Windows が実装している バックアップ機能の違いと設定方法
Windows は 不測の事態に備え、システム や ユーザーファイルをロールバックできる 実用的なバックアップ機能 と 不具合を解消する 修復 や 初期化の機能を実装している。
Microsoft サポート : Windows の回復オプション
index
システムの復元
復元ポイントを利用して過去の状態に ロールバック する。
バックアップと復元
システムのイメージファイルとユーザーファイルをバックアップする。
バックアップ
ファイルの変更履歴を保存して ユーザーデータを 過去の状態にロールバックする。
OneDrive
指定したフォルダ / ファイル をオンラインストレージにバックアップする。
アプリの一覧
Microsoft ストア からインストールしたアプリ を記憶して 復元。
自分の設定
パスワード や Windows の設定を クラウド上に保存して デバイス間で同期が可能。
システム修復ディスク・回復ドライブ
Windows に不具合が生じて起動しない場合に システムの復元ポイント や システムイメージ からリストアする。
イメージファイルはドライブ や フォルダ などの構造を保ったまま 1 つのファイルとして アーカイブ ( 保存 ) するもので、復元する場合には 専用のツールが必要になる。
システムの復元
システムの復元 は Windowsアップデート や アプリ/ ドライバ のインストールなど システムに大きな変更が加えられる際に 復元可能なポイントを作成する機能で、プログラムのアップデート や インストールで システムが不安定になった場合に 加えられた変更を元の状態に戻すことができる。
システムの保護 を有効にする場合は 設定 の システム から Windows 11 は バージョン情報、Windows 10 は 詳細情報 を選択して、関連リンク ( 関連設定 ) にある システムの保護 をクリックして システムのプロパティを開く。
保護設定 が 無効になっているので 保護 ( 監視 ) するドライブ ( 通常は C ドライブ )を選択して「 構成 」をクリック。
設定の復元 で システムの保護を有効にする にチェックを入れる。
ディスク領域の使用量 で 復元ポイントで使用するディスク領域 を設定後「 OK 」で確定。
復元ポイントの作成
システムの保護 を 有効にすると 対象のドライブでシステムに変更が加えられる際、自動的に 復元ポイント が作成される。
復元ポイントを 手動で作成する場合は システムのプロパティの システム保護 タブ にある「 作成 」をクリック。
作成する復元ポイント の名前を 入力して「 作成 」で実行。
復元ポイントの削除
作成された 復元ポイントは ディスク領域の使用量 で設定した容量内で 古い復元ポイント が削除され、新しい復元ポイントを追加していく。
復元
復元ポイント からの 復元 は システムのプロパティ にある システムの復元 から 実行すると、環境によっては セキュリティソフトなどの影響で 復元に失敗するため、システム回復オプション から実行する。
Windows 11 は 設定 の システム から 回復 を選択して PC の起動をカスタマイズする の「 今すぐ再起動 」。
Windows 10 は 設定 の 更新とセキュリティ から 回復 を選択して PC の起動をカスタマイズする の「 今すぐ再起動 」をクリック。
再起動すると システム回復オプションの選択 画面になるので トラブルシューティング を選択。
詳細オプション を選択。
システムの復元 を選択。
セットアップウィザードが開始するので「 次へ 」。
復元する システムのポイントを選択して「 影響を受けるプログラムの検出 」で 削除されるプログラム / ドライバ と 復元されるプログラム/ ドライバ を確認して「 次へ 」。
「 完了 」をクリック。
ダイアログが表示されるので「 はい 」で復元を実行。
復元が終了したら「 再起動 」で 完了。
バックアップと復元 ( Windows 7 )
バックアップと復元 ( Windows 7 ) は Windows やインストールされたアプリなど 現在の システムイメージ と 任意の ユーザーファイル のバックアップを 設定したスケジュールで実行する Windows 7 で実装されていた機能。
バックアップの設定は コントロールパネル の システムとセキュリティ から バックアップと復元 ( Windows 7 ) を選択して バックアップの設定 をクリック。
バックアップファイルの保存先を指定。
バックアップの対象を指定するため 自分で選択する に変更。
デフォルトでは ライブラリ がバックアップの対象になっているので、その他に バックアップするフォルダを指定する。
システムイメージ のバックアップ は 有効になっているので デフォルト設定で「 次へ 」。
スケジュール で バックアップを実行する タイミングを設定後「 設定を保存してバックアップを実行 」でバックアップ処理が開始する。
スケジュールが不要な場合は 左サイドバー の スケジュールを無効にする をクリックすると 手動に切り替わる。
設定の削除
バックアップと復元 ( Windows 7 ) は スケジュールの停止は可能だが 設定自体を削除する機能はなく、未設定の状態に戻す場合は レジストリの編集が必要になる。
ファイル名を指定して実行 ( WIN + R ) を開き regedit と入力して レジストリエディタを起動。
ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「 はい 」で許可。
アドレスバーに下記の アドレス を入力して WindowsBackup を開く。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\WindowsBackup
WindowsBackup内にある DisableMonitoring・ValidConfig・WindowsBackupVersion を選択して コンテキストメニュー ( 右クリックメニュー ) から 削除 。
ダイアログが表示されるので「 はい 」で実行。
WindowsBackupフォルダにネストされている ScheduleParams・Security・Status フォルダ も削除し、、レジストリエディタを閉じると バックアップが 未設定の状態に戻る。
システムイメージの作成
システムを特定の状態に復元する場合は システムイメージの作成でシステムイメージ のみ作成する。
システムイメージを作成する場合は バックアップと復元 ( Windows 7 ) の左サイドバーから システム イメージの作成 をクリック。
バックアップファイルの保存先を ハードディスク・光学ドライブ・ネットワークの場所上 から、Cドライブの使用量と同サイズ以上の空きスペースがあるストレージ を指定。
デフォルトで Windows がインストールされている C ドライブほか システムが使用する ドライブが選択されているので、通常は デフォルト設定で「 次へ 」。
バックアップファイルが使用するディスク容量が表示されるので、確認して「 バックアップの開始 」で処理を実行。
バックアップ完了後 システム修復ディスク作成 の ダイアログが表示され、「 はい 」を選択すると システム修復ディスク作成 のウィザードが開始する。
復元
バックアップと復元 ( Windows 7 ) の 復元 は システムイメージ と ユーザーデータ で 復元方法が異なる。
ユーザーデータ
ユーザーデータのバックアップは バージョン管理されているので、バックアップファイルの日付を指定してロールバックする。
ユーザーデータの復元は コントロールパネル の システムとセキュリティ から バックアップと復元 ( Windows 7 ) を選択して 復元 の「 ファイルの復元 」をクリック。
デフォルトでは 最新のバックアップファイルからロールバックされるので、古いバックアップファイルから復元する場合は 別の日付を選択 から指定。
ファイル単体を復元する場合は「 ファイルの参照 」、フォルダ単位で復元する場合は「 フォルダを参照 」をクリックすると バックアップフォルダが表示されるので、復元するファイル / フォルダを指定して「 次へ 」。
復元する場所を指定して「 復元 」で処理を実行。
システムイメージ
システムイメージの回復は システム回復オプション から実行する。
Windows 11 は 設定 の システム から 回復 を選択して PC の起動をカスタマイズする の「 今すぐ再起動 」、Windows 10 は 設定 の 更新とセキュリティ から 回復 を選択して PC の起動をカスタマイズする の「 今すぐ再起動 」をクリック。
再起動すると システム回復オプションの選択 画面になるので トラブルシューティング を選択。
詳細オプション を選択。
その他の修復オプションを表示 をクリック。
ローカルドライブ にバックアップファイルが保存されている場合は 最新のイメージ を自動的に認識するので「 次へ 」。
イメージファイルが ネットワーク上に保存されている場合は「 詳細設定 」からアクセスして イメジーファイルを指定。
バックアップイメージと同じドライブに復元するため 他の復元方法 は「 次へ 」でスキップ。
ダイアログが表示されるので「 はい 」で 処理を実行。
復元が終了したら「 再起動 」で 完了。
バックアップ
Windows 10 / 11 の バックアップ は ユーザーファイルの変更履歴 を保存し、指定した時点のファイルへロールバックできる。
Windows 10
Windows 10 の バックアップ は バックアップ対象フォルダの選択が可能で、設定 の 更新とセキュリティ にある バックアップ から設定する。
バックアップ の設定画面を開き ドライブの追加 をクリックして リストからバックアップファイルを保存するドライブを選択。
その他のオプション をクリック。
バックアップを実行する間隔 と バックアップファイルの保持期間 を設定。
バックアップ対象のフォルダー の フォルダーの追加 から バックアップする フォルダを追加し、デフォルトでバックアップの対象になっているフォルダは「 取り出し 」で対象から除外できる。
バックアップ先のディスクを変更する場合は 別のドライブにバックアップ の「 ドライブの使用を停止 」をクリックし、バックアップの保存ドライブ選択から設定し直すことができる。
バックアップの設定ができたら「 今すぐバックアップ 」で初回バックアップを実行。
Windows 11
Windows 11 は 設定 から バックアップ の項目が削除され、バックアップの対象フォルダが 変更できないなど 機能が 改悪されている。
Windows 11 で ファイル履歴のバックアップを有効にする場合は コントロールパネル の システムとセキュリティ から ファイル履歴 を選択。
バックアップ先のドライブは 自動で選択されているので、変更する場合は 左サイドバーの ドライブの選択 から保存先ドライブを指定。
バックアップを実行する間隔 と バックアップファイルの保持期間 は 詳細設定 で編集。
バックアップは C ドライブの ユーザーフォルダが対象で、除外するフォルダー では ライブラリ の カメラロール・ドキュメント・ピクチャ・ビデオ・ミュージック・保存済みの写真 を追加して バックアップの対象から除外できる。
設定ができたら「 オンにする 」で 初回バックアップが実行され、以降は 設定した間隔で差分バックアップが実行される。
FileHistory フォルダを削除した場合
バックアップの設定後に 作成された FileHistory フォルダを削除すると バックアップ先に指定していたドライブを見失い エラーが発生する。
ドライブが 不明なエラー になり 定期的に ドライブの再接続に関する通知 が表示されるようになる。
エラーを解消するには 別のドライブを選択します から バックアップ先を変更する。
変更するバックアップ先がない場合は ファイルエクスプローラ のアドレスバーに下記のアドレスを入力し、フォルダ内にある FileHistory フォルダを削除する。
C:\Users\micro\AppData\Local\Microsoft\Windows
復元
ファイル履歴からの復元は Windows 10 / 11 ともに コントロールパネル の ファイル履歴 から実行する。
コントロールパネル の システムとセキュリティ から ファイル履歴 を開き、左サイドバーの 個人ファイルの復元 をクリック。
保存されているファイル履歴が表示されるので |◀▶| で任意の日付に移動して 復元するファイルを選択後 回転矢印のアイコンで復元する。
OneDrive
OneDrive のバックアップ機能は デスクトップ・ドキュメント・写真 フォルダを OneDrive フォルダ内に 移動して オンラインストレージと同期し、同期したファイルは バージョン履歴 からロールバックが可能になる。

ウェブ版 OneDrive の使い方
アルバム機能を実装している Windows標準 の オンラインストレージサービス OneDrive は Microsoft が提供しているオンラインストレージサービスで、Windows 8.1 以降は Windows に […]
複数デバイスで バックアップを実行すると すべてのデバイスで「 同期 」されてしまうため、バックアップ設定した デバイスの デスクトップ や ドキュメントフォルダ の データが混在 した ( 統合された ) 状態になる。
アプリの一覧/ 自分の設定
アプリの一覧 と 自分の設定 は Microsoft アカウント に紐付けされた データで、オフラインアカウント使用時には 利用できない。
Windows 11 は 設定 の アカウント にある Windows バックアップ で 同期の オン/ オフ 切替ができる。
Windows 10 は 設定 の アカウント にある 設定の同期 で オン/ オフ 切替ができる。
アプリの一覧
Microsoft ストア からインストールした アプリは Microsoft ストア の ライブラリに登録され、同じ Microsoft アカウントを使用すれば Microsoft ストア の ライブラリから アプリをインストールできる。
自分の設定
自分の設定 は 言語設定 や 一部の Windows の設定 が同期される。
システム修復ディスク/ 回復ドライブ
システム修復ディスク は CD / DVD を使用した起動ディスク、回復ドライブ は USB メモリを使用した 起動ドライブで、 Windows に不具合が生じて起動しない場合に PC に 保存されている システムの復元ポイント や システムイメージ にアクセスして リストアを実行できる。
システム修復ディスク / 回復ドライブ から起動すると システム回復オプションが開く。
システム修復ディスクの作成
起動ディスクに含まれるデータサイズは 200 MB 以下で、システム修復ディスク で 利用できるメディアは CD / DVD のみ。
システム修復ディスク は コントロールパネル の システムとセキュリティ から バックアップと復元 ( Windows 7 ) を選択して システム修復ディスクの作成 をクリック。
ブランクディスク をドライブにセットして「 ディスク作成 」で書き込みが開始する。
回復ドライブの作成
回復ドライブは システム修復ディスク を拡張したもので システム修復ディスク に含まれる機能のほか Windows の再インストールが可能になっている。
回復ドライブの作成は コントロールパネル の システムとセキュリティ にある セキュリティとメンテナンス を開き 回復 をクリックし、ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「 はい 」で許可。
システムファイルを回復ドライブにバックアップします。 にチェックを入れて「 次へ 」。
回復ドライブの作成 をクリックすると セットアップウィザードが開始する。
使用する USB メモリ に保存されているデータが削除され、システムファイル を含んだ 修復ドライブが作成される。
関連記事

Windows 11 のカスタマイズ
変更された Windows 11 の UI を使い慣れた クラシックスタイルに カスタマイズ Microsoft は Windows 8 で総スカンを食らった UI の大幅な変更を Windows 11 で再び実施した。 […]

Windows 10/ 11 の クイック起動の表示方法
Windows 7 から 非表示になった クイック起動 ( クイックランチ ) の表示方法 クイック起動 ( クイックランチ ) は Windows Vista まで タスクバーに表示できた Windows が実装してい […]

Windows 10/ 11 のライセンス移行
Windows 10/ 11 搭載パソコンのハードウェア換装後の ライセンス認証 Windows 7/ 8 から 無償アップグレードした Windows 10 は 汎用プロダクトキー が使用され、アップグレード時に パソ […]

Windows 10 / 11 の セーフモード 起動方法
Windows 10 / 11 のセーフモード起動方法 と アクセス拒否で削除できないフォルダの削除 Windows 8 から 高速起動が導入されたため 従来の起動時に F8 キーの連打では セーフモード の選択画面は表 […]

Windows10/ Windows11 の Wake On Lan (WOL)設定
遠隔操作で Windows を起動させるための Wake On LAN 設定 Wake On LAN (WOL)は ネットワークアダプタ ( NIC ) が実装している機能で、マジックパケットと呼ばれる信号を NIC に […]