Joplin の特徴
- メモ・ToDoリストの作成とファイル添付ができ、エンドツーエンドでメモを暗号化することも可能な無償で利用できる多機能メモアプリ
- マークダウン記法とリッチテキストが使用可能
- OCR機能でメモに添付された画像, PDFからテキストを抽出して検索対象にできる
- 月間アップロード容量に制限がなく、Evernoteの代替えに最適
- プラグインを追加して機能を拡張できる
- オープンソースで開発
Joplin Cloud のサブスクリプションを購入するとノートの共同編集やノートの公開が可能になるが、ベース機能はすべて無償で利用できる。
- Androidアプリは Joplin for Android の設定と使い方 を参照。
開発元
- 開発者:Laurent Cozic 氏
- 開発者の拠点:イギリス
ダウンロード
システム要件
- バージョン:2.14
- OS:Windows
インストール
公式サイト の「Download the app」をクリックしてインストーラーをダウンロード。
使用するユーザーを選択して「インストール」でインストールを実行。
すべてのユーザー を選択するとユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されるので許可する。
「完了」でセットアップ終了。
同期設定
Joplinを複数のデバイスで同期する場合は Joplin Cloud のサブスクリプションを購入するか、Dropbox・OneDrive など既存のオンラインストレージや、Nextcloud・WebDAV サーバ などを利用する。
Joplinを同期するとオンラインストレージのアプリフォルダに Joplinフォルダを作成するが、フォルダには同期用のデータベースが保存されるため、ノートブックやノートを直接編集・閲覧することはできない。
Joplin Cloud・Dropbox・OneDrive を利用して同期する場合はメニューバーの ツール から オプション を開き、左サイドパネルの 同期 を選択して「同期ウィザードを開く」をクリック。
使用するクラウドサービスを選択。
Windows Defenderが通信をブロックした場合は「アクセスを許可する」。
表示される URLをクリックし、クラウドサービスへログインして Joplinのアクセスを許可。
アプリケーションは問題なく認証されました。と表示されたらブラウザを閉じ、Joplin の「戻る」をクリック。
同期先 に設定したクラウドサービスが表示されていることを確認。
同期間隔 は 5分が最短で、間隔を伸ばす場合はリストから編集。
WebDAVサーバや Nextcloudを使用する場合は 同期先 のリストから選択し、URLやログイン情報を入力する。
暗号化
Joplinは 暗号化 が無効になっているので、セキュアな環境で利用したい場合はメニューバーの ツール から オプション を開き、左サイドパネルの 暗号化 を選択して「暗号化を有効にする」をクリック。
暗号化を有効にするとデータの暗号化と復号化が必要になるため、非暗号化の環境と比較するとパフォーマンスが低下する。
暗号キーに使用されるマスターパスワードを設定して「OK」。
マスターパスワードを失念するとデータを復号できなくなる。
暗号キーが生成されてエンドツーエンド暗号化が有効になる。
すべてのノートを同期したら暗号化が完了。
暗号化されたノートの同期が完了してから次のデバイスで同期を開始するとパスワードの入力を求められるので、マスターパスワードを入力して同期する。
暗号化を無効にする場合も同期しているすべてのデバイスで暗号化を無効にする。
バックアップ
オプション の左サイドパネルから Backup を選択。
Backupは JackGruber氏が開発している Joplinのプラグイン で、バージョン 2.14から Joplinにバンドルされている。
バックアップ先 などを設定。
- Backup path
バックアップの保存先には JoplinBackupフォルダが自動生成 されるので、 JoplinBackupフォルダの保存先を指定。 - Keep x backups
保持するバックアップの履歴数で、デフォルトは最新のバックアップのみ保持される。 - Backups interval in hours
バックアップを実行する間隔で、デフォルトは 24時間毎にバックアップが実行される。
差分バックアップを有効にする場合は Only on change にチェックを入れ、バックアップデータをパスワード保護された Zipファイルで保存する場合は Password protected backup を有効にしてパスワードを設定。
ノートの復元
ノートの復元はメニューバーの ファイル から インポート の JEX を選択し、バックアップフォルダに保存されている all_notebooks.jex ファイルを指定してインポート。
Joplinの設定やプラグインを復元する場合は、バックアップフォルダ内の Profileフォルダから復元するアイテムをJoplinのディレクトリ C:\Users\ユーザー\.config\joplin-desktop にコピーする。
ノートの個別インポートは不可。
OCRの有効化
ノートに添付された画像や PDFファイルのテキストを検索対象にする場合は、メニューバーの ツール から オプション を開き、全般 の Enable optical charactor recognition を有効にする。
手書きのテキストはサポートされていない。
ファイルのスキャンはシステムへの負荷が大きいためデスクトップアプリでのみ実行でき、スキャンしたテキストデータは添付ファイルに関連付られるので、データを同期したモバイルデバイスでも検索対象として利用できる。
プラグイン
プラグインはメニューバーの ツール から オプション を開き、左サイドバーの プラグイン を選択して プラグインを管理 の 設定 アイコンから プラグイン一覧を参照 で公開されているプラグインを確認できる。
検索バーに スペース を入力して検索するとすべてのプラグインが表示される。
テキストの色付け - Text Colorize
マークダウン記法はテキストの色付けをサポートしていないが、Text Colorize をインストールすると 簡単にテキストのカラー変更が可能になる。
プラグイン検索で Text Colorize を検索して「インストール」。
インストール後は再起動が必要なので 今すぐ再起動 をクリック。
マークダウン記法で色付けするテキストを選択し、Ctrl + Shift + C でカラー設定画面うぃ呼び出し、色を指定して「Apply」で確定、カラーを元に戻す場合は Ctrl + Shift + R 。
テキストにカラーが反映される。
エディタレイアウト - Persistent Editor Layout
Persistent Editor Layout はタグを利用してノート毎にエディタレイアウトを保存できる。
Persistent Editor Layout をインストールして Joplinを再起動。
オプション の左サイドバー から Persistent Editor Layout を選択し、Default editor layout で 初期状態のレイアウトを設定。
各レイアウト別にタグを設定する。
View というタグが付いたノートをマークダウンの閲覧モードで表示する場合は Tags for editor layout mode: Rendered Markdown viewer で layout:viewer の後にカンマを入れてタグ名を追加。
ウェブクリッパー
Joplinウェブクリッパー はブラウザで閲覧しているウェブページをノートとして取り込むブラウザ拡張機能で、使用する場合はメニューバーの ツール から オプション を開き、左サイドバーの Webクリッパー を選択して Webクリッパーサービスを有効にする をクリック。
使用するブラウザに合わせて拡張機能をインストール。
拡張機能をインストールすると Joplinにアクセス許可のダイアログが表示されるので「許可する」。
ブラウザに表示中のページを Joplinに保存する場合は拡張機能のアイコンからクリップ形式と追加するノートブックを選択して「Confirm」で実行。
Joplin の使い方
Joplinのデフォルトレイアウトは左サイドパネルに ノートブックとタグ、中央パネルに リスト、右パネルが エディタ になっている。
Joplinには Evernoteのような月間アップロード容量に制限はなく、ノートに添付できるファイルサイズも同期に使用するオンラインストレージサービスの仕様に準拠するため、100MBを超えるファイルも添付できるが、同期している場合は使用しているオンラインストレージの空き容量が上限になる。
マークダウン記法のエディタはデフォルト設定の 分割 のほかに 編集 と 閲覧モードがあり、右上の エディターレイアウト切り替え アイコンか Ctrl + L で 切り替えできる。
マークダウン記法は マークアップ言語のため、設定した書式や画像は閲覧モードで表示され、デフォルトの分割 は左側が編集、右側が閲覧モードで表示される。
見たままを編集できる リッチテキスト を利用する場合は、右上の エディター切り替え をクリック。
ノート
ノートは Joplinの基本単位で、メモ・Webページのクリップ・画像・添付ファイルなどは全て ノート として保存される。
ノートを追加する場合は「新しいのノート」をクリック。
新しいノートを作成中 の箇所にノートのタイトルを入力。
画像や PDFなどのファイルはノートにドラッグして追加できる。
マークダウン記法の閲覧モードでは PDFの表示も可能。
ノートの整理
ノートは ノートブックと タグ を使用して管理する。
ノートブック はノートを保存するフォルダのようなもので、新規ノートブックを作成する場合は ノートブック の「+」をクリック。
ノートブックのタイトルを入力して「OK」で追加。
ノートはドラッグで移動できる。
タグ
タグ はノートにつける管理用のキーワード。
ノートにタグを追加する場合は、エディタの下にある クリックしてタグを追加 をクリックし、新規タグはキーワードを入力、既存のタグはリストから選択する。
同期状況の確認
メニューバーの ヘルプ から 同期状況 を選択。
ノートブック(Folder)やタグ、添付ファイルなどの同期状況が表示される。
関連記事
独立したワークスペースで ノートを管理でき、ノートのフォルダ管理・ノート や テキストの編集禁止 などの機能を実装している 多機能 オーガナイザーアプリ
マークダウン記法をサポートし、メモの同期・共有・バックアップがマルチデバイス環境で 無償利用できる Automattic が開発している オープンソースの メモアプリ
同期・共有・バックアップが無償で利用でき、バージョン履歴からの復元やノートの編集禁止も可能で、データをゼロナレッジで保護するセキュアなメモアプリ
クラウドを使用せずにデータベースが暗号化されるため、セキュアな環境でメモを作成・管理でき、サードパーティのクラウドストレージを利用して同期も可能なオーガナイザーアプリ
メモ・ToDoリスト・ウェブクリップなどの機能を実装した Evernote をパーソナルユース版として進化させたような 日本語環境で利用できる多機能オーガナイザーアプリ