Synology NAS:ダイナミックDNSの設定

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ダイナミックDNS

一般的にブロードバンドルーターにはグローバルIPアドレスが動的に割り当てられるため、固定したグローバルIPアドレスが必要な場合は高額な固定 IPサービスや専用回線が必要だったが、ドメイン名に対してグローバル IPアドレスが変更する度にDNSサーバへ登録してアクセスを可能にしたものが DDNS ( 動的ドメインネームシステム)。

DDNS と SSL 証明書の取得

Synology NASでは DSM から DDNSSSL証明書 が取得できる。

 Let’s EncryptR3)は証明書を登録する際にポート 80 を使用するので、ルーターが 80ポートをブロックしている場合は通信許可が必要。

Synology-Diskstation-DDNS-132

DSM の コントロールパネル から 外部アクセス を選択。

Synology Diskstation DDNS-034

DDNSタブの「追加」をクリック。

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サービスプロバイダ のリストから Synology を選択。

Synology Diskstation DDNS-036

ホスト名 に任意のホスト名を入力して、リストからドメインを選択したら「テスト接続」をクリック。

ドメイン名はオンリーワンなので「テスト接続」で ステータスこのホスト名は使用されています。と表示されたら別のホスト名かドメインで再設定。

Synology Diskstation DDNS-046

ステータス正常 であれば サービス利用規約と個人情報に関する方針 を確認し、問題なければ チェックを入れて「OK」。

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無償の SSL証明書を発行する認証局 Let’s Encrypt で 作成したドメインの証明書を取得するので「はい」。

Synology Diskstation DDNS-039

証明書の取得は設定項目などは一切なく、Webサーバが再起動するだけで自動処理される。

Synology Diskstation DDNS-044

コントロールパネル DDNS にドメインが追加されたら完了。

Synology Diskstation DDNS-045

証明書が取得できているか確認する場合は コントロールパネルセキュリティ にある 証明書 タブを開き、作成したドメインを展開すると発行元などが表示される。

ルーターの設定

外部から DDNS でアクセスする場合はダイレクトに Synology NASへ接続することになるので、ルーター側に Synology NAS へ ポートの転送設定 が必要。

ポートの転送 (ポートフォワーディング)はルーターによって ポートフォワーディング設定ポートマッピング設定/ 静的IPマスカレード設定 など表示が異なる。

Synology Diskstation DDNS-043

ルーターのポートフォワーディング設定は使用するサービスごとに個別設定が必要で、httpと httpsでも使用するポートが異なるため、両方使用する場合は各ポート番号を登録。

接続の確認

ルーターのポートフォワーディング設定ができたら外部からの接続が可能か確認。

アクセスする際は取得したドメインにアクセスするサービスのポート番号を付加したアドレスを使用する。

media.diskstation.me のドメインで DSM へ https(ポート番号:5001)でアクセスする場合
media.diskstation.me:5001

Synology Diskstation DDNS-047

同一ネットワーク内からだと通信エラーになるので、スマホやタブレットなどでモバイルネットワークを使用して通信テストをする。

複数台の Synology NASを設置する場合

2台以上の NASを使用して DDNSを取得した場合、外部からのアクセスをルーター が処理する際に、出口(ポート番号)が同じだと優先順位の高いデバイスに接続するため、同じポート番号を使用するとドメインが異なっていても同じ NASに接続する

Synology Diskstation DDNS-080

複数台の Synology NASで DDNSを使用する際は、DSMのように重複して使用するアプリのポート番号を変更し、ルーターのポートフォワーディング設定する。

DSMへのアクセスはデフォルトで httpが 5000/ httpsが 5001のため、2台目の NASで httpsのみ利用する場合 DSMポートの HTTPSで重複しないポート番号を割り当てる。

Synology サービスで使用するネットワーク ポート

hostsファイルの設定

hosts(ホスツ)ファイルは DNSよりも優先される IPアドレスとホスト名の対応リストで、ローカルの Synology NASの IPアドレスを DDNSで取得したホストに対応させることで、ローカルでも DSM へのアクセスが https 接続になる。

DSM 7.x は 自動的に hosts へ書き込みを行うため設定は不要。

ds218j-048

hosts ファイルは CドライブWindows から System32 を開き、drivers の中の etc フォルダ内にある。

503error039

hostsファイルはテキストエディタで開くのだが、直接開くと管理者権限の問題で保存できないので、 一旦デスクトップ にコピーしたものを編集してから上書きする。

ds218j-049

Synology NASの IPアドレスの後に半角を空けてホスト名を入力。

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hostsファイルの設定が完了したらローカルからも HTTPS接続可能になる。

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