Standard Notes for Windows のインストールと使い方

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Standard Notes の特徴

  • 同期・共有・バックアップが無償で利用できるメモアプリ
  • エンドツーエンドで暗号化され、ゼロナレッジのセキュアな環境でノートを保存
  • リッチテキスト・Markdown・コードなどテキストタイプを選択可能
  • バージョン履歴からの復元が可能
  • 作成したノートは編集を禁止できる
  • オープンソースで開発

ゼロナレッジ はユーザー(クライアント)側のデバイスで データの暗号化と復号化を行う方法で、暗号化されたデータがサーバに保存されるため、サービスプロバイダもデータを閲覧することができない。

Standard Notesの暗号化技術はパスワードマネージャーなどにも使用されている XChaCha20暗号化アルゴリズムを使用しているため、パスワードなどの機密情報も保存できる。

開発元

  • 開発元:Standard Notes
  • 開発元の拠点:米国

データが保存されるサーバも米国にある。

ダウンロード

安全性

Standard Notes は第三者機関からセキュリティ監査を受け、監査レポートを公開して透明性と安全性を証明している。

プランの比較

Standard Professional
アクセス可能なデバイス数 無制限 無制限
エンドツーエンドでの暗号化
バックアップファイルのメール送信
利用できるノートタイプ プレーンテキストのみ
バージョン履歴 30日 無制限
添付ファイル(100GBのストレージに暗号化して保存)
タグのネスト(サブタグ)
チェックリスト/ ToDoリストの利用

システム要件

  • バージョン:3.183
  • OS:Windows

サポートしているノートタイプ

  • プレーンテキスト・リッチテキスト・マークダウン記法・チェックリスト・コード・スプレッドシート・Super・Authenticator(2FAの保存)
ノート毎に使用するノートタイプを変更できる。

インストール

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公式サイト の「Dowmload for free」をクリックしてインストーラーをダウンロード。

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インストーラーを起動すると自動的にインストールされ、Standard Notes が起動する。

インストール時にエラー表示される場合

公式サイトからダウンロードするインストーラーはプレリリース版のため、バージョンによってはエラーが発生する場合がある。

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エラー表示されたら Standard Notesをアンインストール。

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GitHub の Standard Notes にアクセスし、右サイドパネルにある ReleasesDesktop をクリック。

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最新の安定版のダウンロードページが開くので、64-bit環境は standard-notes-x.xxx.x-win-x64.exe をダウンロードしてインストールする。

アカウントの作成

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左サイドバー下にある アカウントメニューから Create free account を選択。

完全オフラインで利用する場合アカウントは不要。

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メールアドレス と パスワード を設定して「Next」。

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パスワードに関する注意事項が表示されるので Confirm password にパスワードを再入力して「Create account & sign in」をクリック。

設定したパスワードはパスワード拡張アルゴリズムで強化して暗号化キーとして使用されるため、パスワードを失念すると暗号化されたメモを復号できない

設定

テキストタイプの設定

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ノートリスト の上にあるドロップダウンメニューから NEW NOTE DEFAULTS Note Type で使用するノートタイプを選択。

ノートタイプは ノート単体でも変更可能。

Super は画像の埋め込みをサポートしたテキストタイプ

デフォルトタイトル

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新規ノートのタイトルには日時が表示されるが、ノートリスト の上にあるドロップダウンメニューから NEW NOTE DEFAULTS  Title Format でリストから変更できる。

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Custom format は変数の利用も可能。

使用可能な変数は Options のリンクから確認できる。

自動バックアップ

Standard Notesは暗号化されたバックアップファイルをメールで送信する自動バックアップ機能があり、無料プランでもアカウントにログインしていれば利用できる。

有料版でサポートしていたサードパーティのオンラインストレージに暗号化されたバックアップファイルを保存する機能は、バージョン 3.153.3 で削除された。

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設定 の 左サイドバー から Backups を選択し、Email Backups のリストから バックアップの頻度 を選択。

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設定した頻度で暗号化されたバックアップファイルを添付したメールが送信される。

バックアップファイルからの復元

バックアップファイルからの復元も 設定Backups から行う。

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Data Backups の「Import backup」から復元するバックアップファイルを指定。

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暗号化されたファイルを複合するため、アカウントのパスワードを入力して「Submit」で復元が実行される。

データバックアップとファイルバックアップ

Standard Notesには データバックアップファイルバックアップ があり、作成したノート(データ)のバックアップはデフォルトで有効になっている。

設定の Files Backup は 有料版で利用可能になるファイルをローカルにバックアップする機能。

バックアップの設定は 設定Backups から 有効/ 無効 の切り替えや保存先の編集が可能だが、現バージョンでは保存場所を Cドライブ以外に変更すると正常にバックアップできない。

ワークスペース

ワークスペースは 1 アカウントに対して 1つ作成 でき、複数のワークスペースを切り替えて利用する場合は使用するワークスペースの数だけアカウントが必要になる。

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アカウントメニュー から Switch workspaceAdd another workspace を選択。

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新規ワークスペースが追加されるので、オンラインで使用する場合は新規アカウントを作成してサインイン。

オフラインでの利用

Standard Notes は通信が切断してオフラインになってもデバイスに同期されたメモへのアクセス  と編集は可能で、アカウントを作成せず完全オフラインで暗号化されたメモアプリとして利用することもできる。

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アカウント作成せずオフラインでメモの暗号化を有効にする場合は、設定 から Security にある Passcode Lock の「Add passcode」を選択。

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パスワードを登録して「Set Passcode」。

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次回起動時からパスワードの入力が必要になる。

Standard Notes の使い方

Standard Notes はノートの編集ロックやパスワード設定などの機能を実装しており、無料版でも 30日はバージョン履歴から復元できる。

Standard Notes には印刷機能がないためノートの印刷は不可。

Standard Notes アプリで作成したメモは、パスワード拡張アルゴリズム(Argon2)で強化されたパスワード(アカウントキー)をキー として暗号・復号化されるが、ブラウザからアクセスした場合はアカウントキーが利用できないため、セキュリティの観点からアプリの利用が推奨されている。 

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左サイドバーにメニュー、中央ペインに左サイドバーで選択したメニューの リスト 、 右ペインにリストで選択した ノートの内容 が表示され、ノートの編集は右ペインで行う。

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新規ノートは左サイドバーの Notes を選択し、リスト の「+」で追加。

Files は 最上位の Proプラン で利用できる。

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タイトルやテキストを入力。

無料プランはプレーンテキストのみ利用できるため、文字色やフォントサイズの変更などの書式設定は不可。

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有料プランにアップグレードすると、リッチテキストやマークダウン記法などが利用できる。

利用可能な日本語フォントはデフォルトの Segoe UI・システム UI ・Yahei の 3 書体。

編集禁止・パスワード保護

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ノートの編集を禁止 する場合は ノートを開き、右上の 3 点リーダー から Prevent editing を有効に、ノートの閲覧をパスワードで保護 する場合は Password protect を有効にする。

 Prevent editing を無効にすると編集が可能になる。

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Password protect を有効にするとノートを開く際にパスワードの入力が必要になり、アクセスを許可する(パスワードなしで閲覧できる)時間も指定できる。

Show Preview

ノートの Show Preview を有効にするとノートリストでタイトル下に内容が表示される。

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Show Preview を有効にしたノートは タイトル下にノートの冒頭部分が表示され、無効にするとリストはタイトルと作成日時のみ表示される。

ノートタイプの変更

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ノートタイプを変更 する場合はツールアイコンの Change note type から使用するノートタイプを選択するか、Ctrl + Shfit + / でリストを表示。

Ctrl + Shfit + / は日本語キーボードの / (スラッシュ)では反応しないためテンキーを使用する。

Tags/ Folder

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タグは左サイドバーにある Tags/ Folders の「+」で追加。

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タグの 3 点リーダーから Icon を選択するとタグのアイコンを変更でき、有料プランにアップグレードすると Add subtag が選択可能になり、サブタグは親タグ にネストされるので、タグをフォルダのように使用できる。

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ノートにタグを追加するにはタイトル 下の箇所にタグ名を入力。

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サジェスト機能があるため先頭 1 文字でリストが表示される。

タグは複数追加できる。

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タグ付けされていない(管理から漏れている)ノートは左サイドバー の Untagged で一覧表示できる。

Smart Views – 動的フィルタ

有料プランでは Smart View 構文 をタグ名にするとオリジナルのフィルタを作成できる。

![“フィルタ名”, “検索対象”, “比較演算子”, “値”]

スマート ビューの作成については 公式サイトのヘルプ参照

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新規タグにスマートビューの構文を貼り付ける。

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Views に指定したフィルタ名で追加される。

Notes・Archived・Trash

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Notes に登録されているノートはタグで管理でき、Archived や Trash に移動するとタグ選択時のリストから外れる。

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Archived や Trash への移動はノートの 3 点リーダーから選択するか、ノートリストで移動するノートのコンテキストメニュー(右クリックメニュー)から選択。

  • Archived
    使用しないが 削除できないノートを移動。
  • Trash
    不要なノートを移動。

Trash に移動してもリストのコンテキストメニューから Delete permanentlyEmpty Trash を実行するまでノートは削除されない。

バージョン管理からの復元

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復元するノートを開いて 3 点リーダー から Note history を選択。

無料プランでは 30日、Productivity プランで 1 年、Professional プランは無期限でノートの履歴から復元できる。

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復元するバージョンを選択。

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既存のノート を選択したバージョンに置き換える場合は「Restore version」、選択したバージョンのノートを追加する場合は「Restore as a copy」を選択。

画像・動画・ドキュメントファイル

Standard Notes はノートを暗号化して保存するため、ファイルは別途 暗号化してストレージにアップロードし、ノートにはリンクとして添付する。

ファイルの保存は Professional プランのみ利用でき、テキストタイプで Super を使用すると直接 埋め込むことができる。

リッチテキストの画像・動画挿入アイコンからの埋め込みは未サポート。 

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ノートにファイルを添付する場合は、左サイドバー の Files を選択して「+」から添付するファイルをアップロード。

アップロードしたファイルはノートと同じように暗号化される。

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アップロードしたファイル名をコピー。

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タグと同じ箇所に貼り付けるとファイルが リンクとして添付される。

Standard Notes の購入方法

Standard Notes の有料プランはファイルが保存できない Productivity と、100GBまでファイルを保存できる Professional があり、Professional プランは 5 アカウントまで作成できる。

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 購入ページ からプランを選択。

アクセスしている地域によって割引が適用され、日本では プロフェッショナルが 84ドルで購入可能。

プランは 1年のサブスクリプションタイプで 自動更新が有効になっている。

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既存アカウントをアップグレードする場合は Sign in instead からサインイン、新規アカウントを作成する場合は「Create account」。

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支払い方法はクレジットカードと PayPalが利用できるので、決済情報を入力して決済。

決済は米国の Stripe, Inc が提供している決済プラットフォームで処理され、アクセスしている地域とクレジットカードを発行している国が一致しないと決済できない。

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決済が完了するとウエルカムメールと領収書 が送信され、購入したプランが利用可能になる。

サブスクリプションの共有

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Professional プランは 5アカウントまでサブスクリプションを共有でき、サブスクリプションを購入したアカウントのワークスペースを開き、設定 の左サイドバーから Account を選択して Subscription Sharing の「Invite」をクリック。

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追加するアカウントの メールアドレスを入力して登録。

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追加したアカウント宛にメールが送信されるので、accept the invitation をクリックして招待を受諾するとフル機能が利用可能になる。

サブスクリプションを共有後も追加したワークスペースで機能制限がかかっている場合は、アカウントメニュー から  Sign out workspace で一旦 サインアウトしてから 再度 ワークスペースを追加する。

サブスクリプションのキャンセル

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Web App にログインし、アカウントメニューから Account settings を選択。

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Account メニュー の Subscription から「 Manage subscription」を選択。

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「Cancel subscription」からサブスクリプションをキャンセルする。