多機能 NAS Synology Diskstation のセットアップ手順
Synology NAS は SSD / HDD を取り付けてから OS ( DSM ) をインストールし、Synology アカウントの作成 や RAID の構成を行う。
SSD / HDD の取り付け
Synology は 現在 製品互換リスト で確認されているドライブ使用時のみサポートを受けられるため、テクニカルサポートが必要な場合は Seagate の IronWolf や Western Digital の WD Red など 高耐久を謳った ストレージを使用する。
SSD / HDD は 筐体のカバーをスライドして外し、SATA に接続して付属のネジで固定する。
DSM のインストール
ドライブを接続したら Linux をベースにした Synology オリジナルのオペレーティングシステム DiskStation Manager ( DSM ) をインストールする。
Synology NAS に電源ケーブル と LANケーブル を 接続してビープ音が鳴ったら、NAS と同一ネットワーク内にあるパソコンでブラウザを開き、アドレスバーに find.synology.com と入力して Synology Web Assistant で ネットワーク内にある Synology NAS を検索。
問題なく接続できていれば Synology NAS が 検出されるので、セットアップするため「 接続 」をクリック。
使用許諾契約 を確認して 問題なければ 私は EULA の条件を読み、これに同意します にチェックを入れて「 次へ 」。
プライバシーポリシーを確認して「 続行 」。
ウエルカム画面になったら「 インストール 」をクリック。
Synology ウェブサイトから最新のバージョンを自動的にダウンロードする が選択されているので、特段の理由がなければ デフォルト設定で「 次へ 」。
旧モデルの NAS で バージョン 6. 2 以前の DSM をインストール場合は下記参照。

Synology DSM ver6.2 のセットアップ
Synology NAS の オペレーティングシステム DiskStation Manager 6.2のセットアップ Synology NAS は SSD / HDD を取り付けてから OS ( DSM ) をインストー […]
データ削除に関するダイアログが表示されるので、私はこれらのドライブ上のすべてのデータが削除されることを理解しています。 にチェックを入れて「 続行 」。
OS をダウンロード後に インストール処理が実行され、NAS が再起動して ビープ音が鳴ったら DSM のインストールが完了。
DSM のセットアップ
DSM をインストールしたらセットアップを行う。
「 起動 」をクリックして DSM を起動。
デバイス名・管理者アカウント ( ユーザー名 )・パスワード を 任意で設定して 管理者アカウントを作成。
アップデートオプションは デフォルト設定で「 次へ 」。
外部ネットワークから QuickConnect を使用して NAS にアクセスする場合は Synology アカウント が必要なため、取得していない場合は「 作成 」。
メールアドレスを認証後 パスワードを設定してアカウントを作成。
Synology アカウントでサインインすると QuickConnect に関するダイアログが表示されるので「 OK 」。
Synology アカウントを取得すると 24時間モニタリング と DSM 構成のバックアップ が利用できるため、使用するツールにチェックを入れて「 送信 」で、DSM のセットアップが完了。
ストレージプール と ボリュームの作成
DSM のセットアップが完了したら データを保存できる状態にするため、ストレージプール と ボリュームを作成する。
DSM セットアップ後 ストレージプール と ボリュームを作成のウィザードが開くので「 今すぐ作成 」をクリック。
「 起動 」をクリックして ストレージ作成ウィザード を開始。
RAID タイプ で 作成する RAID アレイ を 選択。
2 ベイの Synology NAS で利用可能な RAID アレイ
Synology オリジナルの RAID 構成で、システムがディスク内に複数のドライブを自動的に作成し、ドライブを組み合わせることで 異なるサイズのディスクを使用しても 冗長性 と 使用可能なストレージサイズを最大限に確保できる、初心者向けとして Synology が推奨している RAID構成。
基本
RAID 構成 のない 通常のディスク として使用するモードで 冗長性はない。
JBOD ( スパニング )
複数台のドライブを 1 つのストレージ として使用する構成で、冗長性はなく 1 台 のドライブが故障すると 全てのデータへアクセスできなくなるため、基本 に比べてリスクは使用するストレージ数に比例して高くなる。
RAID 0 ( ストライピング )
複数台のドライブを 1つのストレージとして使用し データを分散させて 書き込みを行うため、JBOD に比べて 読み書きの速度が向上するが、冗長性はなく 基本 に比べてリスクは使用するストレージ数に比例して高くなる。
RAID 1 ( ミラーリング )
同一データ を 複数台のドライブに書き込むため 1 つのドライブに 障害が発生してもデータが消失しない 耐障害性に特化した構成だが、使用できるディスクサイズに対してコストが高くなる。
RAID については下記参照

RAID の 基礎知識
安定性 や 処理速度を高めるディスク構成 レイド ( Redundant Arrays of Inexpensive Disks ) は 直訳すると「 安価なディスクの冗長配置 」で、システム障害に備えて 無駄な安物ディ […]
ストレージプール を作成する ディスクにチェックを入れて「 次へ 」。
ダイアログが表示されるので「 続行 」。
互換性リストに掲載されていない ディスク を使用していると ダイアログが表示されるので「 続行 」。
新しい SSD / HDD を使用している場合は ドライブチェックをスキップする を選択して「 次へ 」。
ストレージプールに作成する ボリュームサイズ を設定して「 次へ 」。
設定の内容を確認して 問題なければ「 適用 」。
データ消去のダイアログが表示されるので「 OK 」で処理を実行。
ストレージプール と ボリュームが作成される。
RAID アレイの変更
セットアップした RAID アレイ ( ストレージプール ) を変更する場合は、メインメニューの ストレージ マネージャーで設定する。
左上のメニューアイコンをクリックして ストレージマネージャー を選択。
左サイドバーから ストレージ を選択し 右ペインに表示されている ストレージプール の 3 点リーダーをクリックして「 削除 」 。
ダイアログが表示されるので「 削除 」で実行。
既存のストレージプールを削除したら、左サイドバーから ストレージ を選択し 「 作成 」の ストレージプールの作成 をクリックすると ストレージ作成ウィザード が開始する。
QuickConnect
QuickConnect を使用する場合は コントロールパネル から QuickConnect を有効にする。
コントロールパネル を開き 外部アクセス の QuickConnect にある QuickConnectを有効にするに チェックを入れる。
QuickConnect ID の入力が可能になるので 任意の英数字 で QuickConnect ID を作成して「 適用 」。
QuickConnect のリンクが表示されるので クリック。
サインイン画面が表示されたら DSM のセットアップで設定した 管理者アカウント ( ユーザー名 ) と パスワード を入力してサインイン。
Synology NAS が開いたら設定完了。
IP アドレスの変更
Synology NAS は デフォルトで DHCP が有効のため IP アドレスは動的に取得する設定になっているので、手動設定に変更して 静的 IPアドレスにする。
コントロールパネル の ネットワーク を開き、ネットワークインターフェイス タブで LAN を選択して「 編集 」。
IPv4 のタブで IP アドレス・サブネットマスク・ゲートウェイ・DNS サーバを設定して「 OK 」で反映。
HTTP接続を HTTPS へリダイレクト
NAS のオペレーティングシステム DSM へアクセスする際、HTTP接続 を 保護されたHTTPS 接続に リダイレクトするよう設定する。
コントロールパネル の ログインポータル にある DSM タブを開き、HTTP 接続を DSM デスクトップ用の HTTPS に自動リダイレクトします。 にチェックを入れる。
DSM へのアクセス
DSM へは QuickConnect を使用してアクセスする。
コントロールパネル から 外部アクセス を開き QuickConnectの DSM に表示してある URL を ブックマークなどに保存。
ローカルエリアからアクセスすると リダイレクトされる。
QuickConnect を使用していない場合は ブラウザのアドレスバーに直接 IP アドレスを入力してアクセスできるが、証明書の問題で HTTPS 接続でも 保護されていない通信 になる

Synology NAS : ダイナミックDNSの設定
Synology NAS に ダイナミックDNS 導入 Synology NAS は Synology のサーバを経由する QuickConnect を使用することで 外部ネットワークから簡単にアクセスできるが、DDN […]
NAS へのファイル保存 については下記参照

Synology NAS : ファイルの保存とバージョン管理
Synology NAS のファイル保存 と バージョン管理の設定 Synology NAS に データを保存する場合は 共有フォルダ の作成が必要で、作成した 共有フォルダ は パソコンで ネットワークドライブ とし […]
関連記事

Synology NAS : FTP / WebDAV の設定
外部アプリから Synology NAS へアクセスを可能にする FTP / WebDAV の設定方法 Synology NAS は 外部からアクセス設定が簡素化された QuickConnect を実装しているが、サー […]

Resillo Sync Home for Synology NAS の インストールと使い方
P2P タイプのファイル同期ツール Resillo Sync を Synology NAS で利用 Resilio Sync は 米国に拠点のあるソフトウェアベンダー Resilio Inc が開発している BitTo […]

Synology NAS : Video Station のセットアップ
Synology NAS に保存している動画を ストリーミング再生できる メディアライブラリ機能を備えたプレーヤー Video Station は Synology NAS の動画ファイルをストリーミング再生するためのア […]

Synology NAS のバックアップ
Synology NAS が実装しているデータバックアップ機能の設定方法 Synology NAS には NAS のデータを ローカルストレージ や クラウドストレージにバックアップする Hyper Backup と、ク […]

Synology NAS : 外部デバイスの追加
Synology Diskstation に 外付けHDD を接続して ストレージ容量を追加 使用中の Synology Diskstation にストレージ容量を追加する方法として 最も手軽なのが 外部デバイスの追加で […]

Synology NAS : 外部デバイスの追加
Synology Diskstation に 外付けHDD を接続して ストレージ容量を追加 使用中の Synology Diskstation にストレージ容量を追加する方法として 最も手軽なのが 外部デバイスの追加で […]

ラトックシステム HDDケースのセットアップ
RAID をサポートした 国内メーカーの 2ベイの HDDケース ラトックシステム は 大阪に本社のあるデジタル機器メーカーで、HDDケースのほか PC 切替器 や インターフェイス関連などの製品を開発している。 RS […]

Yottamaster HDDケース FS5RU3 のセットアップ
7 種類の RAID をサポートしたリーズナブルな 5 ベイの HDD ケース Yottamaster は 2009年に設立した 中国深センにあるデジタル機器メーカー ORICO Technologies Co. Ltd […]