Audacity のインストールと使い方

Audacity-3.2-icon

Audacity の特徴

  • 無料で利用できる波形編集タイプの多機能オーディオエディタ
  • 音声ファイルの編集・音量・音質の変更・エフェクトの適用・録音などができる
  • オープンソースで開発

開発元

  • 開発ベンダー:MuseGroup
  • 開発ベンダーの拠点:キプロス

MuseGroupは UltimateGuitarのコミュニティが 2021年 4月に設立したキプロスに本社を置く企業で、2021年 5月に AudaCityを買収。

AudaCityのプロダクトオーナーは、 買収後も AudaCityは従来どおりオープンソースのまま、すべての機能が無料で利用できると公表している。

ダウンロード

システム要件

  • バージョン:3.3.3
  • OS:Windows 10/ 11
  • CPU: SSE2をサポートした 1GHz以上のプロセッサ(2GHz 以上 推奨)
  • RAM:2 GB以上(4 GB 以上 推奨)

サポートしているファイル形式

  • 取り込み可能なファイル
    WAV, AIFF, Ogg Vorbis, FLAC, MP2, MP3
FFmpeg をインストールしている場合は AC3, M4A, WMAや、AVI, MP4などのビデオファイルからの音声取り込みも可能。
CD 音源を直接 Audacity に取り込むことはできない。

CD 音源を編集する場合は ACDR Music Bee などで MP3や WAV ファイルに変換し、変換したファイルをAudacityで編集する

インストール

Audacity 3.4 020

公式サイト から使用しているパソコンの環境に合った installer 版の「DOWMLOAD.exe」をクリックしてインストーラーをダウンロード。

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ダウンロードしたインストーラーを起動し、ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されたら「はい」で許可。

Audacity 3.3 002

セットアップに使用する言語を選択して「OK」。

Audacity 3.4 022

セットアップウィザードが開始するので「次へ」。

Audacity 3.3 004

Audacityのライセンスについて表示されるので確認して「次へ」。

Audacity 3.3 005

インストール先を確認して「次へ」。

Audacity 3.3 006

デスクトップにアイコンを作成したくない時はチェックを外して「次へ」。

Audacity 3.3 007

設定を確認して「インストール」。

AudaCity-024

セットアップが終了したら「完了」。

AudaCity-027

アプリケーションの更新に関するダイアログが表示されるので「OK」。

Audacity 3.4 023

Audacityが起動して ウエルカム画面が開くので、次回起動時からウエルカム画面をスキップする場合は 次回からは起動時に表示しない にチェックを入れて「OK」で閉じ、Audacityも終了する。

FFMpeg のインストール

取り込み可能なファイルフォーマットを拡張するため FFMpeg をインストールする。

高音質で定評のある MP3 エンコーダー LAME は Audacityにビルトインされている。

AudaCity-031

64 bit FFmpeg Library Download ページ から FFmpeg v2.2.2 INSTALLER (.EXE) をクリックしてインストーラーをダウンロード。

AudaCity-032

ダウンロードしたインストーラーを起動し、ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されたら「はい」で許可。

AudaCity-033

使用許諾書に問題なければ I accept the agreement をチェックして「Next」。

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インストール先を確認して「次へ」。

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「Install」をクリックしてインストールを実行。

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「Finish」でセットアップウィザードを閉じる。

Audacity 3.3 009

Audacity 3.3 010

Audacityを起動してメニューバーの 編集 から 環境設定 を選択。

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左サイドパネルの ライブラリ を選択し、FFmpegインポート/ エクスポートライブラリ にある FFmpeg ライブラリバージョン が表示されていることを確認。

ライブラリが未インストールの場合は FFmpegライブラリバージョンFFmpegライブラリが見つかりません と表示される。

テーマの変更

テーマを変更は 環境設定インターフェイス で設定する。

AudaCity-039-1

左サイドパネルの インターフェイス を選択して テーマ で変更。

Audacity の使い方

Audacity 3.3 012

ファイルの取り込みは Audacityにファイルをドラッグ するか、メニューバーの ファイル から 取り込み音声の取り込み で 音声ファイルを指定。

同時に複数の音声ファイルを取り込むことも可能。

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ステレオの場合は 左チャンネル(上)と 右チャンネル(下)の波形が表示される。

音声の波形は 縦軸が 振幅、横軸が 時間 を表し、波形 の 濃い部分は 最大値、薄い部分が 平均値 。

振幅 はデフォルトでゼロを中心に-1.0~ +1.0の範囲で表示され、波形が +/- 1 に近いほど音が大きく、ゼロに近いほど小さくなる。

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波形の時間軸は 表示拡大率 で拡大縮小できる。

初期表示は 1目盛 25秒になっているが、拡大することで 1目盛を 0.5 秒以下にすることも可能。

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振幅 の範囲は振幅の目盛り部分でコンテキストメニュー(右クリックメニュー)を展開して 拡大/ 縮小 で変更できる。

拡大をリセット でデフォルト表示に戻る。

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時間軸の目盛りをクリックするとクリックした箇所から再生される。

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音量はパラメーターで確認できる。

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波形上でドラッグすると範囲が選択された状態になり、始点・終点は後から変更できる。

波形全体を選択する場合は Ctrl + A 。

プロジェクトの保存

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編集中の作業状態は Ctrl + S か、ファイル から 保存保存 で AudaCityのプロジェクトファイル .aup3 で保存する。

Audacityは元データを編集する作業が多く、編集結果によっては幾度もやり直しが必要になるため、編集が成功した時点でのこまめな保存を推奨。

選択範囲の削除

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選択した部分を削除する場合は Ctrl + K か 編集 から 削除 で選択範囲がカットされ尺が短くなる。

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尺を短くせずに選択範囲の削除/ 切り取りを行う場合は、編集特殊な削除 から 分割して削除/ 分割して切り取り、選択範囲を無音にする場合は 音声の無音化、選択範囲 以外を削除する場合は トリミング を選択。

音量の調整

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Audacity 3.3 021

録音レベルの低い音声ファイルの音量を上げるなどの調整は、エフェクト音量と圧縮 から ノーマライズ 増幅 を使用する。

  • ノーマライズ(音量正規化)
    波形の振りが全体的に小さい場合に有効で、選択範囲の音量を正規化する。
  • 増幅
    指定した範囲の振りを増大/ 減少させる。

Audacity 3.3 032

ノーマライズ をデフォルト値で実行して効果がない場合は、最大振幅をノーマライズ の値を -2.0 db に設定して実行。

ノーマライズ は一箇所でも振りが大きな箇所があれば、その部分が最大値に設定されるため正規化を行なっても思ったように音量を上げることはできない。

Audacity 3.3 033

増幅 はスライダーで調整するか数値を入力する。

クリッピングを可能にする にチェックを入れると音割れを許容した増幅も可能になる。

一部分に振りの大きな箇所がある波形の場合は、その箇所を選択して 増幅 のスライダーをマイナス調整し、他の部分と同程度の振りになるよう調整してから ノーマライズ を実行すると、全体的に増幅されるので、結果として音量を上げることができる。

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ノーマライズ 増幅 での調整で期待通りに音量が上がらない場合は、音声データを再生して波形の左にある ゲイン調整 のスライダーを動かし、パラメーターを確認しながら調整する。

ゲイン調整のスライダーをダブルクリックすると別ウインドウで微調整が行える。

ゲイン調整はクリップ(音割れ)を起こしやすいので要注意。

エンベローブ

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エンベロープは波形の最大値を結んだ曲線で、ツールバー から エンベロープ を選択すると波形をドラッグで変化させることが可能になる。

カーソルを波形の任意の箇所でクリックすると一つのポイントを作ることができ、波形を部分的に変化させることができる。

ステレオトラックの分離

ステレオの音声ファイルは デフォルトで 左右同時編集になるが、左右個別に編集する場合は分離することができる。

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波形の左にある ファイルタイトル をクリックし、左右を分割する場合は ステレオトラックを分離 を選択、ステレオからモノラルへ を選択すると ステレオをモノラルにできる。

分離したトラックの片方だけを削除する場合は、削除するトラックをクリックして トラック から トラックの削除

フェードイン・フェードアウト

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フェードイン・フェードアウトはフェードする範囲を指定し、エフェクト フェード から フェードイン/ フェードアウト を選択。

フェードの長さは選択範囲で調整。

ノイズの除去

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ノイズを除去する場合は Audacityにノイズを認識させるため、音声データの 無音部分 を選択し、 エフェクトノイズ除去と修復 から ノイズの低減 を選択。

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ノイズの低減 の設定画面で「ノイズプロファイルの取得」をクリックすると画面が閉じるので、再度 エフェクト から ノイズの低減 を選択し「OK」をクリック。

数値に関してはデフォルトでテストし、納得できる仕上がりになるまで数値を変更して模索することになる。

ボーカル部分を除去してカラオケにできる ボーカルの低減と分離 のエフェクトも実装している。

エクスポート – 書き出し

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編集が完了したら ファイルエクスポート から出力するファイル形式を選択。

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選択したファイル形式に応じた設定項目が表示されるので、ビットレートなどを設定して「保存」。

ファイルの種類ファイル形式 を変更でき、FFmpeg をインストールしている場合は AC3や AACなども選択できる。

録音

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録音オーディオ設定 で使用する 録音デバイス と 録音チャンネル を設定する。

ホスト はデフォルト設定が MME(Multi Media Extension)になっているので、すべてのオーディオデバイスと互換性がある。
  • MME
    Windows に搭載されている 音声・動画を取り扱うドライバ。
  • Windows Directsound
    DirectX の音声の入出力を扱う部分で、MME よりレイテンシが低い。
  • WASAPI
    Vista から実装されたオーディオ API で、ループバック録音に適している。

レイテンシ は要求に対して返答が来るまでの遅延時間のことで、レイテンシが低いほど処理が早い。

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録音デバイスを設定したらマイクアイコンをクリックして モニターを開始

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マイクが正常に動作していれば録音レベルが確認できる。

録音は 0 dbが最大レベルになっており、録音時の信号レベルが 0 dbを超えるとクリップ(音割れ)するため、信号レベルの最大値が 0 db以下に収まるよう調整が必要。

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マイク入力のボリュームはマイクアイコンのスライダーで調整。

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録音ボタンを押すと録音が開始し、録音中は再生した音源に合わせて波形が表示される。

録音後にカット編集が可能なので、録音ボタンを押してから録音する音源を再生する。

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録音が完了したら停止ボタンを押して保存する部分を範囲選択後、ファイルエクスポート から 選択オーディオをエクスポートを選択して出力。

部分選択せずに音声全体を書き出す場合は、ファイルエクスポート でファイル形式を MP3, WAV, OGG から選択するか、オーディオをエクスポート を選択。

ループバック録音

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ループバック録音 は使用する HostWindows WASAPI に変更し、Recording Device で スピーカー を選択して録音する。

ループバック録音はパソコンで再生している音声を録音することで、メディアプレイヤーで再生している音声や YouTubeなど動画再生時の音声録音ができる。

無音ファイルの作成

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Audacity 3.3 029

無音ファイルの作成は、メニューバーの 生成 から 無音 を選択。

Audacity 3.3 031

作成する無音ファイルの時間を設定し、任意のファイルフォーマットで出力する。

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