SyncTrayzorはサーバを経由しない P2Pのファイル同期プログラム Syncthingの Windows用 GUI。
SyncTrayzor の特徴
- Syncthingで生成された一意の IDを使用してデバイス間を P2Pで接続
- デバイス間の通信は TLSを使用してエンドツーエンドで暗号化
- 複雑なネットワーク設定が必要ない
- 通信規格には BEEP(Blocks Extensible Exchange Protocol)を使用
- オープンソースで開発
Syncthing
Syncthing はスウェーデンの非営利財団 Syncthing Foundation が開発しているオープンソースのファイル同期プログラム。
開発元
- 開発者:Antony Male 氏
- 開発者の拠点:イギリス
システム要件
- バージョン:1.1.29
- OS:Windows 7以降
Wake On LAN
フォルダを同期させるためにはデバイスが起動していることが前提条件のため、遠隔地にあるパソコンと同期するためにはパソコンを常時起動状態にするか Wake On LAN でのリモート起動が必要。
ダウンロード
インストールと設定
GitHub から Windowsのアーキテクチャに合わせてインストーラーをダウンロード。
ダウンロードしたインストーラーを起動し、ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されたら「はい」で許可。
インストール先を確認して「Next」。
スタートメニューへの登録もデフォルト設定で「Next」。
デスクトップのショートカットが必要な場合はチェックを入れて「Next」。
SyncTrayzorはシステムトレイに常駐するのでシステムトレイからアクセスできる。
「Install」でインストールを実行。
「Finish」でインストール完了。
SyncTrayzorの起動時にファイアウォールでブロックされた場合は「アクセスを許可」。
匿名の使用状況レポート送信を許可する場合は「Yes」。
使用する言語を選択。
SyncTrayzorはセキュリティ強化のため ユーザー名 と パスワード の設定を推奨しているが、P2P(Peer to Peer)で接続する場合は GUI認証用 のユーザーIDとパスワード設定は必要ないので「OK」で閉じる。
フォルダを同期する全てのデバイスにインストールする。
SyncTrayzor の使い方
右上にある メニュー のリストから IDを表示 を選択。
表示された デバイスIDをメモする。
接続先のデバイスで SyncTrayzorを起動して、接続先デバイス の「+ 接続先デバイスを追加」をクリック。7P63Z6A-5YMMCZE-OE7X6AV-BPIRU5R-6SXLGPL-MVFMVQD-235ZN6F-GWPWTAT
デバイスIDに接続元のデバイスIDを入力して「保存」。
接続先デバイス にデバイスが追加されるが、一方通行の状態なので「切断中」になる。
(未使用)は同期フォルダが設定されていないことを意味している。
接続先のデバイスでもデバイスIDを取得し、接続元 SyncTrayzorの「+ 接続先デバイスを追加」から デバイスIDを追加。
双方のデバイスIDが認証されると接続が確立してデバイス名が表示される。
デバイスIDを追加することでプラットフォームが異なる複数のデバイスを登録できる。
ローカルネットワーク内のセットアップ
接続先デバイス の「+ 接続先デバイスを追加」を開くと、近くに検出されたデバイスの デバイスID が表示されるので、 IDをクリックして追加してから「保存」。
接続元デバイスに新規デバイスの追加を求めるダイアログが表示されるので「デバイスを追加」で接続が確立する。
フォルダの同期
デフォルトフォルダを共有する場合は フォルダー に登録されている Default Folder をクリック。
Syncthing はデフォルトで ユーザー名フォルダの直下に同期用の Syncフォルダが作成される。
編集 を選択。
共有 タブでデフォルトフォルダを共有するデバイスにチェックを入れる。
信頼しない場合、暗号化パスワードを入力 は、同期の構成にサードパーティのサーバを挟む場合などに使用する機能で、パスワードを設定すると同期先のデバイスではファイルがすべて暗号化されてアクセスできなくなる。
ファイルのバージョン管理 は無効になっているので、必要であればバージョン管理のタイプをリストから選択して設定。
共有するフォルダはデフォルトで 双方向同期 になっているが、高度な設定 の フォルダーの種類 で 送信のみ・受信のみ の選択が可能。
Syncthingは同期タイプやバージョン管理ができるためバックアップと同じような設定も可能だが、公式サイトでは Syncthingのバックアップ利用は推奨されていない。
すべての設定が完了したら「保存」。
共有先に指定したデバイスで フォルダの共有を確認するダイアログが表示されるので「共有」。
接続が確立すると自動的に同期が実行され、非共有 の表示が 最新 になる。
同期フォルダは Syncthingが監視しているのでフォルダ内に変更があると自動的に同期が実行される。
同期フォルダの追加
「フォルダーを追加」を選択。
一般 タブで フォルダ名 を入力すると フォルダーパス にフォルダの保存先 が表示されるので、任意の保存先にパスを修正し、共有設定を行って「保存」。
フォルダーパスに デスクトップ や Documentsフォルダを設定することも可能で、フォルダ名 と フォルダーパス のフォルダ名は一致しなくても問題ない。
接続先のデバイスでフォルダの共有を許可し、フォルダーパス の ブラウズ から同期するフォルダを指定する。
接続元と接続先で デスクトップ や Documentsフォルダなど同じフォルダを指定すると、デスクトップやドキュメントフォルダを共有できる。
同期設定したフォルダには一意のフォルダIDが設定されており、同期フォルダの移動やフォルダ名を変更すると Syncthingが同期先を見失い、最悪の場合データが消失するため、フォルダの移動やフォルダ名の変更は新たに同期フォルダを作成する。
同期の解除
接続したデバイスを解除する場合は 接続先デバイス から解除するデバイスを選択して「編集」。
「除去」をクリックすると確認ダイアログが表示され「はい」で確定。
フォルダの同期を解除する場合は同期フォルダの「編集」。
フォルダの同期を解除して Syncthingから削除する場合は「除去」、同期を許可しているデバイスを解除する場合は有効になっているデバイスのチェックを外して無効にする。
Syncthing が表示されない場合
同期先がオフラインの状態で同期フォルダを除去するなどイレギュラーな操作を行うと Syncthingが正常に表示されないことがある。
プログラムは動作している状態で同期フォルダや接続先デバイスが表示されない。
直前に同期を解除した場合は接続していたデバイスを起動後、真っ白な SyncTrayzorをタスクトレイ のコンテキストメニュー(右クリックメニュー)から 終了 し、スタートメニューから 起動する。
備考
Torrentプロトコルを使用している Resilio Sync と似ているが、Resilio Syncは非公開のプロトコルを使用しているため、オープンソースの Syncthingはより安全に利用できる。
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