自転車のVブレーキ交換と調整

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クロスバイクのVブレーキ交換と調整

ブレーキ は自転車の各パーツの中でも命に関わる重要な箇所で、ブレーキシューは消耗品のため 効き具合の確認や定期的な ブレーキシュー の交換が必要になる。

ブレーキの種類

自転車の ブレーキで 一般的なのが キャリパーブレーキVブレーキ で、キャリパーブレーキ は主に ロードバイク に用いられ、Vブレーキ は マウンテンバイク や クロスバイク などで使用されている。

キャリパーブレーキ と Vブレーキ では ブレーキの聞き具合 が異なり、キャリパーブレーキ に比べ Vブレーキ は ブレーキ の効きが強く、太いタイヤにも対応できるが、制動力が強すぎるため ロード には不向きだと言われている。

キャリパーブレーキ と Vブレーキ では操作する ブレーキレバー も異なり、 キャリパーブレーキ 用の ブレーキレバー では 引き代が短いために Vブレーキ を引くことができず、 Vブレーキ には Vブレーキ 用の ブレーキレバー が必要になるが、 ミニVブレーキ は Vブレーキ の アーム長を短くすることで、引き代の短い キャリパーブレーキ 用の ブレーキレバー でも操作できるようになっている

Cross Bike V Brake 1

Vブレーキ は てこの原理 を利用した装置のため、アーム長 によってブレーキの効き具合が異なる。

ノーマルな Vブレーキ は アーム長 が102mm、ミニVブレーキ は アーム長 が85mm や 90mmになっており、アーム長が短いほどレバーの引き代は短くなり ブレーキの効きも弱くなる

ミニVブレーキ という名称が ロード用のブレーキレバー で無理やり Vブレーキ を引いている印象を受けるが、ミニVブレーキ は ロード用 の ブレーキレバー に対応したものとして製造されている製品になる。

使用工具

ブレーキレバー と ブレーキ の換装では特殊な専用工具は不要で、 アーレンキー があれば作業できるが、ワイヤー を切断するため ワイヤーカッター があると便利。

アーレンキー ( 6角レンチ )
ブレーキレバー の取り付けや ブレーキ の アジャスターボルト を調節する際に必要。
ワイヤーカッター
ペンチ や ニッパ で切断するとバラバラになりやすいワイヤーがキレイに切断できる。
ブレーキケーブル
アウターケーブル と インナーケーブル を別売りしているものもあるが、こだわりがなければ シマノ の スタンダードブレーキセット がオススメ。
ブレーキレバー・ミニVブレーキ
ブレーキ は組み合わせがあるので要注意。
パーツクリーナー・グリース
パーツクリーナー は ハンドル のグリップ取り外しや取り付けの際に使用。
グリース は ブレーキ を固定する ボルト や インナーワイヤー に塗布する。

Vブレーキ の換装と調整

初めに既存 ブレーキ の取り外しを行う。

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裏側にあるボルト緩めて ブレーキレバーとシフトレバー 取り外す。

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Vブレーキのボルトを緩めて 固定されていブレーキワイヤーを外す。

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グリップ は ストロングジャンボ などパーツクリーナー のノズルを差し込んで クリーナーを注入すると外しやすくなる。

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グリップ を外すと ブレーキ と シフト は簡単に外せる。

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Vブレーキもボルトを外して取り外す。

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簡単に取り外せる。

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ブレーキ取り付け箇所の汚れを落とし グリス を塗布する。

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ブレーキ の取り付け箇所には3つ穴があり、差し込む穴の位置によって スプリング の強弱を調整できるようになっている。

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ブレーキシュー の部分には厚めの スペーサー が付いており、スペーサー で ブレーキシュー と リム の間隔を調整する。

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スペーサー の他に ワッシャー が 3 枚あり、2 枚 は ブレーキ 本体を挟むように取り付け、残った1枚は ブレーキシュー を固定するナットの前に挟む。

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ブレーキレバー を ハンドル に仮留めしてインナーワイヤー を取り付ける。

インナーワイヤー の先端は タイコ と呼ばれる形状になっており、ロード用 と MTB用 で形状が異る。

一般的な インナーワイヤー は両端が それぞれロード用とMTB用になっているので、ブレーキレバーの形状に合った方のタイコを差し込む。

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ハンドル を切った際の取り回しなどを考慮して インナーワイヤー を ワイヤーカッター で切断。
短く切り過ぎたら取り返しがつかないので 少々長めでカットしたほうが無難。

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リードパイプ を取り付ける。

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ブレーキレバー からリードパイプ まで アウターワイヤー の長さを調整する。

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アウターワイヤー も ワイヤーカッター で切断。

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穴が潰れた状態では インナーワイヤー が引っかかり ブレーキ の性能に悪影響を及ぼすため、目打ち などで潰れた穴を丸く整え 切断面はヤスリをかけておく。

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エンドキャップ を装着。

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アウターケーブル に インナーワイヤー を通し ブレーキレバーにしっかりと差し込む。

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インナーワイヤー を リードパイプに通し アウターケーブル は リードパイプ に差し込む。

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ワイヤー を固定ネジに通して仮止めし ブレーキレバーを引いて ワイヤー の調整を行う。

ワイヤーを仮止めした後、何度かブレーキレバーを引いてワイヤーの弛みを取る。

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リム と ブレーキシュー を5mmほどの間隔にして ワイヤー を固定し、ブレーキシュー が リム にあたるように高さと角度を調整。

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リムとブレーキシューの間隔を1~2mmにするため、左右の間隔を アジャスターボルト で微調整する。

ボルトを締めると ブレーキシューはリムから離れ、緩めるとリムに近づく。

ネジは 4分の1回転 ほど回すだけで バネの強さが大きく変わってくる。

ネジを回してブレーキレバーを引き、ブレーキシューとリムの距離 や ブレーキが 片効き になっていないか確認しつつ、何度かブレーキレバーを引いて 左右のブレーキシューとリムの間隔が同じになるまで調整を繰り返し、調整が終了したら 確認のためタイヤを浮かして回転させ、タイヤの回転が止まるようなら ブレーキシュー等がタイヤに干渉しているので 再調整を行う。

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リアブレーキ も フロントブレーキ と同様 ブレーキ を取り付け、ブレーキレバー からブレーキまでの ワイヤー の長さを調整して切断後、ブレーキレバー から アウターケーブル受けまでアウターケーブルの長さを調整し、エンドキャップを付けて固定。

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リアブレーキ側 も アウターケーブル 受けから リアブレーキ の リードパイプ までアウターケーブルを通す。

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ブレーキシュー の調整などを行い、最後に フロント・リア ともに ワイヤー が固定ボルトから 3 cm 以上出ているようならカットして エンドキャップをつけて完成。

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