4K UHD の基礎知識

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4K UHD の解像度や視聴距離とテレビのスペック

2011年にアナログ放送が終了して地上デジタル放送に移行した際、地デジ対応のテレビへの買い替えが強制され、それからすでに5年以上経過しているので、そろそろテレビも買い換え時期。

タイミングよく2018年12月からBS/CSで4k放送が開始され、2020年には東京五輪があるので、メーカー各社は4Kテレビの特需を狙っていると思われるが、4Kテレビやモニタの商品説明には、UHDや1080p、HDRとかOLEDなど、似たような略語が並んでいて理解するのは大変。



解像度と画素密度

SD(720x480)は地上波のアナログ放送で使用されていたものと同等で、現在でもDVDで使用されている解像度。
現在の地デジ放送の解像度は1440×1080、Blu-rayの解像度がフルHD(1980x1080)なので、4K(3840 x 2160)の解像度はずば抜けて高い。

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なんとなく「高解像度=高画質」とイメージがあるのだが、画質は解像度以外にも輝度やコントラスト比、発色などの要素で左右される。

モニタの解像度はピクセル(点)が1インチ(25.4mm)にいくつ並んでいるか(いくつのピクセルに分割されているか)を基本としたppi(ピクセル・パー・インチ)という単位を使用し、一般的に「解像度」と表記されている「1980 x 1080」は「画素数」のこと。

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解像度の説明箇所では精細さを表すのに上図のようなイメージが使用されるが、これは同一サイズのモニタで異なる画素数を比較した場合のもの。

画素密度の計算式は 「横の画素数 ÷ モニタの横サイズ(インチ)」になるので、アスペクト比が16:9の23インチモニタでHD(1280 x 780)とフルHD(1980 x 1080)を表示した場合の画素密度は次のようになる。

23インチモニタのサイズ :縦11.3インチ x 横20インチ
HD:1280 / 20 = 64ppi
フルHD:1980/20=96ppi

1インチに並ぶ点がHDは64個、フルHDは96個なので、フルHDはHDの1.5倍の領域が表示できることになる。
一般的に液晶モニタは最高解像度が推奨解像度になっていることが多いため、23インチモニタで解像度をHD(1280 x 780)にすると、1.5倍に拡大表示されたようになる。

パソコンのモニタだと数十cmの距離で見るため、Windowsの画素密度は96ppiが標準になっており、96ppiよりも極端に画素密度が高いと表示領域は広くなるが、フォントなどの視認性が著しく低下する。
27インチモニタで解像度を4K(3840 x 2160)にすると、画素密度は163ppiになり、非常に大きな作業領域を得ることができる反面、アイコンなどが小さすぎて実用性を欠いてしまう。
Windows8以降ではディスプレイ設定で表示スケールを拡大(HiDPI表示)が可能なため、スケーリングを行うことで視認性と精細さを得ることができるようになっているものの、HiDPIの対応レベルはアプリによって異なるため、HiDPI非対応や部分対応の場合、スケーリングを行うと文字やアイコンがボヤケてしまうことがある。

ただ、テレビの場合はパソコンのモニタとは少々勝手が異なる。

テレビの視聴距離

昔はテレビを見る時に3mルールがあり、小学校などでテレビを見る時は3m以上離れるよう言われていた。
SD画質のアナログテレビは画素数で表すと640 x 480で、テレビの大きさも20インチ前後だったが、20インチの場合で画素密度は40ppi。
画素密度が低く、当時はブラウン管だったこともあり、視聴距離が近いと画質の粗さが目立つという理由と、近距離で同じ箇所を見続けて発生する偽近視や眼精疲労などの健康面から唱えられたものらしい。
当時のアスペクト比4:3のテレビの場合、縦サイズのおよそ5~7倍が推奨される(きれいに見える)視聴距離のため、20インチで1.5m~2.1m、25インチで1.9m~2.7mになる。
実際、1997年には光過敏性発作を起こしたポケモンショックなどもあるので、子供に至近距離での視聴を注意するのは間違ってはいないのかも。

フルHDや2Kと表記される画素数(1920 x 1080)の液晶テレビの最適視聴距離は、一般的に縦サイズの3倍が目安だと言われており、32型だと1.2m、42型で1.5mという距離になる。
この距離は視力1.0で画面の画素(ピクセル)を認識できる最長距離で、これよりも近いと画素が見える、つまり画質が粗く感じるというボーダーラインになる。
別の言い方をすると「最もテレビに近い画素を感じない距離」で、画面に近いので細かな部分も認識でき、迫力と精細さを最大限に実感できる距離であり、最適視聴距離より視聴位置が伸びるのに比例して、高解像度の持ち味は薄れていく。

これが4Kになると画素密度が更に高くなるため、最適視聴距離は画面の高さの1.5倍になる。

https://www.sony.jp/bravia/tverabi/sp/link

単純にフルHDと比較した場合、43型のテレビだと画素密度はフルHDが51ppiで、4Kは102ppiになるので、理論的にはフルHDの半分の距離が「最もテレビに近い画素を感じない距離」なのだが、映画やドラマだけでなく、ニュースなど様々なコンテンツの視聴を考慮すると、4Kテレビの視聴距離は最適視聴距離より若干長めにしたほうが見やすいかも。

4KとUHD

大抵の4Kテレビには「UHD」もしくは「Ultra HD」という文字が併記されているが、4KにはDCIの規格とITUの規格が存在する。

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4Kは米国の7大映画制作スタジオ「ウォルト・ディズニー、20世紀Fox、メトロ・ゴールドウィン・メイヤー、パラマウント・ピクチャーズ、ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント、ユニバーサルスタジオ、ワーナー・ブラザース」が2002年に設立したDCI(Digital Cinema Initiatives)が策定した規格。
DCIはデジタルシネマの技術仕様と配給・上映方式の標準化の策定を行っており、「2K2D」「2K3D」「4K2D」などの仕様があり、アスペクト比は19:1、2Kの解像度は2048×1080、4Kは4096×2160で、それぞれ横の画素数が約2000と4000あるため、2K・4Kと名付けられている。

一方、無線や電気通信の国際的な標準化を策定している国連の機関であるITU(国際電気通信連合)は、2012年に4Kや8Kのテレビ放送の環境として、解像度3840 x 2160(4K)と7680 x 4320(8K)の「Ultra High Definition Television」を発表。

映像の制作などで「4K」という場合は一般的にDCIの「4K」を意味しており、コンシューマー向け製品などの「4K」はITUの「4K UHDTV」を指している。

解像度と規格

4Kが出回り始めた頃から、4Kに対比させる形でフルHDに「2K」と表示されることが増えた。
前述のとおり、本来の「2K」はDCIが策定した解像度2048×1080を意味しており、ITUにもフルHDを2Kとするような勧告はないのだが、ややこしい事に日本では総務省が解像度1920x1080の放送を「2K」と定義していることから、4Kだけでなく2Kも規格が混在、更にHDTVもITUが1920 x 1080 としているのに対し、国内の規格では垂直解像度720p以上あればHD(ハイビジョン)と表記できるため、規格と通称がカオス化している。

名称解像度垂直解像度
VGA・SDTV640 x 480 / 720 x 480480i
HD1280 x 720720p
HDTV(Full HD/2K)1920 x 1080 1080p/i
2K2048×1080 
4K UHDTV3840 x 21602160p
4K4096×2160 

アップコンバート

4K UHD テレビの解像度は3840 x 2160だが、地デジ放送の解像度は1440×1080なので、地デジを見る場合は4Kの3840 x 2160まで拡大(アップスケーリング)することになる。

普通に拡大すると当然ながら残念な感じになってしまうため、解像度が4Kに満たない地デジやBlu-rayは、各メーカー独自の技術によって4K相当の画質にまで引き上げられる。

UHD Blu-ray

Ultra HD Blu-rayは4k UHDに対応しており、解像度は3840×2160、色深度は10bit、フレームレート60fps、ビデオ・エンコードにH.265を採用、HDRもサポートしている次世代Blu-ray規格で、保護技術はAACS2.0が使用されている。
記録容量も片面2層で50GB、66GB・片面3層で100GBと大容量化しており、B転送速度は従来のBlu-rayが36Mbpsなのに対し、UHD Blu-rayは100Mbpsとなっており、Blu-rayの3倍速を実現している。

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UHD Blu-rayは上位互換はあるものの下位互換ではないので、通常のBlu-rayドライブやBlu-rayプレーヤーでは再生できない。
ただ、UHD Blu-ray専用のプレーヤーは必要だが、再生環境は自動認識されるため、4KテレビやHDRをサポートしていなくてもダウンコンバートされて出力が可能になっている。

現況では4Kテレビの性能と精細さを最大限に発揮できるコンテンツになるものの、レンタルは存在せず、当然ながらBlu-rayよりも割高で、リリースされているタイトルもそれほど多くはない。

PCでの視聴

UHD Blu-rayがもっとも厄介なのはパソコンでの視聴。
UHD Blu-rayにはAACS2.0という新しい保護技術が使用されており、特定の環境下でしか再生できない仕様になっている。

従来のBlu-rayであれば、プレーヤーのAACSキーが有効であることが前提だが、BDドライブとBlu-rayのプレーヤーだけで視聴できるが、UHD Blu-rayはBDドライブとUHD Blu-rayが再生可能なプレーヤーだけでは再生できない。

ハードウェアの条件として、Intelが開発した著作権保護技術 HDCP(High-bandwidth Digital Content Protection)をサポートしたHDMIポートがあるモニタとHDMI2.0のケーブル、UHD BDドライブのほかに、パソコンのCPUが「Intel SGX」をサポートしている Intel 第 7 世代 (Kaby Lake) のCore i5/7 以降、マザーボードも「Intel SGX」をサポートしたGPUを搭載したものが必要になる。

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当然ながらAMDユーザーは蚊帳の外。
対策としてはBDXLをサポートしている特定のBDドライブと、DVDFab Passkey for Blu-rayのライセンスを購入すれば、10,000~20,000円の投資で、モニタやHDMIケーブルの条件もなく、UHD BDを普通にMPCVLCなどフリーのメディアプレーヤーで視聴できるようになる。

HDR10・Dolby Vision

ダイナミックレンジとは「明るさの範囲」のことで、人の目は太陽光で照らされた明るい日中から星明りの夜間まで、幅広いダイナミックレンジを瞳孔を調整して見ているが、従来の映像では再現できるダイナミックレンジが狭く、ダイナミックレンジ外の部分は同じ輝度で表現されるため、明暗の差が大きいシーンでは暗部が黒ベタになったり、明部が白飛びしたりする。

従来のダイナミックレンジはStandard Dynamic Range(スタンダードダイナミックレンジ)と言われるが、SDRのダイナミックレンジを大幅に拡張したものがHigh Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)で、高輝度・高コントラストによりSDRの100倍もの明るさを表現できるようになった。

ITUで勧告されたHDRの国際規格には「Hybrid Log-Gamma」と「Perceptual Quantizer」の2種類があり、「HLG」は放送用に使用されるHDRで、「PQ」はDolby Visionで採用されている規格になり、色深度をDolby Visionの12bitから10bitにしたものが「HDR10」、更にHDR10を拡張したものが「HDR10+」になる。

UHD Blu-rayでは「HDR10」が採用されており、「Dolby Vision」はオプション扱いになっている。
4Kテレビで「HDR」と表記がある場合は「HDR10」「HDR10+」をサポートしており、「Dolby Vision」はLG電子など一部のメーカーがサポートしているのみ。
また、HDRに対応した衛星放送を視聴する場合は、「HLG」をサポートしている必要がある。

HDRは画質が画期的に向上する仕様なので、実装されていることに越したことはないのだが、HDRで指定されている輝度はハードウェアで再現できる限界を超えている場合があり、ハードウェア側で画質を調整するトーンマッピングという処理が行われるため、トーンマッピングの処理技術やモニタの最大輝度やコントラスト比などでによって表示される画質は大きく変わってくる。

有機EL(OLED)とLED液晶

4K UHDテレビのハイエンドモデルで使用されているのが有機EL(OLED)。
有機ELは発光現象、OLEDが有機ELを利用した有機発光ダイオードのことで、テレビやモニタに表記される「有機EL」と「OLED」は同じ意味。

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有機EL(OLED)ディスプレイでは、画素ごとに発光素子があるため、色の再現性やコントラスト比が高く、応答反応も高いという特徴があり、4K UHDテレビでHDRサポートする場合には最適なのだが、55型で15万円~とお安くはない。

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輝度とコントラストを向上させるため、LED液晶で採用されているのが「直下型」。
通常のLED液晶は「エッジ型」と呼ばれるもので、画面の上下もしくは左右にLEDバックライトが配置されているのに対し、「直下型」は液晶パネルの後ろにLEDを配置しているのが特徴。
エッジ型に比べ輝度が高く、更にバックライトが部分駆動をサポートしていると高コントラストが得られるという特徴がある。

IPS方式・VA方式

液晶ディスプレイにはIPS方式とVA方式があり、それぞれ動作の違いによりIPS方式は広視野角、VA方式は高コントラストがポイントで、一概にどちらが優れているというわけでもない。
同じIPS方式の液晶ディスプレイでも、メーカーによって色の表現が違っているので、最終的に画質の善し悪しは個人の好みになってしまう。

ただ、テレビを見る際に、定位置ではなく様々な場所から違った角度で視聴するならIPS方式が良いかも。

4Kのコンテンツ

4Kで放送されているのはBSやスカパーなど一部の衛星放送、AmazonプライムやNetflix(プレミアムプランのみ)など一部の動画ストリーミングサービスで、すべて有料放送になり、衛星放送の視聴には4K専用のチューナーのほか、視聴する番組によってはアンテナ等の交換も必要になってくる。
また、AmazonプライムやNetflixで4K UHDを視聴するためには、15Mbps~25Mbpsの安定した通信速度が視聴条件になっている。

地デジはいまのところ4Kになる予定がないため、4K テレビで地デジを視聴する際はアップコンバートされる。
地デジ(1440x1080)やBlu-ray(1920 x 1080 )であれば、4K(3840 x 2160)へのアップコンバートもそれなりのクオリティで実現できるものの、さすがにDVD(720x480)のアップコンバートは相当に無理がある。
そのため「地デジしか見ない」「DVDを見ることが多い」場合は、4Kテレビよりもフルハイビジョンのほうが実用的かも。

ネットでは4Kテレビを推している記事をよく見かけるが、一番大事なことは「テレビで何を視聴するのか」だったりする。





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