CPU の 投機的実行 の セキュリティホール
2018 年 の年明け早々に 世間を騒がせている「 メルトダウン 」と「 スペクター 」。
炉心溶融 と 幽霊 という 物騒な名前が付けられた CPU の脆弱性は、悪用されると通常はアクセスできない メモリ領域 から パスワード などの 機密情報 や 画像 , 文書 などを盗むことが可能になるらしい。
トレンドマイクロ「 投機的実行に関する脆弱性「 Meltdown 」と「 Spectre 」について解説 」
同時に 2つの 脆弱性 が発表されたことで 話しがややこしくなっているが「 メルトダウン 」も「 スペクター 」も パフォーマンスを向上させる CPU の「 投機的実行 」のセキュリティホール。
「 メルトダウン 」は Intel の CPU 固有の脆弱性で 標的となる PC 上でプログラムを実行すると メモリ へのアクセスが可能になるらしいが、メルトダウンは Windows を更新することで対応が可能。
厄介なのが「 スペクター 」で 攻撃条件が複雑で実行は難しいようだが Intel , AMD , ARM などのCPU が 影響を受け、 根本的に解決するには ハードウェアの交換が必要になるだけでなく、「スペクター」に対する緩和策を実行すると PC のパフォーマンスに影響があり、すでに Windows で 配信された パッチの適用 で 2015年 以前の CPU で 2桁台の パフォーマンス低下 が確認されている模様。
「Understanding the performance impact of Spectre and Meltdown mitigations on Windows Systems」
Windows 10 で 2016年 以降 の CPU の場合は 1桁台のパフォーマンス低下のため ユーザーが体感できるほどではないようだが、2015年 以前の CPU を使用すると体感レベルでのパフォーマンス低下が発生。
Microsoftは緊急パッチを 2018年 1月9日 までに配信したものの、パッチを適用した一部のサーバでは 一時的にアクセスできない などの不具合も発生している。
「CPU脆弱性問題の影響か、佐賀県庁で一時Office365が利用できず」
影響を受けるのは Windows PC に限らず Mac や Android, iPhone , Chromebook などのほか 各ブラウザも対象になっており、現状では Android , iPhone , Chromebook は 最新のセキュリティアップデートを適用すれば それなりに保護されると アナウンスされている。
脆弱性への対策
メルトダウン は Intel 固有の問題で Windows のパッチを適用すると なんとかなるようなので、取り敢えず Intel の CPU を使用している場合は 2015年 以前の CPU なら大幅なパフォーマンス低下を覚悟してパッチを適用。
市販の PC を使用している場合は 各メーカーのページ で対策を確認。
自作ユーザーは使用しているマザーボードメーカーのサイトから 最新の BIOS を適用。
Intel が公開している ツールを実行して 今回の脆弱性への影響を調べることもできる。
ダウンロードページの「 SA-00086 Windows zip 」をクリック。
使用許諾書が表示されるので 問題なければ「 I accept the terms in ~ 」をクリックして ZIP ファイルをダウンロードし、ファイルを選択後に コンテキストメニュー ( 右クリックメニュー ) から「 すべて展開 」。
解凍したフォルダ内には 3つのフォルダ が入っているので「 DiscoveryTool.GUI 」を開いて 中の実行ファイル「 Intel-SA-00086-GUI 」を起動。
結果が表示される。
ただ Intel の Core i3 を搭載した Windows の更新パッチを適用する前の ノート PC でも「 このシステムに脆弱性はありません 」と表示されたので 結果が信用に値するのかは微妙。
Chrome ブラウザでの対策
Google は今回の脆弱性に対して Chrome ブラウザ ( 安定版 ) で「 Site Isolation 」が有効だとして 方法を公開している。
※ Chrome のベータ版でも「 サイトの分離 」は設定可能。
chrome://flags/#enable-site-per-process
Chrome ブラウザで上記の URL にアクセスしてページを開く。
「 Site Isolation 」を探して「有効にする」をクリック。
「 今すぐ再起動 」をクリックすると Chrome が再起動して「 サイトの分離 」が有効になる。
この「 サイトの分離 」については Google に以下の説明が掲載されている。
サイト分離を有効にすると、Chromeが別のプロセスで開いているWebサイトごとにコンテンツをレンダリングするため、投機的なサイドチャネル攻撃にさらされるデータが減少します。
2018年 1月 23日 にリリースされるアップデートに緩和策が含まれており、以降のアップデートにも 緩和策 と 強化対策 が含まれるようなので「 サイトの分離 」については 保険 のような感じ。
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