Calibreは無料で利用できる多機能な電子書籍管理アプリ。
Calibre の特徴
- 電子書籍の整理・閲覧・検索・ファイル形式の変換をサポート
- プラグインを導入して Kindle・Kobo・Google Play 書籍＆マンガの DRMを解除できる
- オープンソースで開発
違法性
日本の著作権法は「私的使用の複製」を認めているが、「技術的保護手段の回避」が禁止されているため、「電子的方法や磁気的方法」など、人が知覚できない方法で保護されたコンテンツの保護を解除する行為は個人使用であっても認められておらず、Calibreで書籍の DRMを解除してコンテンツを複製すると著作権法に抵触する。
ただし、著作権法は著作者の利益が不当に害される著作権侵害を除き、権利者（被害者）が告訴しないと起訴できない親告罪で、コピーガードを回避したリッピングやダウンロードは違法だが刑事罰はない。
開発元
- 開発者：Kovid Goyal 氏
- 開発者の拠点：インド
システム要件
- バージョン：7.25.0
- OS：Windows 10/ 11（64-bit のみ）
Windows 7/ Vista は バージョン 3.48.0、Windows 8 と 32-bitの Windows 10 は バージョン 5.44 を使用。
バージョン5.0でプログラミング言語が Python 3 に変更され、バージョン6.0でアプリケーションフレームワークが QT6 に移行しているため、更新されていないプラグインはメジャーアップデートのタイミングで利用できなくなる。
サポートしているファイル形式
- azw、book、djv、doc、epub、fb2、htm 、ibook、imp、kepub、kfx、mobi、odt、pdf、rar、txt、xps、zip など
ダウンロード
インストールと設定
公式サイト の Download Calibre からインストーラーをダウンロード。
ダウンロードしたインストーラーを起動し、使用許諾書に問題なければ I accept the terms in the License Agreement にチェックを入れて「Install」。
インストール先を変更する場合は「Advanced」から編集。
ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されたら「はい」で許可。
「Finish」でセットアップ完了。
Calibreが起動して初期設定が開始するので、言語とライブラリの保存先を確認して「次へ」。
電子書籍を追加すると Calibreフォルダ内にファイルをコピーしてデータベース化していくため、ライブラリ の保存先はディスク容量に注意が必要。
電子書籍のデバイスは 製造元 を汎用 、デバイス は 汎用電子ペーパーデバイス に設定。
「完了」でセットアップ完了。
ライブラリの保存先の変更
ライブラリ の保存場所はツールメニューの Calibreライブラリ を選択し、「新しい場所」で編集。
KFX 入出力プラグインのインストール
Calibreのツールアイコンから 環境設定 を選択。
.kfx ファイルは Kindle で使用されている新しいタイプの電子書籍フォーマット。
環境設定のアイコンがヘルプの横にない場合は右端（書籍編集の右）に隠れているためウィンドウを最大化する。
プラグイン から「 新しいプラグインを取得 」をクリック。
名前で絞り込み で kfx を検索し、KFX Input/ KFX Output が検出されたら「インストール」ボタンをクリックしてインストール。
KFX Input/ KFX Output のインストールが完了したら Calibreを再起動して有効化する。
DRMを解除するプラグインのインストール
GitHub から最新バージョンの DeDRM tools をダウンロード。
ダウンロードした Zipファイルを解凍し、フォルダ内に DeDRM_plugin と Obok_plugin があることを確認。
設定 の プラグイン から「 ファイルからプラグインを読み込む」 を選択。
解凍した DeDRM_Plugin を指定。
DeDRM_Pluginは解凍不要。
DeDRM_Pluginは Kindleの DRMを解除するプラグインだが、Kindle KFX DRMが解除できないため、有料の DRM解除アプリ Epubor Ultimate の利用を推奨。
セキュリティリスクの警告が出るので「はい」。
DeDRMプラグインのインストールが完了。
同じ要領で Obok_Plugin を選択。
Obok_Pluginは Koboで配信されている電子書籍の DRMを解除するプラグイン。
追加先のダイアログで メインツールバー を指定して「OK」。
Koboの DRM解除プラグインのインストールが完了。
「適用」をクリックして設定画面を閉じ、Calibreを 再起動 してプラグインを有効化する。
Calibre の使い方
電子書籍は 本を追加 からファイル（複数選択も可能）を選択して「開く」で追加。
フォルダ内のファイルをすべて追加するには 本を追加 のドロップダウンリストから フォルダとサブフォルダから追加 を選択。
ダイアログが表示されるので フォルダ内の電子書籍をすべて取り込む場合は「いいえ」を選択。
「はい」を選択すると 1フォルダに対して1ファイルしか取り込まない。
電子書籍ビューアは表示する電子書籍をダブルクリックで開くか、ファイルを選択してツールメニューの 表示。
バージョン 4.00 以降で縦書きの書籍も表示できるようになったが、漫画など一部の書籍は正しく表示されない。
全文検索
全文検索はインデックスの作成が必要なため検索バーの FT アイコンをクリック。
日本語は未サポート。
Index books in this library to allow searchin their full text を有効にして「Start searching even with incomplete indexing」をクリック。
キーワードを入力して 検索すると 検索語を含んでいる書籍がヒットする。
書籍をライブラリに追加した場合は「Show indexing status」からインデックスを再構築する。
ファイル形式の変換
ファイル形式の変換は、変換する書籍を選択後にツールメニューから 本を変換 を選択。
同一フォーマットで出力する場合は複数選択も可能。
デフォルト設定は解像度が 525 x 640 pxの 汎用電子ペーパー になっているので、ソースと同じ解像度で出力する場合は、ページ設定 で出力プロファイルを 汎用電子ペーパー HD に変更する。
デフォルト設定の変更は、ツールアイコンの 環境設定 から 変換設定 の 共通オプション を選択し、ページ設定 の 出力プロファイル を汎用電子ペーパー HD に変更。
右上にある 出力フォーマット のリストからファイル形式を選択し、「OK」で変換処理が開始する。
出力フォーマットの解像度は ページ設定 の 出力プロファイル で変更でき、ソースが電子書籍であれば タイトルや著者などのメタ情報は自動的に読み込まれる
左サイドパネルの 所持フォーマットでファイル形式を選択後、エクスポートするタイトルを Calibre の外にドラッグするとファイルがコピーされる。
アップデート
Calibre は 起動時にアップデートの確認をしており、アップデートを検出すると ホーム画面下に表示されるので、表示されている リンクをクリック。
Calibre のアップデートは「アップデートを取得」、プラグインのアップデートは「プラグインをアップデート」を選択してインストール。
Amazon Kindleの DRM解除
Amazon Kindle for PC を開き、メニューバーの ツール にある オプション の コンテンツ で Kindle のダンロード先を確認。
DeDRM_plugin は Kindle KFX DRMをサポートしていないので比較的新しいタイトルの DRMは解除できないが、バージョン 1.32にダウングレードした Kindleで閲覧できるタイトルの DRMは解除できる。
Calibreを起動して 本の追加 で My Kindle Content フォルダかフォルダ内のファイルを選択。
フォルダは 本を追加 のドロップダウンリストから フォルダとサブフォルダから追加 を選択し、フォルダ内の電子書籍をすべて取り込む場合は「いいえ」を選択。
本を変換 で e-PUB などに変換。
左サイドバー の 所持フォーマットでファイル形式を選択後、エクスポートするタイトルを Calibre の外にドラッグするとファイルがコピーされる。
Rakuten Koboの DRM解除
楽天 Kobo デスクトップ で電子書籍をダウンロード後、Calibreのツールメニューから Obok DeDRM を選択。
ライブラリに追加したタイトルが表示されるので、変換するタイトルを選択して「OK」。
選択したタイトルの DRMが解除され、ePUBに変換後 Calibre に追加される。
本を変換 で e-PUB などに変換。
左サイドバー の 所持フォーマットでファイル形式を選択後、エクスポートするタイトルを Calibre の外にドラッグするとファイルがコピーされる。
Google Play 書籍＆マンガ のDRM解除
Adobeの公式サイト から Adobe Digital Editions をダウンロードしてパソコンにインストール。
インストール時に Norton Product Installer など、サードパーティ製のアプリのインストール選択画面があるのでオプトアウトする。
Adobe Digital Editions は使用するパソコンの認証が必要なため、ヘルプ の コンピュータ を認証 で Adobe IDを使用するか、IDなしでコンピュータを認証する にチェックを入れ「認証」。
Google Play書籍＆マンガ で書籍を購入後、書籍の 3 点リーダーから エクスポート を選択。
保護されているタイトルはダイアログが表示されるので、ACSM 形式（EPUB 用）でエクスポート をクリック。
ダウンロードした ACSM ファイルを Adobe Digital Editionsにドロップするか、メニューバーの ファイル にあるライブラリに追加 で 取り込むと電子書籍をダウンロードする。
Calibre を起動して Adobe Digital Editions のライブラリ My Digital Editions フォルダにある電子書籍をインポート。
本を変換 で e-PUB などに変換。
左サイドパネルの 所持フォーマットでファイル形式を選択後、エクスポートするタイトルを Calibre の外にドラッグするとファイルがコピーされる。
備考
英語圏であれば Calibreは真価を発揮できるが、縦読みと横読み、右綴じと左綴じがある日本の電子書籍は正しく表示できないことがあるので、個人的に Kindleの DRM解除ツールとして利用していたが、2023年頃から新刊は DRMを解除できないようになり、最近はもっぱら Epubor Ultimate を利用して Kinoppy で閲覧している。
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