スマートフォンの海外モデル
グローバルメーカーのスマートフォンは、同じモデルでも国内版とグローバル版がリリースされていることが多く、Amazonなどで販売されている並行輸入品や、EXPANSYS・ETORENなどから個人輸入したモデルは「技適マーク」を取得していないグローバルモデルの可能性が高く、無線局の免許を取らずにデバイスの Wi-Fi/ Bluetoothを利用可能な状態にするのは電波法に抵触する違法行為になる。
無線局を無認可で開設した場合の罰則は 1年以下の懲役か100万円以下の罰金 で、総務省のサイトには電波法違反による行政処分が掲載されているが、摘発されているのはトラックや船舶での無免許開設が多く、無認可のスマホ/ タブレット使用での摘発例はない。
電波法
無線は総務省の管轄で、電波を発する無線機は電波法令で定めている技術基準に適合している必要があり、審査に通ったものには個々に 技適マーク(技術基準適合証明等のマーク)が付けられる。
電波法 第四条
(無線局の開設)
無線局を開設しようとする者は、総務大臣の免許を受けなければならない
電波を発する電子機器である スマホやタブレットも無線局 。
電波法 第百十条
(罰則)
次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
一 第四条第一項の規定による免許又は第二十七条の十八第一項の規定による登録がないのに、無線局を開設した者
技適マーク は使用者に代わってメーカーやキャリアが総務大臣の認可を受けた証で、レジャー用のトランシーバーや家庭用の無線を発する一部の機器は、技適マークを取得していることを条件に無免許でも利用できる。
技適マーク が付いていない無線機の多くは、これらのルールに従っていません。
このような無線機を使用すると、知らずに他人の通信を妨害したり、ひいては社会生活に混乱を来すことになりかねません。
総務省の電波利用 Q&A
90日ルールとモバイル通信
インバウンド増加施策の一環として、訪日観光客の利便性向上を図るため、以前は禁止されていた 技適マークを取得していない海外デバイスの無線(Wi-Fi/ Bluetooth)利用 が、2015年5月の法改正で条件付きで認められるようになった。
総務省:海外から持ち込まれる携帯電話端末・BWA端末、Wi-Fi端末等の利用
技適マークのない携帯端末でモバイルネットワークを利用する場合
日本の技術基準に相当する技術基準(国際標準)に適合するもので、日本国内の携帯電話事業者・BWA(屋外のアンテナを使用する無線LAN)事業者の SIM カードを使用。
訪日外国人の場合は 国際ローミングでのアクセスも可能。
技適マーク のない携帯端末で Wi-Fi を利用する場合
日本の技術基準に相当する技術基準(国際標準)に適合するもので、 2.4GHz/ 5.2GHz/ 5.3GHz/ 5.6GHz帯の周波数の電波を使用する小電力データ通信システムの無線局( Wi-Fi端末及び Bluetooth 端末)が対象で、条件を満たした場合は下記の利用が許可される。
- 公衆無線 LANスポットへのアクセス
- 2.4GHz 帯の無線によりテザリングを行う場合
- 2.4GHz 帯の無線により端末同士で直接通信を行う場合
デバイスの使用が認められるのは訪日観光客等の入国の日から90日以内
日本の技術基準に相当する技術基準 は Wi-Fi の場合 FCC 認証 (米国)・CE マーク(欧州)・Wi-Fi Alliance の認証 のことで、Bluetooth は Bluetooth SIGの認証 になる。
90日ルールの拡大解釈
90日ルールは訪日観光客の利便性向上を目的としており、国内ユーザーに対して技適マークのない海外スマホの利用が認められたわけではなく、技適マークのないスマホは使用禁止という原則に変わりはない。
電波通信課の話
総務省の電波通信課に問い合わせた際に「個人見解」として下記の回答をいただいた。
90日を過ぎての技適マークのない端末の使用は、Wi-Fi・Bluetoothを使用せず、モバイルネットワークのみなら可能というのもグレーゾーンで、もし訪日観光客ではない人が技適マークのない端末を使用しているのを見つけたら「使用しないで下さい」と言うことになると思う。
技適マークの確認
モデルの型番が分かれば 総務省の技術基準適合証明等を受けた機器の検索 ページ で「技適マーク」を取得しているか確認できる。
型式又は名称 の欄にデバイスのモデルナンバーを入力して検索。
技術基準適合認定 には 技術基準適合認定・設計認証・技術基準適合自己確認 があり、スマホやタブレットなど量産されるものはサンプルで認証を受けるため、設計認証 によって総務省の認定を受けている。
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