オリジナルファイルを利用できるクラウド型の無料 電子書籍アプリ
紀伊國屋書店がリリースしている Kinoppy は、紀伊國屋書店で購入した電子書籍のほか、自炊本などのオリジナルの ePUB や PDF ファイルを取り込むことができ、Dropbox と連携することで クラウドライブラリの実現も可能で、右綴じ・縦書きなど日本仕様の書籍も正しく表示できる。
ただ 問題になるのが複製した著作物の Dropbox 利用。
共有機能があるオンラインストレージは「 自動複製機器 」に該当する可能性があるため、合法の範囲内なら完全オリジナルの自作本(自炊本も禁止)のみでの利用になる。
Widnows用の Kinoppy については下記参照

Kinoppy for Windows のインストールと使い方
デバイス間同期でライブラリが共有できる電子書籍アプリ Kinoppy for Windows は 紀伊國屋書店がリリースしている電子書籍リーダーで、紀伊国屋書店ウェブストアで購入した電子書籍のほか、ローカルドライブからの […]
システム要件
バージョン 3.8.2 現在
Android 6.0 以上
必要権限
- USB ストレージのコンテンツの読み取り
- USB ストレージのコンテンツの変更または削除
- 写真やビデオの撮影
- インターネットからのデータ受信
- ネットワークへのフルアクセス
- デバイスがスリープしないようにする
- ネットワークの接続状態の表示
- バイブレーションの制御
ソフトの入手先
Kinoppy for Android Google Playストア
紀伊國屋書店 Kinoppy for Android のインストール
Playストアから「インストール」をタップするだけ。
Google Play ストア から Kinoppy for Android をインストールする。
紀伊國屋書店 Kinoppy for Android の使い方
Kinoppy for Android は Kinoppy for Windows と同く、紀伊國屋書店へ会員登録しなくても利用が可能だが、会員登録するとログインIDで本棚(ライブラリ)をデバイス間で共有できる。
本棚の共有は複数のデバイスで同じ本棚が表示されて便利なのだが、表示されている電子書籍は各デバイスでダウンロードが必要で、その際は Dropbox にダウンロードする書籍がアップロードされていることが前提になる。
また、共有すると書籍の表紙画像を取得するのだが、Dropbox にアップロードしたファイルと表紙の正しくリンクされなかったり、本棚の同期に不具合が発生した場合などが面倒なので、自炊本や Calibre , Epubor Ultimate , Leawo Prof DRM などを使用した ePUBファイルのみを利用するのであれば ログインせずに使用したほうが良いかも。
Kinoppy for Windows では Dropbox との連携には 紀伊国屋書店ウェブストア のアカウントでログイン が必要だが、 Kinoppy for Android は ログインしていなくても Dropbox との連携が可能になっている。
初期設定
初期設定ではデバイスへのアクセス許可と初期表示画面の設定を行う。
インストールした Kinoppy for Android を起動して「設定」をタップ。
デバイス内のファイルへアクセスを許可するため「許可」、アップデート情報が表示されたら「閉じる」をタップ。
Kinoppy 起動時に表示する画面の設定。
紀伊国屋書店ウェブストア で電子書籍を購入しないのであれば「本棚」を選択して「お試しで利用する」をタップ。
表示画面は後から「設定」の「起動時に表示する画面」でも変更可能。
複数のデバイス間で本棚(ライブラリ)を共有する場合は「ログインして続ける」で紀伊国屋書店ウェブストアのログインIDを取得する。
利用規約を確認して問題なければ「同意する」をタップ。
本棚が表示されて設定完了。
コンテンツの保存先
紀伊国屋書店ウェブストア で購入した 電子書籍や ローカルストレージ や Dropbox からインポート位したファイルは、デフォルトでデバイス本体のストレージに保存されるので、 デバイスが SDカードをサポートしている場合は 保存先を SDカードに変更できる。
SDカードは「内部ストレージ」でも「外部ストレージ」でも利用できるが、 Amazon Fire タブレットで Google Play ストアを使用して Kinoppy をインストールしている場合は SDカードを「内部共有ストレージ」にしないと保存先として選択できない。
保存先の変更は左上のメニューアイコンをタップ。
設定アイコンをタップ。
「コンテンツ保存設定」をタップ。
「 SDカード 」タップ。
変更確認のメッセージで「はい」をタップすると内部ストレージに保存されていた コンテンツ がSDカードに移動する。
移動先は「SDカード」→「data」→「 jp.co.infocity.ebook 」→ 「 files 」→ 「 Contents 」
紀伊国屋書店ウェブストアで購入した書籍は 拡張子が「 .kbe 」で当然ながら DRMで保護されているが、 保護されていない ePUB や PDF ファイルは ダウンロードしたファイルがそのまま保存されている。
本棚と棚
Kinoppy は電子書籍を「本棚」と「棚」で整理することができる。
「本棚」を追加する場合はメニューを展開して「本棚」の「+」をタップ。
追加する本棚に名前をつけて「 OK 」。
追加した本棚は「 … 」をタップして名前の変更や削除が可能。
ただし 「メイン本棚」は本棚名の変更や削除は不可。
棚の移動や名前を変更する場合は 任意の棚の空白部分をロングタップすると 編集可能な状態になる。
棚をドラッグで移動させる場合は「棚部分」を任意の場所へドラッグする。
棚の名前変更や 新規作成、削除などは 任意の棚を選択した状態で右下のメニューを展開し、任意の項目を選択する。
バージョン 3.2.8 の Kinoppy for Windows では 本棚間の棚移動はできないが、 Kinoppy for Android では 移動する棚を選択後に「棚を移動」をタップ。
移動先の本棚をタップすると指定した棚にあるコンテンツごと移動する。
本棚名の変更(メイン本棚は変更不可)や表示モード、本棚の背景などは右上の 3ドット のメニューから行える。
本棚の背景は「画像を選ぶ」の「紀伊国屋セレクション」では背景をダウンロードすることができ、デバイスの「ギャラリー」に保存されている画像や、Dropboxと連携している場合は Dropbox に保存されている画像も指定可能。
棚と同様にコンテンツもロングタップで編集モードになり、ドラッグで別の棚へ移動、削除や表紙の再取得などは右下のメニューから行える。
ローカルストレージからの取り込み
Kinoppy for Windows では ローカルストレージからのインポートの際、任意のフォルダを指定できるが、 Kinoppy for Android の ローカルストレージ は ダウンロードフォルダ のみになる。
また、インポートしたコンテンツも「 Contents 」フォルダにコピーされず「 ダウンロード 」フォルダから削除した時点でアクセスできなくなる。
ダウンロードフォルダにあるコンテンツを Kinoppy for Android の本棚に取り込む場合は「メニュー」から「ローカルコンテンツ」を選択。
ダウンロードフォルダ にインポート可能なファイルがあれば書籍選択画面が開くので、対象のコンテンツにチェックを入れて「 OK 」をタップすると本棚に取り込まれる。
ローカルコンテンツとして取り込めるのは「ダウンロードフォルダ 」直下に保存されたファイルのみで、ダウンロードフォルダ内に作成されたサブフォルダにファイルが保存されていると「取り込み可能なファイルはありません」と表示されてしまう。
保存先が「ダウンロードフォルダ 」のみという制限はあるものの、 パーソナルファイルを取り込む場合は Google Play ブックス と併用することで 1000タイトルもの電子書籍を オンライン ライブラリに保存できる。
Google Play Books については下記参照

Google Play Books – GooglePlay書籍&マンガの使い方
ePUB / PDF のパーソナルファイルを最大1000冊アップロード可能な無料の電子書籍プラットフォーム Android デバイスではお馴染みの Google Play ストアにある「 書籍・マンガ 」。 Androi […]
Dropbox との連携
ローカルコンテンツの取り込みが ダウンロードフォルダのみで、コンテンツのコピーも実行されないので、Kinoppy for Android で オリジナルファイル を取り込む場合は Dropbox からのダウンロードがメインになる。
Dropbox は 無料プランだと 同一アカウントで利用できるデバイスは 3台までに制限されているが、 Kinoppy for Android のような アプリの連携には接続数に制限がない。
また、Kinoppy for Android で Dropbox と連携する際に Dropboxアプリは不要なので、デバイスの接続数に関しては それほど問題にはならないが、無料プランでネックとなるのは 2GB というストレージ容量。
コミックスなどファイルサイズが大きい電子書籍は 20 ~ 30冊で 2GBほど消費するので、大量の電子書籍を利用する場合は 月額 1,500円の有料プランへ移行するか、 Dropbox 内のタイトル入れ替えが必要になるので Google Play ブックス と併用すると良いかも。
Dropbox と連携するには「 設定 」の「 Dropbox連携を有効にする 」をタップするか、「メニュー」の「 インポート 」にある「 Dropbox 」を選択。
Dropbox のログインIDとパスワードでログイン。
「許可」をタップしてアクセスリクエストを承認。
接続した Dropbox 内の コンテンツが表示される。
Dropbox内はサブフォルダにもアクセスでき、ePUB や PDF ファイルはタップすればダウンロードが開始する。
Kinoppy for Windows では デバイス側のコンテンツを Kinoppy から Dropbox へアップロード可能だが、 Kinoppy for Android では ダウンロードのみになるため、Android デバイスに保存されている 保護されていない電子書籍をDropbox へアップロードするには、コンテンツの保存先に設定した「 Contents 」フォルダから任意のファイルを選択し、 Dropboxアプリ か ブラウザで Dropboxにアクセスしてアップする必要がある。
ダウンロードに失敗する場合
紀伊国屋書店ウェブストア で購入した 電子書籍のダウンロードに失敗する場合は、アプリの重複起動が原因の可能性が高いため、履歴から「すべてクリア」でアプリを閉じるか デバイスを再起動する。
Dropbox から一度ダウンロードしたコンテンツを再ダウンロードする際、「登録済みの書籍と一致しました。ダウンロードしますか?」というメッセージが出て「はい」をタップしてもダウンロードに失敗する場合は、すでに該当のコンテンツが「 Contents 」フォルダがあるか、データベースで同名ファイルの紐付けがされており、「設定」の「ファイルパスの再構築」でも状況はほとんど改善しない。
根本的な解決にはならないが、ダウンロードに失敗 もしくは ダウンロードに成功しても本棚にコンテンツが登録されない場合は、ダウンロードするコンテンツのファイル名を変更することで Kinoppy が新規ファイルとして認識して登録可能になる。
ビューア
Kinoppy が 他の電子書籍ビューアよりも優れてるのが「日本仕様の書籍の表示」。
日本の書籍は「 縦書き と 横書き 」「右綴じ と 左綴じ 」があり、多くの海外アプリが 縦書きを未サポートだったり、右綴じのページ送りが微妙だったりするが、 Kinoppy は国産アプリだけあって 日本仕様の書籍を正しく表示できる。
棚の書籍をタップして「続きから」もしくは「はじめから」を選択。
開いたコンテンツをタップすると下部にメニューが表示される。
文字アイコン「A」をタップすると サイズ / 行間 / フォント の変更が可能。
「コントラスト」ではページの背景色やコントラストの変更できる。
コントラストを手動設定する場合は「システム設定を使用」のチェックを外す。
「スタイルの設定」では「綴じ方向」や「ページめくり」の設定、ページの拡大率が変更できる。
Calibre で変換した縦書きの ePUB ファイルも問題なく表示されるので、電子書籍管理アプリ Calibre を使用するなら Kinoppy は相性抜群。
8インチや10インチのタブレットで使用すると非常に使いやすい 電子書籍リーダーになる。
Kindle / Kobo のDRM解除も可能な無料 電子書籍管理アプリ Calibre ( キャリバー ) は 日本語をサポートした オープンソースの無料 電子書籍管理アプリで、電子書籍の整理、閲覧のほか ファイル形式 […]Calibre のインストールと使い方