Defragglerのインストールと使い方


Windowsに標準で実装されているハードディスクの断片化を解消する「デフラグ」の定番代替アプリが、「CCleaner」と同じ英国の「Piriform」が開発している「Defraggler(デフラグラー)」。

大きな特徴としては、Windowsと同じ保護技術を使用してでファイルを移動するのでファイルの破損や消失がなく、パフォーマンスが低下したSSDに効果的な「空き領域」の最適化、ファイルやフォルダ単位での断片化解消など、Windowsが実装しているデフラグの機能拡張版といえるユニークなユーティリティソフト。

HDDとSSDのフラグメンテーション(断片化)

現在のPCでは補助記憶装置にSSDもしくはHDDが使用されており、SSD(Solid State Drive)とHDD(Hard Disc Drive)では、構造そのものが異なるため、HDD用のデフラグはSSDで役に立たない。

HDDではデータの書き込みと削除を繰り返すことで、データのフラグメンテーション(断片化)が発生する。

HDDは回転している円盤の上をレコードの針のようなもの(ヘッド)が行き来してデータの読み書きを行っており、データの断片化が進むと、データを読み書きするため円盤の回転数とヘッドの移動量が大幅に増加するため、結果として遅延が発生してしまうだけでなく、ハード ディスクの物理的な故障の原因にもなりかねない。

デフラグとは、発生したフラグメンテーションを解消するという「Defragmenter」の略称で、連続したデータに置き換える作業を意味し、HDDの場合は定期的なデフラグは処理速度の改善に効果がある。

一方、SSDの場合はHDDのように物理的な針などがなく、ランダムアクセスが可能なため、データが断片化していてもアクセス速度に影響がない反面、SSDのデータを記憶する「セル」には書き込み回数に上限があり、32GBで数万円していた頃には「数年で使用できなくなる」とまことしやかに言われていたほど。
ただ、それも過去の話で、いまでは寿命を伸ばすため、同一セルへの書き込みを回避し、平均的にセルが使用されるよう処理が行われており、一般的な使用で書込上限に達することはないと思って差し支えない。

ランダムアクセスが可能なSSDには「デフラグが不要」というのも、「SSDは短命」説と同時期に広まったのだが、確かにHDDと同じようなフラグメンテーションの解消作業は必要ないだけでなく、無駄にセルの書き込み回数を増やすだけなので、デメリットしか無い。
ただ、SSDはHDDにある「上書き」という処理ができず、書き込みしたい領域に消去可能なデータがあると、一旦データを消去してから書き込みを行うため、SSDのパフォーマンスを維持するには、「空白の領域」が必要になる。

PCでゴミ箱を空にしても、見た目に削除されているだけで、「削除されたデータ」として記憶領域に保存されており、HDDの場合は「上書き」してデータを更新していくのだが、SSDは「消去→書込」と2テイク必要で、使用期間が長いと必然的にパフォーマンスが低下していたのだが、これもWindows Vista以前の話であって、Windows7以降にはTRIMという、削除されたデータを事前に消去する機能が実装され、Vista以前のOSで発生していたパフォーマンスの低下は大幅に軽減されている。

デフラグ実行時の注意点

ファイルの断片化が進めばシステムやHDDの負荷が増大するのだが、デフラグ作業も点在しているファイルを一つにまとめ、それを再配置 していくわけなので、ハードディスクに連続的な読み込みと書込が実行され、大きな負荷がかかることになる。

このデフラグに因る負荷は、健全な状態のディスクなら問題ないが、ディスクが劣化していれば致命的な損傷を与えかねない。
怪我と病気で処置が異なるように、ハードディスクの不具合にも外科と内科、つまり物理的な損傷と内部的な問題があり、デフラグは内科に属するハードな治療になる。怪我をしているのに腹の中をいじくり回されたら、治るどころの話ではない。

プラッタ(磁気ディスク)という円盤部分をモーターで回転させ、磁気ヘッドがプラッタ上を往復することでデータの読み書きを行うハードディスクの構造は、プラッタや磁気ディスクが物理的に損傷する可能性があり、その確率は使用頻度により変化してくる。

経年劣化による異常を事前に察知するため、ハードディスクには通称スマー ト、S.M.R.A.T(Self-Monitoring, Analysis and Reporting Technology) と呼ばれる自己診断機能が搭載されており、ハードディスクの劣化が「しきい値」(その値を境にして異常や問題が発生する可能性が高くなる値)を超えると警告を発するようになっており、SMARTの情報はCrystal DiskInfoで確認できる。

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HDDの健康状態が低下している場合、デフラグを実行することで寿命を縮めてしまう可能性もあるため、過度なデフラグは避けたほうが無難。

デフラグの実行については諸説紛々しているが、Piriformでは1ヶ月に1回にの実行を推奨している。

システム要件

バージョン2.22現在

OS:Windows XP / Vista / 7 / 8 / 8.1 /10(32&64bit)

ソフトの入手先

Defraggler公式ダウンロードページ



Defragglerのインストール

Defragglerをダウンロードする際、CCleanerがインストールされていない環境では、ESETなど一部のセキュリティソフトで「win32/bundled.toolbar.google.D」が検出されるようになった。

ESETで検出される「win32/bundled.toolbar.google.D」は、無関係な他のアプリを同時にインストールするようなインストーラーで検出されるもの。
ネットで検索すると「トロイの木馬」だとか「リモート操作される」と不安を煽り、セキュリティソフトのインストールを勧めているサイトが多数ヒットするが、そのほとんどが「Solvusoft」などのマルウェアなので要注意。

Defragglerのインストーラーには「CCleaner」がバンドルされており、デフォルト設定でインストールを実行すると、CCleanerの最新版が同時にインストールされてしまう。
ただし、すでにCCleanerがインストールされている場合は検出されず、検出されてもCCleanerのインストールは回避できる。

インストール後にはESETもAdw Cleanerもマルウェアを検出せず、Defraggler自体にも問題は無いのだが、Avastに買収されてからPiriformの製品は評判が良くないので、気になるようならインストールは避けたほうが良いかも。

ダウンロードページには「Free」と有料の「Professional」があるので、「Free」の「CCleaner.com」をクリックしてインストーラーをダウンロードする。

「FileHippo.com」でも同様のインストーラーはダウンロードできるが、広告が多いので非推奨。

ダウンロードしたインストーラーを起動し、ユーザーアカウント制御のメッセージが出たら「はい」で許可。

セットアップウィザードが起動したら右上のランゲージリストから「Japanese」を選択して日本語表記に変更する。

CCleanerがインストールされていない環境では、デフォルトでCCleanerが同時インストールされるため、不要であれば必ず「No Thanks,~」にチェックを入れる。

ESETなどで検出される「win32/bundled.toolbar.google.D」はこれが原因。

CCleanerではなく「Chrome」がインストールされるバージョンもある。

「使用許諾書」「プライバシーポリシー」を確認し、問題がなければそのまま「インストール」でも良いのだが、フリーソフトの場合は安易に「インストール」ボタンを押さないというのは鉄則なので「カスタマイズ」をクリック。

任意でインストールオプションを選択したら、「詳細」をクリック。

「インストール先」と「ユーザーの選択」は、特にこだわりがなければデフォルトのまま「インストール」をクリック。

「Defragglerを実行」をクリックしてセットアップ完了。

使用方法

デフラグを実行する場合、アプリケーションが起動している状態ではファイルの移動が行えず、デフラグが延々と終了しなかったり、断片化が正常に解消されなかったりするため、起動しているアプリケーションは常駐ソフトも含め、可能な限り終了させる。
また、デフラグはHDDの容量や断片化の割合にもよるが、数時間単位の処理になり、デフラグ中PC操作も原則禁止なので、実行するタイミングには注意が必要。

Defragglerは上ペインに認識している各ドライブが一覧表示され、下ペインに選択したドライブの情報が表示される。

HDDのデフラグ

HDDの断片化解消は「ディスクの解析」→「ディスクのエラーチェック」→「デフラグ」というの手順になる。

ディスクの断片化率を確認するには、対象のディスクを上ペインで選択後下ペインの「解析」をクリック。

「解析」を実行すると「ゴミ箱を空にする」かメッセージがでるので、特別な理由がない限り削除して空きスペースを作っておく。

解析が終了すると下ペインに解析結果が表示される。
断片化の割合は20~30%以上がデフラグ実行の目安。

断片化が進行している場合は、デフラグを実行する前に上部メニューの「アクション」→「Advance」から「ドライブのエラーチェック」を実行する。

ベリファイとはデータの読み込み・書き込みのエラーチェックを行うもので、デフラグ実行時にはリスク軽減のためにも要確認。

ここで問題が検出されるようなら、HDDのデフラグは中止し、FromHDDtoSSDなどで詳細なディスク分析を推奨。

Defragglerが実装しているユニークな機能の1つが「巨大ファイルをドライブ後方に移動」。

デフラグは断片化したファイルを連続して再配置するのだが、動画ファイルや圧縮されているファイル、イメージファイルなどサイズが大きく、変更されることが少ないファイルは、ドライブの後方に配置したほうが全体的にアクセスの効率が向上する。

「巨大ファイルをドライブ後方に移動」はデフォルトでは無効になっているため、「設定」→「オプション」で「デフラグ」のタブを選択し、「ドライブのデフラグ中に巨大なファイルをドライブ後方へ移動」にチェックを入れる。

ファイルの最小サイズはデフォルトで250MBだが、移動したいファイルの最小サイズ、移動するファイルのカテゴリーや拡張子の編集も可能になっている。

常駐アプリも含め、起動しているアプリケーションを可能な限り終了させてから、Defragglerの下ペインにある「デフラグ」を実行。

デフラグの進捗状況はドライブマップと「断片化の割合」で確認でき、おおまかな終了時間も表示される。

「巨大ファイルをドライブ後方に移動」を有効にすると、上図のように該当ファイルがドライブ後方に移動される。

ドライブマップ

ドライブマップはドライブの断片化状況を視覚的に表したもので、ブロックをクリックすると、ブロック内のファイルを確認できる。

ドライブマップで表示されているブロックは色で区分けされており、下ペインの「ドライブマップ」タブで各項目をクリックすると、マップで強調表示される。

デフラグ実行後は断片化の割合が0%で表示されているにも関わらず、ドライブマップのブロックが「断片化」のカラーで表示されている場合、再度「解析」するとフラグメント(断片化)の割合が増加することがある。
この現象はバックアップファイルなど極端に大きなファイルが断片化して、再配置ができなかった時などに発生する。
ファイルの種類によってはドライブ後方への移動もできないため、一度ドライブ外へファイルを移動し、ドライブのデフラグ後にファイルを戻す程度しか対策がない。

SSDの最適化

SSDの場合はHDDと事情が異なって、Defraglerでは「断片化解消」ではなく「空き領域の確保」が実行されるため、「デフラグ」ではなく「最適化」という表記になっている。

ただ、SSDを最適化して効果を実感できるのは、SSDの空き容量が極端に減少している場合なので、明らかに動作が遅くなったと実感してから「最適化」する程度で十分かも。

DefraglerでSSDを最適化すると「ゼロ埋めを実行します」というメッセージが表示されるが、DefraglerはTRIM機能を使用して、SSDに完全な空白領域を作る処理を実行する。

SSDも「解析」を行った後に「最適化」を実行。

最適化中はメッセージに記載がある通り、空き容量が一時的に減少するが、最適化終了後はゴミ箱を空にすることで開始前よりも空き容量が増加している。

また、SSDでは断片化解消作業は行われないので、断片化の割合は最適化実行後もほぼ変化がないか、わずかに増加する傾向にある。

ファイル単体のデフラグとクイックデフラグ

通常のデフラグは数時間かかるので億劫になりがちだが、Defraglerには断片化が顕著なファイルを単体でデフラグする事が可能で、更に時間が無い時に実行できる「クイックデフラグ」も用意されている。

対象のドライブを「解析」後に「ファイルリスト」タブを開くと、ファイル名と「断片数」や「サイズ」「形式」などが表示され、任意のファイルにチェックを入れて「デフラグ」を実行すると対象のファイルのみデフラグが実行される。

「クイックデフラグ」は下ペインの「デフラグ」ボタンのドロップリストから選択可能。

「クイックデフラグ」の初期設定は時短のため「50MBを超える断片化を含むファイルをスキップする」設定になっており、動画ファイルの断片化などは実行されない。

「クイックデフラグ」の設定は上部メニューの「設定」→「オプション」の「クイックデフラグ」タブで「独自ルール適用」にチェックを入れ、任意の条件に変更可能。

当然ながら、通常デフラグの条件に近いほど時間がかかり、デフラグの条件を厳しくするほど時短にはなるが、デフラグの効果は薄くなる。

状態

Defraglerはドライブの「解析」を行うことでS.M.A.R.Tの情報を取得し、「状態」タブで確認できる。

属性名は日本語化されていないが、表示内容はCrystal DiskInfoと同じ。





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