YouTube の再生や Chromecast もサポートしたマルチメディアプレーヤー
オープンソースのマルチメディアプレーヤー「 MPlayer 」のフロントエンドである SMPlayer は、主要なビデオコーデックとオーディオコーデックに対応し、DVDやISOファイルの再生も可能な他、 YouTube の再生、タブレットモードの実装など、現在も進化を続けており、2014年以降はバージョンが「 西暦の下二桁+月+番号 」になった。
SMPlayer で最も便利な機能は、次回起動時に再生ボタンをクリックするだけで、前回視聴していた動画( YouTube も含む)の続きが再生されること。
シンプルな機能ながら非常に使い勝手が良かったりする。
システム要件
バージョン18.10.0現在
OS: Windows XP / Vista / 7 / 8 / 8.1 /10(32&64bit)
ソフトの入手先
SMPlayer のインストール
アドウェアや無関係なアプリのバンドルもなく、セットアップは至ってシンプル。
ただし、 YouTube ブラウザは別途インストールが必要。
SMPlayer ダウンロードページには、「 SMPlayer xx.xx.xをダウンロードする(32bit) 」のリンクと、その下に64bit版やポータル版のリンクが用意されているが、FossHUBにミラーがあるので「 FossHub.com 」のリンクをクリック。
FossHUBはページデザインがシンプルで見やすい。
「 Download 」の項目にある SMPlayer の32bitまたは64bitのインストーラーを、使用しているPCのアーキテクチャに合わせてダウンロードする。
PCのアーキテクチャは Windows 10の場合、「 スタート 」を右クリックして「 システム 」→「 バージョン情報 」の「 システムの種類 」で確認できる。
ダウンロードしたインストーラーを起動し、ユーザーアカウント制御のメッセージが出たら「 はい 」で許可。
言語選択の画面が出るので「 日本語 」で「 OK 」。
セットアップウィザードが開始したら「 次へ 」。
EULA(使用許諾書)が表示されるので、内容を確認して問題なければ「 このライセンス契約書に同意します 」にチェックを入れ「 次へ 」。
インストールコンポーネントはデフォルトのままで問題ないが、念のため「 マルチメディアエンジン 」の「 MPlayer 」と「 MPV 」にチェックが入っていることを確認して「 次へ 」。
特にこだわりがなければインストール先も変更せずに「 次へ 」。
スタートメニューのショートカットも初期設定のまま「 インストール 」をクリック。
インストールが終了したら「 SMPlayer xx.xx.xを実行 」にチェックを入れて「 完了 」をクリック。
SMPlayer が起動したら、引き続き「 YouTube ブラウザ 」のインストールを行うため、「 YouTube ブラウザ 」のアイコンをクリック。
メッセージに記載されているリンクをクリック。
リンク先のページで「 SMTubeを入手する 」の「 Windows 」の箇所で、インストールした SMPlayer のアーキテクチャと同じアーキテクチャのインストーラーをダウンロードする。
SMPlayer が起動している場合は一旦閉じる。
ダウンロードしたインストーラーを起動し、ユーザーアカウント制御のメッセージが出たら「 はい 」で許可。
EULA(使用許諾書)が表示されるので、内容を確認して問題なければ「 このライセンス契約書に同意します 」にチェックを入れ「 次へ 」。
「 コンポーネントの選択 」「 インストール先の指定 」「 スタートメニューフォルダ 」の各項目もデフォルト設定のまま「 インストール 」を実行。
インストールが終了したら「 完了 」でウイザードを閉じる。
SMPlayer の使い方
現バージョン(18.10.0)ではマルチメディアエンジンが「 mpv 」になっており、一部のISOイメージファイルが再生できないため、エラーが発生する場合はマルチメディアエンジンを「 MPlayer 」に変更する必要がある。
また、ドライブには「 Blu-rayデバイス 」があるものの、映画など保護されているBlu-rayディスクは再生できない。
マルチメディアエンジンの変更
現行の SMPlayer にはマルチメディアエンジンとして従来の「 MPlayer 」のほかに、「 MPlayer 」を進化させた「 MPV 」をサポートしており、マルチメディアエンジンの初期設定はMPlayerよりも高機能なMPVになっている。
ファイル再生時に「 MPlayer/mpvが予期せず終了しました。ログに詳細があります。 」と表示されたら、マルチメディアエンジンを変更してみる。
上部メニューのツールアイコン(環境設定)をクリック。
「 全般 」の「 マルチメディアエンジン 」を「 mpv 」から「 mplayer 」に変更する。
ドライブの設定
SMPlayer は自動でDVD/Blu-rayドライブを認識しないため、事前にドライブを指定しておく必要がある。
上部のメニューアイコンから「 ツール 」、もしくは上部メニューの「 オプション 」→「 環境設定 」を選択。
左ナビゲートから「 ドライブ 」を選択し、「 CD 」「 DVD 」「 Blu-ray 」の再生に使用するドライブを選択する。
PCにDVD/Blu-rayのマルチドライブが1つある場合は、「 CD 」「 DVD 」「 Blu-ray 」の3項目ともに同じドライブレターを設定すれば良いのだが、注意が必要なのは指定したドライブ以外ではメディアが再生出来ないということ。
DVD/Blu-rayの光学ドライブ(E)と仮想ドライブ(F)があり、ドライブ(E)をDVDに、仮想ドライブ(F)をBlu-rayに設定し、仮想ドライブ(F)でDVDのISOイメージファイルをマウントしても再生できないため、ドライブのメディアが再生できない場合は、ドライブ設定を要確認。
基本操作
ベーシックな操作部分は一般的なメディアプレーヤーと同じ。
ファイルの読み込みはドラッグ・アンド・ドロップで可能。
DVDフォルダも認識する。
前回視聴した動画の続きを見る場合は、ファイルを指定せずに再生ボタンをクリックするだけ。
ファイルエクスプローラーから指定する場合は上部のフォルダアイコンをクリック。
「 DVDフォルダ 」をエクスプローラーから指定する場合は、上部メニューの「 開く 」から「 ディレクトリ 」を選択。
ドライブに挿入、もしくはマウントしたメディアを再生する場合は、上部メニューの「 開く 」→「 ディスク 」から対象のドライブを選択。
ただし、事前にドライブの設定が必要。
再生・停止・巻き戻し / 早送りはお馴染みのボタン。
メディアを再生中は再生ボタンが「 一時停止 」になり、 再生・一時停止はキーボードの「 Space 」キーでも可能。
早送り・巻き戻しボタンはデフォルトで「 10秒・1分・10分 」があり、「 環境設定 」から「 インターフェイス 」を選択し、「 シーク 」タブでジャンプする時間を任意に変更できる。
早送りボタンの右側には全画面表示・ミュートボタンと音量調整。
多重音声は上部のスピーカーアイコンのドロップダウンリストで選択。
字幕選択は上部の文字アイコンのドロップダウンリストから選択。
再生しているコンテンツのスクリーンショットは上部のカメラアイコンをクリック。
インフォメーションアイコンをクリックすると、読み込んだコンテンツの情報が表示される。
プレイリストとお気に入り
SMPlayer には似て非なる「 お気に入り 」と「 プレイリスト 」がある。
「 お気に入り 」はブラウザのブックマークと同様、再生している動画を登録し、「 お気に入り 」からアクセスできるようにするもので、「 プレイリスト 」は再生するファイルを登録して連続再生を可能にするもの。
ただし「 プレイリスト 」で登録できるのは動画ファイルのみで、ISOイメージファイルやDVDフォルダをリストとして追加することはできない。
また、便利な「 前回の続きから再生 」する機能は、前回のファイルがプレイリストに自動登録されることで実行されるため、作成したプレイリストは保存しておかないと、プレイリスト外のファイルを再生した時点でクリア(警告メッセージが表示される)されてしまうので要注意。
「 お気に入り 」に登録するには、登録するコンテンツを再生して上部の星アイコンから「 現在のメディアを追加 」を選択。
星アイコンから「 編集 」を選択すると、「 お気に入り 」に追加したコンテンツの削除、順序の入れ替え、表示名の変更などが可能。
アイコンは任意の画像ファイルを選択することで、表示名の前にファビコンが表示されるが、一度画像を設定すると解除できないので要注意。
設定したアイコンを削除したい時は、一旦コンテンツをお気に入りから削除してから再登録することになる。
「 お気に入り 」に登録したコンテンツは自動保存されるので、 SMPlayer を閉じてもリストが消失することはない。
「 プレイリスト 」は上部のリストアイコンをクリックすると初期状態では別ウインドウで表示される。
リストウインドウをメイン画面にドラッグするとシングルモードになる。
リストへの追加は、メイン画面と同様にリスト画面にコンテンツをドラッグ・アンド・ドロップする。
「 + 」ボタンからファイルエクスプローラーで指定することも可能。
「 ディレクトリの追加 」でフォルダ内の動画ファイルを一括して追加することもできる。
「 お気に入り 」と同様で「 プレイリスト 」も自動保存されており、登録したリストは次回起動時にも利用できる。
リストには「 繰り返し 」「 シャッフル 」「 順序の入替 」などがあり、クリックして有効化できる。
リストを保存することで、複数のリストを切り替えて使用することも可能。
リストを切り替えるには「 読み込み 」で保存したリストを指定するだけ。
プレイリストが登録されている状態であれば、 SMPlayer を起動後にファイルを指定しなくても、「 再生 」ボタンをクリックするだけでプレイリストが再生される。
プレイリストに登録したタイトルの切り替えは上部の「 前へ・次へ 」のボタンで行う。
YouTube ブラウザと視聴
SMPlayer は YouTube を直接再生できる機能を実装しており、 YouTube ブラウザを併用することで、 YouTube アプリのような感覚で視聴できる。
ただし、 YouTube ブラウザは SMPlayer 本体とは別にインストールし、 YouTube の視聴にはマルチメディアエンジンを「 mpv 」に設定しておく必要がある。
YouTube を視聴する場合は上部のメニューアイコンから「 YouTube ブラウザ 」をクリック。
YouTube ブラウザが起動するので、任意に視聴する動画を検索、もしくはカテゴリーからの選択も可能。
残念ながら現時点ではチャンネル登録のような機能は未実装だが、「 作者 」のリンクをクリックしてチャンネルを表示させると、リストの絞り込みや並び替えが可能になる。
ツールバーの表示は上部メニューバーの「 表示 」から「 ツールバー 」にチェックを入れる。
YouTube ブラウザでタイトルをクリックすると動画が再生され、操作は SMPlayer で行う。
動画の再生中に「 お気に入り 」に追加すれば、次回から直接 SMPlayer から再生することが可能。
プレイリストも利用できる。
タブレットモード
SMPlayer はタッチパネルでも操作しやすいよう全体的にアイコンが大きく、基本操作で不便さを感じることはないのだが、上部メニューバーの文字サイズを大きく表示するタブレットモードを実装している。
ちなみに Android アプリで「 SM Player 」と名の付くアプリが存在するが、本アプリとは全くの別物。
本アプリはオープンソースの「 MPlayer 」のフロントエンドなので、区切るとしたら「 S MPlayer 」なのだが、 Android アプリの方は随分と痛々しいアプリ名になっている。
「 タブレットモード 」への切り替えは上部メニューの「 オプション 」から「 タブレットモード 」を選択。
上部メニューバーの文字サイズがタップしやすい大きさになる。
解除するには再度「 タブレットモード 」をクリック。
Chromecast とモバイルデバイス再生
SMPlayer は Chromecast に対応しており、更に同一ネットワーク上にあるモバイルデバイスは、QRコードを読み込むことで、 SMPlayer で再生中の動画を視聴することが可能になっている。
ただ、 Chromecast については認識したものの動画の再生はできなかった。
Chromecast を使用するには上部メニューバーの「 再生 」→「 キャスト先 」→「 Chromecast 」を選択。
外部接続が Windows のファイヤーウォールでブロックされるので「 アクセスを許可 」。
ネットワークを監視するセキュリティソフトを導入している場合、セキュリティソフトでの通信許可が必要。
ブラウザが起動して SMPlayer の Chromecast 画面になるので「 Chromecast へ接続 」をクリック。
接続する Chromecast を選択。
「 Chromecast で再生 」で本来はテレビに映るはず。。。。が、映らなかった。
動画ファイルの問題かと思って別ファイルで試行してみたものの結果は同じ。
無慈悲にエラーメッセージが表示されるだけだった。
スマホの YouTube やGoogle Playムービーなどは正常にキャストできているので、 Chromecast 本体に問題はなさそうなのだが、結果的に再生できなかった。
動画の再生中に上部メニューーバーの「 再生 」→「 キャスト先 」→「 スマートフォン/タブレット 」を選択すると「 QRコード 」が表示され、同一ネットワーク上にあるスマホやタブレットでスキャンすることで、スマホやタブレットで同じ動画を視聴できるようになる。
ただし、こちらの機能も「 simple.web.server 」で外部通信を行うため、 Windows のファイヤーウォールやセキュリティソフトのネットワーク保護でブロックされるので、通信の許可が必要になる。
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