ADBのセットアップ方法

Androidデバイスをパソコンから操作するためのコマンドラインツール ADB(Android Debug Bridge)を含む、Android SDK Platform-Toolsのセットアップ方法について解説します。

ADB の概要

ADB(Android Debug Bridge)は、パソコンと Androidデバイスを USBケーブルや Wi-Fiで接続し、コマンドラインから操作できる開発者向けツールです。
Googleが公開している Android SDK Platform-Toolsに含まれ、ファイルの転送、アプリのインストール、システムログの取得などを行うことができます。

アプリ情報

Android SDK Platform-Toolsの情報です。

開発元

Google LLC

開発元の拠点

米国

公式サイト

https://developer.android.com/?hl=ja

ダウンロードページ

https://developer.android.com/tools/releases/platform-tools?hl=ja

アプリのバージョン

36.0

提供形態

オープンソースソフトウェアを含む無償提供ツール

ライセンス形態

Apache License 2.0(主要コンポーネント)

USBデバッグの有効化

パソコンから USB接続で Androidデバイスのコマンド操作を可能にするため、Androidデバイスで[USBデバッグ]を有効化します。

ADB 003

Androidの[設定]から[デバイス情報]を開き、[ビルド番号]を 7回タップして[開発者オプション]を有効にします。

ADB 004

[設定]の[システム]に[開発者オプション]が追加されているので、[開発者オプション]を開いて[USBデバッグ]を有効にします。

ADB 005

ダイアログが表示されたら[ USBデバッグ]を許可します。

ADBドライバのインストール

ADBドライバは、パソコンに接続した Androidデバイスを正しく認識させるためのソフトウェアです。Windowsではドライバがインストールされていないと、パソコン側でデバイスを ADB経由で操作できません。

ADBドライバのダウンロード

ADBドライバは Android Developersで公開されており、Pixelなど一部のデバイス向けに Google USB Driverが提供されています。
一方、Samsung・Sony・Xiaomiなど他のメーカー製デバイスは、各社の公式サイトから配布されている USBドライバを利用する必要があり、インストール方法もベンダーごとに異なります。

Google Pixelは Android Studioからドライバをダウンロードします。

ADB 001

Google USBドライバ のダウンロードページ で、[Google USB ドライバのZIPファイルをダウンロード]をクリックします。

ADB 002

利用規約が表示されるので内容を確認し、同意すると「the Google USB driverをダウンロード」ボタンが有効になるので、クリックしてファイルをダウンロードします。

ADB 006

ダウンロードした Zipファイルを解凍します。

ADB 007

Androidデバイスを USBでパソコンに接続します。
デバイスマネージャーを開き、[ユニバーサル シリアル バス デバイス]を展開して接続したデバイスを選択し、右クリックして[ドライバーの更新]をクリックします。

ADB 008

[コンピューターを参照してドライバーを検索]を選択し、解凍したフォルダを指定します。

ADB 010

ダイアログが表示されたら「インストール」をクリックして、ドライバをインストールします。

ADB 011

デバイスマネージャーに[Android Device]が追加されていれば完了です。

Samsung Galaxyなど Google Pixelシリーズ以外のデバイスは、ベンダーが提供しているドライバをインストールします。

ADB 012

OEM USBドライバの一覧ページ から使用しているデバイスメーカーのリンクをクリックし、公式サイトにアクセスします。

ADB 014

[Samsung Android USB Driver for Windows]をクリックして、インストーラーをダウロードします。

ADB 015

ダウンロードしたインストーラーを起動すると、ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されるので[はい]をクリックして許可します。
セットアップウィザードが開くので、デフォルト設定でインストールしてください。

ADB 016

インストールが完了したら、パソコンを再起動します。

Essential PH-1は、2017年に米国の Essential Products社から発売されたAndroidスマートフォンです。創業者は Androidの生みの親である Andy Rubin氏で、フラッグシップ端末として開発されました。
質実剛健なデバイスで注目も集めましたが、業績不振で Essential Products社は 2020年に解散しています。
その際、Essential PH-1のファクトリーイメージファイルは公式サイトで公開され、現在は有志によってアーカイブされており、USBドライバもホストサイトからダウンロードできます。

ADB 017

SourceForge で公開されている[Essential-PH1-WindowsDrivers.exe]をクリックして、インストラーをダウンロードします。

ADB 018

ダウンロードしたインストーラーを起動すると、ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されるので[はい]をクリックして許可します。
セットアップウィザードが開くので、使用許諾書にチェックを入れて「INSTALL」をクリックします。

ADB 019

「Finish」でインストーラーを閉じて、パソコンを再起動します。

SDK Platform-Toolsのセットアップ

SDK Platform-Toolsは、解凍したフォルダ内から直接コマンドを実行して利用できます。

ADB 020

SDK Platform-Toolsのページ から[SDK Platform-Tools for Windows をダウンロード]をクリックします。

ADB 021

利用規約が表示されるので内容を確認し、同意すると「Android SDK Platform-Tools用の Windows をダウンロード」ボタンが有効になるので、クリックしてファイルをダウンロードします。

ADB 022

ダウンロードした Zipファイルを解凍します。
解凍した[platform-tools]フォルダを任意の場所に保存します。

ADB 023

[システム環境変数]にパスを登録しない場合は、保存した[platform-tools]フォルダを開き、空いている箇所で右クリックして[ターミナルで開く]を選択します。

パスの登録

adbの利用頻度が多い場合などは、[platform-tools]フォルダのパスを[システム環境変数]に登録することで、デスクトップなどで開いたターミナルでも adbが実行できるようになります。

ADB 024

[システムのプロパティ]を開くため、[WINキー]+[Rキー]を押して[ファイル名を指定して実行]を開き、下記のコマンドを入力して[Enterキー]を押します。

sysdm.cpl
ADB 025

[詳細設定]タブを開いて、「環境変数」をクリックします。

ADB 026

[システム環境変数]で[Path]を選択して「編集」をクリックします。

ADB 027

「新規」をクリックして、[platform-tools]フォルダを保存した場所のパスを入力して「OK」をクリックします。

ADBの動作確認

ADBドライバをインストールし、SDK Platform-Toolsのセットアップが完了したら、USBデバッグを有効化した Androidデバイスを USBでパソコンに接続して、ADBの動作確認を行います。

ADB 023

[システム環境変数]にパスを登録していない場合は、[platform-tools]フォルダを開き、右クリックして[ターミナルで開く]を選択します。
パスを登録している場合は、任意の場所で右クリックしてターミナルを開けば、adbコマンドを実行できます。

ADB 028

ターミナルに下記のコマンドを入力して[Enterキー]を押します。

adb
ADB 029

Android Debug Bridgeのバージョン情報や[platform-tools]フォルダの保存先などが表示されたら、adbは正常に動作しています。

ADB 031

次に、Androidデバイスを正しく認識するか確認します。
Androidデバイスが USBでパソコンに接続されているか確認してから、下記のコマンドを入力して[Enterキー]を押します。

adb devices  
ADB 032

ADBで Androidデバイスにアクセスすると、初回は Androidデバイスに USBデバッグの許可を求めるダイアログが表示されるので、[このパソコンからの USBデバッグを常に許可]にチェックを入れてから「許可」をタップします。

ADB 033

Androidデバイスに接続できると、Androidデバイスのシリアル番号と接続状態が表示されるので、問題なければターミナルを閉じて完了です。

動画で見るセットアップ

備考

ADBのセットアップは、LineageOSや /e/OS などのカスタムROM導入をはじめとする、Androidのファームウェア書き換えに必要な準備です。
ただし、USBデバッグを有効にしたままではセキュリティ上の理由から銀行系アプリなどが利用できない場合があるため、作業が完了したら、開発者オプションからUSBデバッグを無効にしてください。

更新履歴

  • 2025-08-30:サイトリニューアルに伴い、記事を再編集
  • 2025-01-03:動画を追加
  • 2024-09-28:初版公開

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