FromHDDtoSSDのインストールと使い方


ハードディスク診断ツールの多くは、S.M.A.R.T(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology)という自己診断機能の情報を利用して状態を判断しているのだが、S.M.A.R.Tで得られる情報だけでは判断できない、というか、S.M.R.A.Tの情報だけで判断できるのであれば、HDDのクラッシュに怯える必要がない。

FromHDDtoSSDは、S.M.A.R.Tの情報だけではなく、シーケンシャルアクセス(データの先頭から順番に読み書きを行うアクセス方法)でハードディスクの完全スキャンを実施し、不良セクタやハードディスクの安定性を確認できるほか、最新バージョン(Ver2.1 Build2820)ではビッグデータを利用した診断作業が実行され、S.M.A.R.Tの情報をより詳細に分析した故障予測が可能になっている。

FromHDDtoSSDには有償版と無償版(フリーエディション)があり、有償版は「データ復旧」が可能で、無償版は「診断」がメインで復旧作業が行えない。

アプリを制作しているのは「IUECデータソリューションセンター」というデータ復旧サービス会社で、FromHDDtoSSDはその道のプロが開発しているマニアックなソフトだったりする。
「IUECデータソリューションセンター」のサイトにはHDDに関する情報が満載で、大容量ドライブで発生する「長期間アクセスされないセクタが不良化してしまう」問題など、いろいろと勉強になる。

システム要件

バージョン2.1 Build2820現在

OS:Windows2000 / XP / Vista / Windows7 / Windows8 / Windows10(32bit & 64bit)

ソフトの入手先

FromHDDtoSSD 公式サイト ダウンロードページlink

FromHDDtoSSDのインストール

FronHDDtoSSDにはインストーラーとインストール不要版が提供されており、機能的には同じなのだが、定期的に実行したほうが良いのでインストーラー版を推奨。
セットアップはシンプルでアドウェアなど注意すべき点はない。

FronHDDtoSSDのダウンロードページにもインストールの方法が掲載されており、ダウンロードリンクは掲載されているインストール方法の下、ページのほぼ中央あたりにある。

64ビット環境に32ビット版は使用できず、その逆も同様なので、インストールするPCのアーキテクチャに合わせたインストーラーをダウンロードする。

ダウンロードしたインストーラーを起動するとUAC(ユーザーアカウント制御)のメッセージがでるので「はい」。

セットアップウィザードが開いたら「次へ」。

使用許諾書を確認して問題なければ「同意する」。

インストール先の指定は、特にこだわりがなければデフォルトのまま「次へ」。

インストール項目の確認と、デスクトップへのショートカット作成の有無を選択。
「次へ」でインストール開始。

インストール完了。

使用方法

メニューは3つのカテゴリーに分類されているが、それぞれのカテゴリー内で更にメニューが用意されている。
また、ビッグデータを利用した診断や、AI(人工知能)を利用する場合は、事前にビッグデータへの通信設定を有効にする必要がある。

セクタと代替処理
FromHDDtoSSDやS.M.A.R.Tの情報などで頻繁に出てくるセクタという単語は、「ディスク形状の記憶媒体の物理的な最小単位」で、不良セクタが発見された場合、OSは複数のセクタが集まった「クラスタ」単位で不良セクタへのアクセスを回避するようになる。
通常の動作で読込不能セクタが発生した際、ハードディスク内では、そのセクタのデータを読み込む努力が行われ、データの読込に成功した場合、そのセクタは 「保留セクタ」とマークされる一方で、読み込んだデータは「代替え領域」へミラー(コピー)される。そして再度、保留セクタにアクセスした際に通常通り読込に成功したら「保留セクタ」から「通常セクタ」に戻され、「代替セクタ」にミラーされたデータが削除される。
また、再アクセス時の読込に失敗した場合 は、「保留セクタ」から「不良セクタ」になり、そのデータへのアクセスは代替セクタが受け持つことになる。

これらは通常の動作であり、不良セクタが発生したからといってハードディスクの故障というわけではないが、不良セクタの数はハードディスクの健康状態を測る目安になる。

ビッグデータへの通信設定

ビッグデータを利用してデータマイニングによる故障予測を有効、というと何のことやら理解しがたいが、大雑把にいうと、これまで理論付けすることができず、経験則とか技術者の勘といった不明瞭でありながら、それでも有用な判断や方法をAI(人工知能)が導き出すということ。

ビッグデータへのアクセスを有効にするには、トップメニューの「拡張&ヘルプ」→「拡張予測パターンの更新&ビッグデータ通信の全体設定」を選択。

「パターンファイルの更新」で「自動更新を有効にする」にチェックを入れると、確認メッセージが表示されるので「OK」。

次に「ビッグデータの送受信および、データマイニング」の「ビッグデータの送受信および、データマイニングを有効」と「自動学習」の「自動学習機能R.E.C.O AIを有効にする」もチェック。

「学習強度」は記載がある通り、不安定なドライブを検査する場合は「弱気」に設定。通常は「中立」で良いかと。

これらの設定を有効にしなければ「完全スキャン」後の「ドライブ継続使用」のレポートなどが表示されないので、いずれも有効にしておくことを推奨。

完全・詳細スキャン設定

スキャンを実行する前に各スキャンの設定を行う。

設定画面はトップ画面の上部メニュー「完全・詳細スキャン設定」→「設定ダイアログを開く」を選択。

「詳細スキャン」を実行する際の動作モードを選択する。

「詳細スキャン」には【保守系】として3種類、【復旧系】として5種類あり、実行するモードの切り替えを行う。
ただし、復旧系の「シグネチャ直接書出」の3項目は64ビット版ではサポートされていないため、64ビット環境では「物理解析」と「論理解析」のみの選択になる。

「高速リニアスキャン 速度調整」は表示されているとおり、速度と精度が反比例するので、取り敢えず「標準値」を使用。

「不良セクタシミュレーション/レストレーション/自動再構築 詳細設定」の項目でチェックを入れるのは、ドライブへの負荷を低減させるため「不良セクタ修復の際、全部ではなく読込不能セクタのみ復活を試みる」だけでOK。

完全スキャンで解析レポートを表示させるため「不良セクタ解析レポートを有効にする」にチェックを入れる。
ただし、「自動学習機能R.E.C.O AI」が有効になっていなければレポートは表示されない。

「完全スキャンに故障統計を取り込む」は現バージョンでは未実装なのでチェックは外しておく。

設定が完了したら「設定を保存する」にチェックを入れて「OK」をクリックして閉じる。

完全スキャン・統計スキャン

故障統計スキャンについては、現バージョンで「故障統計を取り込む」という機能が未実装のため、「完全スキャン」のみとなる。

「完全スキャン」はS.M.A.R.Tの情報ではなく、シーケンシャルアクセスによってドライブの状態を診断するもので、1TBのドライブで3時間、2TBで4時間30分など、ドライブの容量に比例してスキャンに要する時間がかかるものの、S.M.A.R.Tの情報を補完する意味でも、定期的な実行が望ましいとされる。

スキャンを実行する際は、初めにトップメニューのドライブ一覧からスキャンするドライブにチェックを入れる。

トップメニューの「完全スキャン・統計スキャン」をクリックするとメッセージが出るので「はい」をクリック。

スキャンは自動的に開始し、途中で終了させたい場合は「強制終了」をクリック。
一時中止・再開は下部にある「スタート/ストップ」をクリック。

スキャン画面は上下二段に別れており、グリーンの部分は不良セクタ(破損したセクタ)の調査結果を示している。
ドライブに不良セクタが存在しない場合はオールグリーンになるが、不良セクタは読込不能・書込不能・危険と各項目で色分けされる。

下段はドライブの「安定性」を表しており、不安定な箇所は「注意判断」または「危険判断」の領域まで指標が達している。

「詳細ビュー」ではグラフが表示される。

スキャンが終了すると「強制終了」が「作業完了」になるのでクリック。
「完全スキャン終了」のメッセージが出るので「はい」。

完全スキャンのレポートが表示される。

「経年劣化計」の数値が悪い場合などは、「総合評価」で保守交換を促すものや、様子見などのアドバイスがでる。

表示されている内容を保存する場合は「レポート保存」をクリックするとテキストファイルで内容が出力される。

「自動学習機能R.E.C.O AI」を有効にしていると、「不良解析レポート」でドライブの継続使用についてのコメントも表示される。

詳細スキャン

詳細スキャンは前述のように「保守系」「復旧系」合わせて8つの動作モードがあるものの、診断で使用するのは「初期不良調査」と「不良セクタ予測」になり、「初期不良調査」は前項の「完全スキャン」の簡易版のようなもので、短時間でスキャンは終了するが精度は落ちるので、公式サイトも完全スキャンを推奨している。

完全スキャンと併用して目安になるのが「不良セクタ予測」で、現状から3ヶ月~半年先の状態を予測するもの。
ただし、この動作モードはハードディスクのみが対象。

「完全・詳細スキャン設定」の「詳細スキャン 動作モード」で「不良セクタ予測」を選択した状態で、トップメニューでシミュレーションを実行するドライブにチェックを入れて「詳細スキャン」をクリックすると、「不良セクタシミュレーションを開始いたします」というメッセージが出るので「はい」。

不良セクタシミュレーションは上段が現在のディスクの状態を「良好」「読込不能」「読書不能」「危険」でカラー表示され、下段に3ヶ月から半年後の状態をシミューレートしたグラフがカラー表示される。

不良セクタシミュレーションは完全スキャンよりも時間がかかり、250GBのドライブでも5時間以上要するので、実行する際は要注意。

処理完了後はレポートなどはないので「作業終了」をクリックして終了。

HDDを認識しているのに、開くとフォーマットをするようメッセージが出たり、ディレクトリ構造が壊れているといったメッセージがでる場合は、「回復系」の「論理解析アドバンストデータ復旧」を試みる。

「完全・詳細スキャン設定」で「論理解析アドバンストデータ復旧」にチェックを入れ、トップメニューで「詳細スキャン」をクリック。

「アドバンストデータ復旧」の画面が開いたら、対象のドライブにチェックを入れてコンテキストメニュー(右クリックメニュー)から「領域解析を実行」を選択。

デフォルトの状態で「領域解析を開始」をクリック。

「はい」をクリック。

解析の進行状況は画面の最下部に表示される。

 

 

領域解析が完了すると、解析結果がツリー形式で追加される。

解析後のデータにチェックが入った状態でコンテキストメニューから「ディレクトリ構造解析を実行」を選択。

ディレクトリ構造解析が開始。

解析結果がツリー表示される。

画像ファイルなどは選択してコンテキストメニューから確認することも可能だが、当然ファイルが破損していると表示されない。

開けなくなったHDDやSDカードなどは「ディレクトリ構造解析」で内容を確認できるが、フリーエディションで実行できるのは確認まで。
ファイルを復旧するにはサポートエディション以降の有償版が必要。

購入フォームはこちら

S.M.A.R.Tビュー

手軽で便利なのがビッグデータを活用した「S.M.A.R.Tビュー」。
ディスクをスキャンせず、S.M.A.R.Tの情報のみでディスクの状態を判断するため、数分で結果を見ることができる。

S.M.A.R.Tビューを表示させるには、トップメニューのドライブ一覧から、任意のドライブをダブルクリックする。

初期状態ではビッグデータの利用が無効になっているため、S.M.A.R.Tビューが開いたら上部のチェックボックスにチェックを入れて「OK」で一旦閉じ、再度トップメニューからドライブをダブルクリックしてS.M.A.R.Tビューを開く。

ビッグデータの利用が有効になれば受信の確認メッセージが出るので「はい」。

ビッグデータを利用すればドライブの診断結果が表示される。

上図のドライブはCrystalDiskInfoで「代替保留中のセクタ数」がしきい値を超えているため「注意」判定されているもので、上図の反転している箇所が問題の「代替保留中のセクタ数」。しきい値が「0」、最悪値「199」になっているものの、ビッグデータによる診断結果では「正常」判定されている。
完全スキャンを実行しても不良セクタはなく、一部で安定性が「注意」レベルに達しているが、不良セクタシミュレーションでも3ヶ月~半年以内で不良セクタは発生しないという結果だった。
実際、このドライブは「代替保留中のセクタ数」がしきい値を超えてから、すでに1年以上稼働し続けており、未だに障害は発生していない。

常駐型 ストレージ故障予測

FromHDDtoSSDを常駐させ、ストレージを監視させるのが「ストレージ故障予測」。

トップメニューの「ストレージ故障予測 Bigdata」をクリックして起動。

「ストレージ故障予測 Bigdata」は常駐タイプの監視アプリなので操作は不要。
最小化するとタスクトレイに格納され、問題が発見されたらメッセージが表示される。






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