流星のごとく現れて 消えていった ハイエンド Androidスマホ Essential Phone のまとめ
Essential Phone は Android の生みの親 とされる Andy Rubin 氏が 2017年 3月に立ち上げた ベンチャー企業「 Essential Products 」が「 モジュール式スマートフォン 」という新たなコンセプトで開発した ハイエンド Androidスマホ。
“Androidの父”ルービン氏、モジュール式スマホ「Essential Phone」発表
2017年 5月末に発表され 当初は 6月中には出荷される予定だったが資金難で開発が遅れ、予約販売の状態が続く中、リリース直前の 8月には 70名の顧客のメーリングリストが漏洩し、リリース時は カラーバリエーションが ブラックのみという状態だった。
PH-1のリリース直後はカメラの不具合などがあり 注目されていた分だけ批判が集中。
米国で取り扱いがあるキャリアは Sprint のみで、 Amazon や Best Buy などで販売されるものの 米国の3大キャリア AT&T , Verizon , T-Mobil では取り扱いがないなど、ハードウェアの良し悪しの前に企業としての先行きが不安視されていたが、2018年 には Essential Phone ( PH-1 ) の後継機種「 PH-2 」の開発中止の発表、従業員の 30 % を解雇し、会社の売却を検討しているという報道までなされた。
そして Essential Products は 2020年 2月12日 廃業を発表。
Essential Phone PH-1 を個人輸入
Essential Phone は日本語サイトを公開されているものの、2017年 10月 現在 で 技適マーク(技術基準適合証明)を取得しておらず 国内向けに販売されていないため 入手は個人輸入になり、技適マーク 未取得なので 国内での使用は電波法により原則として違法になる。
米国Amazonで販売されてる Essential Phone は 719.12 ドル。
1ドル 112円 換算で本体価格が 80,541円 で 送料やら手数料やらを含めて合計金額は 89,600円。
セット内容は本体と USB Type-C のケーブル , 充電器 , ヘッドホンジャックというシンプルな構成。
スペック
SoC | Snapdragon 835 |
RAM | 4GB |
ストレージ | 128GB |
ディスプレイ | 2560 x 1312 QHD |
バッテリー | 3040mAh |
大きさ | 141.5mm x 71.1mm (5.71inch) |
重さ | 185g |
SIM | NanoSIM x 1 |
OS | Android 7.1 |
本体がアルミではなくチタンのため 一般的なスマホに比べて重く感じるものの「しっかりしている」という印象。
カメラは前面が 8メガピクセル ( F値 2.20 ) , 背面は 13メガピクセル ( F値1.85 )。
防水防塵は IP54 なので「 有害な影響が発生しない程度の防塵 」「 はねた水くらいからの保護 」。
セットアップ
入手した時点で 搭載している Android は バージョンは 7 .1 .1。
セットアップはメーカー独自の仕様がなく Nexus など Google 純正 Android のセットアップとほぼ同じで至ってシンプル。
起動直後の画面。
言語を日本語に変更して「使ってみる」。
「 新規としてセットアップ 」。
Google アカウントの設定。
便利な指紋認証の設定。
Essential のプライバシーポリシー。
「 OK Google 」のGoogle アシスタントの設定。
セットアップ完了。
ホームアプリは Google Nowランチャーのベースになっている「 Launcher 3 」。
アプリの一覧は中央下にある小さな矢印をタップすると表示される。
デフォルトでインストールされているアプリも純正と同様、最小限になっているので 個人的には好印象。
後は各種アプリのインストールと 使い慣れた Nowランチャーに変更して ウィジェットを配置して完了。
Nexus 6 に 10月5日のセキュリティパッチが適用されている現状で、Essential のセキュリティパッチレベルは 9月5日。
音声通話
Essential Phoneは 3G で「 1, 2, 4, 5 6, 8 」のバンドに対応しており、Yモバイルの場合は「 2.1 GHz 帯(B1)」と「 900MHz帯(B8)」をサポートしており LTE に関してはほぼ網羅している状態なので SIM を挿入したら普通に通話ができると思っていたが、なぜか通話ができない。。。
VoLTE に対応していない SIM では LTE でのモバイル通信は可能だが、音声通話をすると かけた瞬間に通話終了になり、電話をかけてきた相手には話中の状態になる。
3Gでの通話が可能なはずなのだが 再起動しても認識するのは LTE のみ。
使用する通信規格は「 設定 」→「 もっとみる 」 →「 モバイルネットワーク 」→「 Preferred network type 」で変更可能。
通信規格を「 LTE 」のみに切り替えると VoLTE 対応の SIM で 音声通話ができるようになったものの、3Gが全く使えないので 使用環境にもよるが通話メインだと屋内などは結構きびしい。
ベンチマーク
Essential Phoneは「 個性が無い 」という批判を受けているが シンプルさも十分な個性かと思う。
最新の SoC Snapdragon 835 を搭載したハイエンドモデルの中で 派手さのない質実剛健な感じ。
Essential Phone の Geek bench の CPU の測定値。
Snapdragon820 を実装した Zenfone Deluxe が Single-Core 1465 , Multi-Core 3957 だったので 差は歴然。
Geekbench の COMPUTE の数値。
Zenfone Deluxe が 6932 だったので 115% ほど向上している。
技適マーク付きで Oreo にアップグレード
2018年 3月 14日 にアップデートの通知があったので 更新してみると バージョン 8.1.0 の Android Oreo が降ってきた。
ファイルサイズは 1015.1 MB と大きめで セキュリティパッチレベルも 2018-03 に更新される。
Android 8.0から「 Google Nowランチャー 」がサポート外になるので、アップデート前にホームアプリを「 Launcher3 」から「 Google Nowランチャー 」に変更してみた。
再起動後 初期状態に戻るかと思ったら 普通に Google Nowランチャー が起動。
Essential Phone で Playストア で Google Nowランチャー を検索しても表示されないが、アンインストールしない限りは普通に使えるらしい。
リリース後、初めてのメジャーアップデートになるが、サムスンの Galaxy S8 などは 未だにセキュリティパッチレベルが 2017-12 のままなので、セキュリティパッチも含め Essential Phone のアップデートは Google 謹製 デバイス並に早い。
今回のアップデートで 念願の技適マークが表示されるようになった。
Essential Phone 2度目のアップグレード
2018 年8月6日 に発表された バージョン 9 の Android Pie 。
Google Pixel のほか Essential Phone にも配信されることが告知されていたのだが 8月9日 の早朝に降ってきた。
早速アップデートを実行。
Android 9 Pie にアップデート。
システムアップデート後は クラウドプリントが登録している Googleアカウントに対してアクセス許可を求めてきたくらいで 不具合らしきものは 特になし。
大きく変わったのは事前にアナウンスされているとおり ナビゲーションボタンが「ホーム」のみ表示され 「 履歴 」は「 ホーム 」上の「^」をスワイプで表示、「 戻る 」ボタンは利用可能時に表示され、ステータスバーに表示されている時計の位置が左側に移動している。
「 アプリ一覧表示 」と「 履歴 」の操作が重複しており、これまで上スワイプで表示できていたアプリ一覧が 上スワイプを2回繰り返すことになるので 操作性は悪くなった気がする。
「 履歴 」ボタンが無くて困惑するユーザーが続出することが予想されるので「 アプリを切り替えるには上にスワイプ 」という表示がでるのだが、これまで 1タップだった「 履歴 」の表示をスワイプに切り替える必要があったのか甚だ疑問。
履歴の表示は従来の縦型から横型に。
「 設定 」のアイコンもカラフルに。
Andoroid 10 へ バージョンアップ
「長く使用できる デバイス 」という当初のコンセプト通り、Google 謹製の デバイス と同等のスピードで セキュリティパッチ と メジャーアップデートを実施してきた Essential Phone は、2019年 9月 に3度目のメジャーバージョンアップ になる Andoroid 10 ( Andoroid Q ) を配信した。
問題なくアップデート完了。
本バージョンから実装された 最近 流行りの ダークモード 。
ホームボタンを右にスワイプして アプリ の履歴を切り替えるのは 慣れると便利かも。
Google 謹製 デバイス は3年間の サポート が保証されているが、来年で3年を迎える Essential Phone がいつまで サポート されるかが気になるところ。
Essential Products が廃業 を発表
Essential Products が 2020年2月12日 で廃業することが発表された。
「Androidの父」ルービン氏が創設したEssentialが廃業へ
廃業に伴い セキュリティパッチの配信は 2月5日 が最後になり 開発者向けのツールは オープンソースとして github で公開された。
github Essential Products, Inc
結局 「 長く使えるデバイス 」だったはずの Essential Phone の使用期間は 2年 4ヶ月。
3回のメジャーアップデートは あったものの 予想以上に短命なデバイスになってしまった。
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