メールアドレスとメッセージの送受信
メールアドレスは アカウント@ドメイン で構成され、メールアカウントとドメインの組み合わせはオンリーワンになっている。
ドメイン は住所のような役割を担っており、xxx@zzz.co.jp というアドレスなら zzz.co.jp に所属している xxxさん を表している。
送信したメールは契約している ISP(インターネット・サービス・プロバイダ)などのサーバに届き、 DNSサーバでドメインと IPアドレスが紐付けされ、送信先サーバへ届いたものをメールクライアントアプリやブラウザを使用して受信/ 閲覧という流れになっている。
プロトコルの種類
- POP3(Post Office Protocol ver.3)
メールサーバ に届いたメールをパソコンにダウンロードするための通信プロトコル(規約)。 - IMAP(Internet Message Access Protocol)
パソコンからダイレクトにメールサーバを操作する通信プロトコル。 - SMTP( Simple Mail Transfer Protocol)
メールを送信する 通信プロトコル。
POP3/ SMTP
2007年以前のメールは POP3が一般的で、個人であれば契約している ISPのドメインを使用したメールアドレスが多く、受信/ 送信サーバやポート設定などが必要なため、メールの設定は PCビギナーの登竜門だった。
POP3 はメールをパソコンへダウンロードする通信規約なので、受信したメールはパソコンに保存されていく。
サーバには メールを残す/ メールを残さない という設定項目があり、メールを残さない に設定すると POP3でメールをダウンロードするとサーバから削除され、一度受信したメールは他の PCで受信することができない。
POP3/ SMTPメールはすべての送受信メールをローカルに保存するため、オフラインやサーバがダウンした状態でもメールの確認ができるメリットある反面、 デバイス間の同期ができないというデメリットがある。
POP3/ SMTP の設定
メールを送受信するメールクライアントアプリは、POP3/ SMTPのサーバ情報が必要で、ISPではメールソフトの設定方法などのページで情報を確認できる。
POP(受信)サーバ / SMTP(送信)サーバの設定は、サーバの住所に相当する ホスト名 と、部屋番号に相当する ポート番号、部屋に入るための鍵になる 認証情報 を登録する。
POP サーバで使用されるポート番号
- 110番ポート
POP3の標準ポートで通信は暗号化されていない。 - 995番ポート
通信の開始時から SSL/TLS で暗号化する「POP3 over SSL」を使用。
SMTPサーバで使用される ポート番号
- 25番ポート
認証が不要なポート番号で、現在は迷惑メール対策のためブロックされていることが多い、 - 587番ポート
暗号化が可能であれば通信を SSL/ TLSで暗号化する「STARTTLS」を使用。 - 465番ポート
通信の開始時から SSL/TLS で暗号化する「SMTP over SSL」を使用。
SMTP(送信)サーバは認証が不要なポート番号 25 が使用されていたが、サーバのホスト名さえ分かればメールを送信できるため、迷惑メール対策として ポート 25 をブロックする ISPが増加し、ポート25の代替として認証が必要な 587ポート(サブミッションポート)が使用されるようになった。
ISPでは会員ページにあるメール設定などでホストやポート番号を確認できる。
IMAP/ SMTP
IMAPはメールサーバにアクセスするプロトコルで、一般的にユーザー名とパスワードでサーバへアクセスが可能になっており、複数のデバイスで同じ環境を共有できる。
Gmailや iCloudメール、Outlook.comなどブラウザでアクセス可能な ウェブメール が代表的な IMAPメールで、現在のように複数のデバイスを利用するような環境では、内容を同期できる IMAPメールの使用がスタンダードになっている。
Gmail・iCloudメール・Outlook.com などはログインするだけで利用でき、Gmailで Outlookを POP3で受信するような特殊な使い方をしない限り、ホスト名やポート番号の設定が必要になることはほとんどない。
IMAP サーバで使用されるポート番号
- 143番ポート
暗号化されていないポート。 - 993番ポート
SSL / TLS で暗号化する「IMAP over SSL」を使用した IMAP の標準ポート。
SMTPサーバで使用される ポート番号
- 25番ポート
認証が不要なポート番号で 現在は迷惑メール対策のため ブロックされていることが多い、 - 587番ポート
暗号化が可能であれば通信をSSL / TLS で暗号化する「STARTTLS」を使用。 - 465番ポート
通信の開始時から SSL/TLS で暗号化する「SMTP over SSL」を使用。
メールクライアントソフトを使用して、独自ドメインや ISPの IMAPメールを受信する場合は、ホスト名やポート番号の設定が必要になる。
WEBメールの POP/ IMAP/ SMTP 情報
GMAIL
アカウント名/ ユーザー名:メールアドレス
パスワード:Gmailのパスワード
Gmailヘルプ IMAP設定 / Gmailヘルプ POP3設定
- POP サーバー:pop.gmail.com
ポート番号:995
暗号化:有効(POP3 over SSL) - IMAP サーバー:imap.gmail.com
ポート番号:993
暗号化:有効(IMAP over SSL) - SMTP サーバー:smtp.gmail.com
ポート番号:465
暗号化:有効(SMTP over SSL)
ポート番号:587
暗号化:有効(STARTTLS)
認証:有効
iCloudメール
アカウント名/ ユーザー名:iCloud メールアドレスのアカウント名
パスワード:App 用パスワード
- POP サーバー:非対応
- IMAP サーバー:imap.mail.me.com
ポート番号:993
暗号化:有効(IMAP over SSL) - SMTP サーバー:smtp.mail.me.com
ポート番号:587
暗号化:有効(STARTTLS)
認証:有効
Outlook.com
アカウント名/ ユーザー名:メールアドレス
パスワード:Outlook.comのパスワード
Officeサポート Outlook.com IMAP / POP 設定
- POP サーバー:outlook.office365.com
ポート番号:995
暗号化:有効(POP3 over SSL) - IMAP サーバー:outlook.office365.com
ポート番号:993
暗号化:有効(IMAP over SSL) - SMTP サーバー:smtp.office365.com
ポート番号:587
暗号化:有効(STARTTLS)
認証:有効
Yahooメール
アカウント名/ ユーザー名:Yahooメールアドレスのアカウント名
パスワード:Yahoo! JAPAN IDのパスワード
Yhaooメールヘルプ POP サーバー設定情報
Yhaooメールヘルプ IMAP サーバー設定情報
- POP サーバー:pop.mail.yahoo.co.jp
ポート番号:995
暗号化:有効(POP3 over SSL) - IMAP サーバー:imap.mail.yahoo.co.jp
ポート番号:993
暗号化:有効(IMAP over SSL) - SMTP サーバー:smtp.mail.yahoo.co.jp
ポート番号:465
暗号化:有効(SMTP over SSL)
認証:有効
関連記事
Windows 10 / 11 の バージョン・ビルド・サポート終了日 の一覧 と Windows 10 / 11 の バージョン 確認方法、Windows 8.1 以前のサポート終了日
RAID の 基礎知識 - 安定性や処理速度を高める RAIDの構成について、 ストライピング・ミラーリング・パリティ・ストライピング+ミラーリング など RAID レベルの特徴
MBRと GPTの違いやパーティションの種類、パーティションの作成方法、Windowsターミナル を利用した拡張パーティションの作成と論理ドライブの追加、パーティション削除の手順 を紹介
パーティションの制限を受けず 複数のドライブをまたいだ スパンボリューム・ストライプボリューム などの ソフトウェアRAID が可能な Windows 独自のディスク管理形式 ダイナミックディスク について紹介