Microsoftが提供するP2Pタイプのファイル同期アプリ
12月14日には下図のようなメールがMicrosoftから届いた。
要は SkyDrive に DropBox と同様の同期機能が備わったため Live Mesh を廃止して SkyDrive に移行させるのが狙いらしい。
そもそも SkyDrive と Live Mesh は全く異なるサービスなのだが 提供元が「 終了する 」と言っている以上 為す術はない。
Live Meshと同様のサービスには P2P で BitTorrent を使用した Resilio Sync がある。

Resilio Sync のインストールと使い方
BitTorrent を使用した P2P タイプのファイル同期ツール Resilio Sync は BitTorrent Incが「 BitTorrent Sync 」として提供されていた BitTorrent プロトコ […]
Live Mesh はファイルの同期サービスで リモート接続とともに Windows Live Essential に含まれているプログラム。
Windows XP から Windows 7 の移行へ躍起になっている Microsoft の策により、現在の Live Mesh は Windows Vista , 7 と MacOS X(英語版)のみで 2011年 4月 現在でも Windows OS の シェアNo1 の XP は非対応になっている。
Live Mesh の前身である Windows Live Sync は Live Mesh と 同様の機能を提供しつつ XP にも対応していたが、Live Mesh へと統合されたことで XP がサポートから外された。210
Live Mesh は オンラインストレージを利用した Dropbox とは別物で、Dropbox が オンラインストレージにアップロードするため 無料で使用できる容量は 2GB という上限があるのに対し、LiveMesh は オンラインストレージを介さない P2P(Peer to Peer)タイプの同期プログラムになる。
P2P(Peer to Peer)の利用は ファイルの送信元と受信側 双方のパソコンが起動していることが前提になるが、ファイルのサイズや容量はハードディスクのサイズに準じるため実質的には無制限で、Live Mesh にはリモートデスクトップの機能もあり、リモートの許可を与えたパソコンは ブラウザからリモート操作が可能になる。
Windows LiveMeshのインストール
Windows Live Mesh は Windows Live の ID によってデバイスを認識するため Windows Live ID の取得が必須で、同期をとる全ての PC に Live Mesh をインストールする必要がある。
Windows Live のアカウント作成
Windows Live ID を取得していない場合は始めに ID を取得する。
Windows Live のアカウント作成ページにある上図赤枠部分の「 サインアップ 」をクリック。
各項目を入力。
ここで登録したメールアドレスが Windows Live ID になる。
メールアドレスは「 live.jp 」と「 hotmail.co.jp 」が選択できる。
登録したアカウントが有効になれば、図のようなWindows Liveのトップページに移動する。
Windows Live ID を取得したことで Web メール , メッセンジャー , SkyDrive(オンラインストレージ), Office(オンラインドキュメント)が使用可能になる。
セットアップ
Windows Live ID を取得したら Windows Live Essentials 2011 のページから インストーラーをダウンロード。
「今すぐダウンロード」をクリックすると インストーラーのダウンロードが開始する。
ダウンロードした Wikndows Flag のアイコンをしたインストーラーを起動すると Essentials 2011 のインストールが開始する。
Windows Live Essentials 2011 には Live Mesh の他 Outlook Ex の後継メールソフト , 動画編集ソフト(ムービーメーカー) , メッセンジャー , フォトギャラリーなど多くのプログラムが含まれており、それらのプログラムを全てインストールする場合は「 Windows Live Essentials をすべてインストール 」を選択。
Live Mesh のみをインストールする場合は「 インストールする製品の選択 」を選ぶ。
「インストールする製品の選択 」をクリックすると インストールするプログラムの選択画面になるので「 Windows Live Mesh 」にのみチェックを入れて「 インストール 」をクリック。
インストールが完了したら「 閉じる 」。
Windows Live Mesh が起動し サインインの画面になるため、取得した Windows Live ID(メールアドレス)とパスワードを入力してサインイン。
画面が自動起動しない場合は「 全てのプログラム 」から「 Windows Live 」→「 Live Mesh 」を起動してサインイン。
このインストール作業を フォルダ同期をとる パソコン全てに実行しておく。
また、パソコンの起動時に自動的にフォルダ同期を開始させるため「 ID とパスワードを保存する 」「 自動的にサインインする 」にチェックを入れておく。
Live Mesh の使い方
Live Mesh の設定を行う際は 事前に同期をとるパソコン全てに Live Mesh をインストールし、同じWindows Live ID でサインインしていることが前提。
設定した PC は同時に起動させておく必要はなく、それぞれのパソコンにインストールした Live Mesh で 1度サインインすると 「場所」として認識するようになる。
同期可能なファイルサイズは、1ファイル5GBでも全く問題なく、オンラインストレージなどを利用していないため ファイルサイズの制限はないと思われる。
Live Mesh は当然ながら常駐アプリケーションで タスクトレイにアイコンが表示される。
関連アプリケーションを含めると 常時 80MB ~ 90MB のメモリを消費するため、ある程度メモリに余裕がなければ 他の作業に支障を来す可能性がある。
Live Mesh の起動と設定
Live Mesh のアイコンをクリックするとメニューが表示されるので「 Windows Live Meshを開く 」を選択するか、スタートメニューから「 すべてのプログラム 」→「 Windows Live 」→「 Live Mesh 」。
上図の赤枠部分が Live Mesh のアイコン。
Live Mesh のメイン画面が開いたら 赤枠部分の「 フォルダーの同期 」をクリック。
同期するフォルダの選択画面に移行。
マイドキュメント・マイピクチャ・マイビデオ・マイミュージックの各フォルダを同期設定に指定した場合は、各PCの該当フォルダと同期をとる。
上記のフォルダ以外のフォルダを同期設定すると、個人フォルダの直下に同期したフォルダが生成される。
個人フォルダの直下とは、「Cドライブ」→「ユーザー」→「ユーザー名フォルダ」の中なので、Cドライブの空き容量には注意が必要。
Cドライブ以外のドライブに同期フォルダを置きたい場合は、マイドキュメントなどのフォルダをデフォルトの場所から移動設定しておく。
マイドキュメントなど各フォルダの移動は、「Cドライブ」→「ユーザー」→「ユーザー名フォルダ」の中にある該当フォルダのプロパティを開き、「場所」タブで移動先を指定して「移動」をクリックする。
この手順を踏まず、フォルダだけを移動させても、マイドキュメントなどのフォルダとしてOSが認識しなくなる。
同期するフォルダを選択し「同期」をクリックすると、Live Meshがインストール済みで、同じWindows Live IDによってサインインされたパソコンが一覧で表示される。
この時、他のパソコンでLive Meshの設定を行っていない場合は、「SkyDrive」のみ表示される。
上図は現在、設定を行っているPC以外に3台のマシンと同期することが可能になっている。
表示されている各PCの空き領域は、Cドライブのみのサイズで、パーテーションで分割されたドライブは認識されていない。
表示されているPCから、同期するパソコンをにチェックを入れて「OK」をクリックすると同期処理が開始する。
同期されているフォルダは左図のように一覧で表示され、各フォルダをクリックすると、上図青枠部分にフォルダの場所や共有設定、上図赤枠部分同期しているデバイスとその状態が表示される。
同期先のデバイスには同期の進行状況が表示される。
「Windows Live Meshは実行されていません」と表示されているデバイスは電源が入っていない PC 。
この PC も起動すると自動的にフォルダの同期が開始される。
同期設定した既存のフォルダに、同期するデバイスの追加や解除をする場合は、上図赤枠部分の「デバイスの選択」をクリック。
同期の解除はチェックを外し、追加はチェックを入れるだけ。
また、同期そのものを解除する場合は、全てのチェックを外すと Live Mesh の画面からフォルダが消え、同期設定が解除される。
フォルダの共有
指定したデバイスと同期をとれるため Live Mesh には指定フォルダを共有できる機能が備わっている。
ただし、共有先の相手が Windows Live ID を取得していることが条件で、更にフォルダを同期する場合は、共有先に Live Mesh がインストールされていなければならない。
共有を許可した相手は、Live Meshにより対象のフォルダを同期することが可能で、フォルダ内のファイルの削除・編集なども可能になる。当然、変更された内容はLive Meshによって同期されるため元データも変更される。
また、オンラインストレージ「SkyDrive」を同期するデバイスとして追加しておくと、共有を許可 した相手はフォルダを同期しなくてもSkyDrive経由でファイルのダウンロードが可能になるため、共有先の環境が WindowsXP の場合などは SkyDrive を使用することになる。
共有の手順はLive Meshの画面で「共有する相手」の「自分のみ」というリンクをクリック。
共有先のメールアドレスを入力する画面になるため、赤枠部分にメールアドレスを入力し「保存」をクリックすると、共有相手にメールが送信される。
共有相手はメールに記載のある「招待の表示」をクリック。
ブラウザが起動しWindows Liveへのサインイン画面になるので、サインインして同期フォルダの共有について「承諾」または「辞退」を選択。
Windows7で予めLive Meshがインストールされている環境では、「承諾」すると同期フォルダが共有される。
フォルダ同期を開始する場合は、「このフォルダの同期を開始」をクリックする。
同期先のデバイスを選択して「保存」で完了。
この設定を行っていれば、同期フォルダに新たな画像を追加すると、共有先のフォルダと同期するため、画像をオンラインストレージやメールなどで送信する手間が省ける。
同期する場合は 双方の PC が起動していることが条件だが、オンラインストレージ SkyDrive を同期ストレージとして設定しておくことで 条件を回避できる。
ただし SkyDrive の容量は5GBが上限のため 同期するファイルサイズには注意が必要。
WindowsXP の環境で共有招待メールから「招待の表示」をクリックすると「 Windows Live Essentialsをインストールして下さい 」と表示されるが Live Essentialsは Windows XP をサポートしていないため 実質的に同期する手段はない。
共有元で SkyDrive を同期デバイスに追加しておけば、Windows XP 環境でも SkyDrive の中が表示されるため ファイルを渡すことは可能だが、同期フォルダではないため共有先でのファイルの編集等は反映されない。
リモートアクセス
Live Mesh にはフォルダ同期の他にリモートアクセスの機能がある。
機能的にはリモートデスクトップと同様だが、リモートデスクトップは Windows 7 Professional 以上のエディションを実行している PC にしか接続できない事に対し、Live MeshはLive Mesh を実行している PC に接続できる。
リモートアクセスの設定はLive Meshを開き、左図赤枠部分の「リモート」をクリックすると、リモートの設定画面に移行する。
リモートのページでは現在使用してコンピュータのリモート状況が表示されているので、リモートを有効にするには「このコンピュータへのリモート接続を許可」をクリック。
アカウントにパスワードが設定されていない場合はメッセージがでる。
リモートを有効にする場合は必ずパスワードの設定が必要になるため、メッセージにあるとおり、「Ctrl」+「Alt」+「Delete」でパスワードを設定するか、コントロールパネルの「ユーザーアカウント」でパスワードを設定する。
パスワードが設定されている場合は自動的にリモート接続の設定が行われる。
リモート接続の解除は、「リモート接続を禁止」をクリックするだけでOK。
リモートアクセスが可能な PC はアイコンがカラーで表示され「このコンピュータに接続」というリンクがある。
「 このコンピュータに接続 」をクリックすると Live Mesh が接続を開始する。
新規ウインドウで接続先の PC が表示される。
リモートアクセス機能は便利だが、「 PCを遠隔操作する 」といっても 所詮はネット回線経由のため 常に快適な状態で作業が出来るわけではない。
作業途中で回線が速度が低下すると ハングアップに近い状態になり アクセスが切断されるのが難点。
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