

電源を入れても起動しないときは、ハードウェアに問題があり、経験則から原因は大抵以下の5つ。

  • 電源ユニットの接続が甘い
  • メモリが完全に挿さっていない
  • 12V(田型)ケーブルの挿し忘れ
  • CPUクーラーのファンが回っていない
  • フロントパネルのケーブル配線が間違っている

パソコンは電源が安定していなければ落ちてしまう。
当たり前のことだけに見過ごしがちなので、電源に関係するエラーが発生した場合は、まず接続確認。

コンセントに挿さっているようでも、根本まで挿し込まれていないと、電力が不安定になるため、パソコンを起動しても作業中に突然 落ちるという現象が発生する。
電源が入ったら接続できているように思ってしまうが、パソコンが何の前触れもなく急に落ちてしまう場合は、はじめにコンセントの挿し込みを要チェック。
OAタップなどでは別の挿し込み口に変えたり、古いケーブルならケーブルを変えてみたり、タコ足配線になっているなら直接コンセントから電源を引っ張ってみたりと、電力の安定化を図るのが肝心。

ちなみにOAタップや延長コードなどには「1500W」と表示されているが、1500W以上使用すると過電流の状態になり、発火の危険性が出てくるので要注意。

自作の通電テストで電源が入らない場合、電源周りに問題がなければ、次に疑わしいのがメモリ。
ただ、メモリも初期不良とか、メモリテストをしてエラーが出るとか、そんなレベルの話ではなく、単に挿し込みが不完全な接触不良によるエラーが一番疑わしい。

4枚挿し、2枚挿しの場合、1枚でも接触不良があると電源が入らない
メモリは挿し込むとツメが起き上がって固定されるタイプが多いのだが、しっかり押し込まないと中途半端にツメが起き上がって、固定されているように見えてしまう。

初期不良の可能性も考慮して、取り敢えず挿してある全てのメモリを一旦取り外し、1枚ずつきっちりと挿して起動確認。
万が一、メモリを挿して起動しなかったら、問題のメモリを別のスロットでテストし、起動確認ができたメモリを問題が発生したスロットへ挿すことで、メモリ側に問題があるのかスロット側の不具合かを特定できる。
意外と挿し替えると問題なく動作したりするので、その時は結果オーライ。

自作ビギナーのときにやってしまいがちなのが4pin12V(田型)の挿し忘れ。
電力が供給されないので当然ながら起動しない。

電源を入れた瞬間は動作するが、すぐに落ちてしまう場合は、CPUクーラーも要チェック。
ケーブルの取り回しが出来ていないと、ファンに干渉して回転を妨害しているときがある。

INTELのリテールクーラーを使用した際に、よく干渉して止まっていたりする。

通電テストの場合、フロントパネルの配線は電源スイッチの「Power SW」のみで良いのだが、挿し込むピンが1つずれていたり、プラスとマイナスを逆に挿したりしていないか、マザーボードのマニュアルやマザーボードの記載を参考に正しく接続する。

電源ユニット単体のテスト

接続が正しく行われているにも関わらず、うんともすんとも言わない時は、電源ユニット単体でのテストもできる。
ただし、あくまでもマニュアル外の方法なので、実施する際は自己責任。

電源ユニットをマザーボードと接続している場合は、全てのケーブルを取り外し、電源ユニットのパワースイッチをオフにする。

このスイッチに表記されている「ー ◯」は、どちらがONでどちらがOFFなのか迷ってしまうが、表記は2進法に基づいており、「1」と「0」をピクトグラムにしたもので「1」がON、「0」がOFF。
ただ、それでは覚えにくいので「IN / OUT」と思ったほうが良いかも。

24Pin(20Pin)の主電源には緑色のケーブル(PS_ON)があるので、黒色のケーブル(COM)にショートさせると通電する。

ゼムクリップなどで「PS_ON」と「COM」をつなげて電源スイッチをONにして、ファンが正常に回転すれば取り敢えずは異常なし。

ファンが回転しなかったり、不規則な動作をする場合は異常をきたしているので使用は避ける。

異音と熱暴走

長らく使用しているPCが使用中に異音が発生する場合は、PC内部に溜まったホコリを除去するだけで改善することが多い。
また、ホコリによりCPUなどの冷却効果が低下すると、熱暴走による保護機能が動作して、使用中にPCが突然落ちることもある。

パソコン内部の掃除

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見た目と違ってPC内部はホコリが溜まりやすいので、定期的な掃除が不可欠だったりする。

モニタに映らない

通電テストの場合、電源を入れて電源ユニットのファンやCPUクーラーのファンが回転し、マザーボードに通電していることが確認できた状態で、モニタにUEFIやBIOSが表示されない時も、まずモニタのケーブル接続を確認。

市販のマザーボードにはD-subやDVI、HDMIなどグラフィック用のコネクタを実装しているが、これらのコネクタはCPUがグラフィック機能をサポートしていないと使えない。

最近ではAMDのハイエンドCPU「 Ryzen7」がグラフィック機能をサポートしていないため、マザーボードのグラフィック用コネクタは使用できないなど、CPUの仕様によって異なるため注意が必要。

通電も問題なく、CPUの仕様も確認済みでも、モニタが「No Signal」になっている場合は、使用しているケーブルを変えてみる。
D-Subを使用していればDVIやHDMI、もしくは別途用意したD-Subのケーブルなどを使用してみる。

それでもダメなら、稼働しているPCのモニタと差し替えてみたり、ノートPCに接続してモニタに映像が表示されるか確認。
映らなければ初期不良、映るようならマザーボード側に問題があるので、電源からメモリを再チェックし、マザーボードのグラフィック機能を使用している場合、可能であれば別途グラフィックカードを差して、モニタに映るか確認すると問題が絞りこめる。

パーツの初期不良

自作PCでは、マザーボードにCPU、CPUクーラー、メモリを設置後に通電テストを実施するのがセオリーで、この時点で電源が入らない、モニタに映らない等のエラーが発生すると、問題を切り分けて原因追求することになる。

ただ、個人的に初期不良に出会ったことは皆無に近い。
1度だけ初期不良と思って交換してもらったことはあるが、後からいろいろと調べると初期不良じゃなかったかも。。。というのがあるくらい。

ネット上には初期不良の情報が多いので、不具合が発生すると初期不良や相性の問題だと思いがちだが、製品に由来するエラーよりも、初歩的なミスやパーツの仕様を把握していないことによる不具合のほうが圧倒的に多い。

問題が発生したら、外に目を向ける前に先ず、自分の足元を見るべきなのかも。





自作PCの基本

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