pCloudはゼロナレッジをサポートしたセキュアで機能的なクラウドストレージ。
pCloud の特徴
- デスクトップアプリでファイルを同期/ バックアップ
- pCloud Cryptoの利用でユーザーデータをエンドツーエンドで暗号化
- OneDrive・Dropboxなどのバックアップをサポート
- 最大1年のバージョン履歴からの復元が可能
- 無料プランで 5GB(友人の招待などで 最大 10GB)まで利用可能
- ウェブアプリは音楽ファイルのストリーミング再生や画像・ドキュメントファイルのプレビュー機能を実装
- 静的 HTMLのホスティングサービスとしても利用できる
- 低価格でユニークな料金プランを提供
ゼロナレッジ はユーザー(クライアント)側のデバイスで データの暗号化と復号化を行う方法で、暗号化されたデータがサーバに保存されるため、サービスプロバイダもデータを閲覧することができない。
仕様
- 同時接続可能なデバイス数:無制限
- アップロードサイズ上限:無制限*
- バックアップ機能:有
- 同期機能:有
- オンデマンド同期:可
- 共有機能:有
- バージョン管理とリストア機能:30日(オプションで最大 1 年、無料版は 15日)
- 非アクティブアカウントのデータ削除:無料プランのみ 6ヶ月間
*ウェブアプリは上限が設定されているが 100GBを超えるファイルもアップロード可能。
安全性
pCloud は 品質マネジメントシステム(ISO 9001:2015 - QMS)と データマネジメントシステム(ISO 27001:2013 - ISMS)の 認定 を受けている。
開発元
- 開発元:pCloud AG
- 開発元の拠点:スイス
システム要件
デスクトップアプリ
- バージョン:4.1.11
- OS : Windows 7/ 8.x/ 10/ 11
- .Net Framework:4.5 以上
Windows 7/ 8/ 8.1 で使用する場合は .Net Framework 4.5.0 のインストールが必要。
ウェブアプリ
- ブラウザ: Google Chrome/ Edge/ Firefox/ Brave/ Safari などの主要なブラウザ
ダウンロード
Androidアプリ
アカウントの取得
公式サイト でメールアドレスを入力して pCloudアカウントを作成するか、Fecebook, Google, Appleアカウントと連携。
メールアドレスを入力した場合はパスワードを設定して データリージョン を選択、アカウントを連携した場合は データリージョン を選択し、利用規約・プライバシーポリシーに問題なければ「アカウントの作成」。
データリージョンは米国と欧州で機能的な違いはないが、GDPR でプライバシーが保護されている欧州に比べ、米国はプライバシーの保護に不安がある。
EUを選択するとルクセンブルクのサーバ、米国はテキサス州のサーバにデータが保存され、アカウント管理でデータリージョンは変更できる。
登録したメールアドレスに確認用のメールが送信されるので、「クリックしてメールアドレスを確認する」をクリックして認証。
メールアドレスを認証しないと無料プランは一定期間後にアカウントが削除される。
インストールと設定
アカウント作成時はメールアドレス認証後に表示される画面の「ダウンロード」をクリックするか、公式サイト からインストーラーをダウンロード。
ダウンロードしたインストーラーを起動し、使用許諾書に問題なければ ライセンス条件に同意します にチェックを入れて「インストール」。
インストール先は「Options」から編集できる。
ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されたら「はい」で許可。
インストールは自動実行されるので 完了したら「起動 」。
pCloud Driveが起動したら「サインイン」から pCloudのアカウント情報を入力してサインイン。
ウエルカム画面が開くので「進む」で最後まで進めて「ドライブを開く」。
ウエルカム画面は起動時表示されるので、不要であれば pCloud Drive が起動されるたびに紹介文を表示する。 のチェックを外して無効にする。
ファイルエクスプローラで pCloud Drive が開いたらパソコンを再起動。
デフォルト設定で pCloud Driveのドライブレターは P になっており変更は不可。
(P)が使用中であれば自動的に使用できるドライブレターが設定される。
バックアップ設定
システムトレイに常駐している pCloudアイコンのコンテキストメニュー(右クリックメニュー)から 環境設定 を選択。
メニューから バックアップ を選択し、バックアップするフォルダを指定後「バックアップする」で開始。
任意のフォルダは 他のフォルダから選択する から指定。
バックアップの停止/ 開始 は 環境設定 の バックアップ 画面で編集でき、「フォルダを追加」からバックアップするフォルダの追加も可能。
同期設定
環境設定 の 同期 で「新たな同期を追加」をクリック。
設定画面が開くので「端末のフォルダを選択する」で同期するローカルフォルダを指定し、「pCloud フォルダを選択する」で pCloud Driveに作成したフォルダを指定後「同期を追加」。
pCloud Crypto とローカルフォルダの同期は不可。
pCloud Cryptoの設定
環境設定 の Crypto 設定 で Crypto Pass を設定して「Cryptoフォルダの作成 」で暗号化フォルダを作成。
pCloud Crypto は サーバに保存するデータを暗号化してアップロードするゼロナレッジのセキュリティオプション(有料)で、ユーザーデバイスで設定したパスワード(Crypto Pass)でフォルダを暗号化(256ビットAES暗号化方式を採用)してから同期するため、データは完全に保護される。
Crypto Passはデータの復号化にも使用され、pCloud 側には保存されていないため、パスワードを失念するとデータを復号できなくなる。
ダイアログを確認して「了解」でフォルダを作成。
pCloud Drive内に Crypto Folder が作成されるので、ゼロナレッジで保護が必要なファイルは直接 Crypto Folder に保存する。
Crypto Folder を同期先に指定する事はできず、個人プランでは Crypto Folder 内のデータは共有できない。
Crypto Folder をロックするとフォルダ内のファイルが非表示になり、ロックを解除するまでファイルの保存もできなくなる。
Crypto Folderのコンテキストメニューからも ロック/ アンロックが可能。
pCloud Save のインストール
pCloud Save はウェブページの画像やテキストをクラウドに保存するブラウザの拡張機能で、Chromium系のブラウザは chrome ウェブストア、Firefoxは ADD-ONS から拡張機能をインストールして使用する。
インストールした pCloud Save のアイコンをクリックして pCloud にログイン。
画像の保存は保存する画像のコンテキストメニューから Save to pCloud を選択。
Alt キーを押しながら保存する画像をクリックすると複数選択も可能。
テキストは保存するテキストを選択し、コンテキストメニューの Save to pCloud で保存すると選択したテキストとサイトの URLがテキストファイルで保存される。
ファイルはウェブアプリの pCloud Save フォルダに保存される。
pCloud の使い方
デバイスとドライブ の pCloud Drive は「仮想ドライブ」として追加されるため、オンラインであれば ローカルストレージの容量を消費せずにクラウドストレージにアクセスできる。
pCloud Drive でバックアップや同期されていないフォルダは、コンテキストメニューの オフラインアクセス から同期設定できる。
ファイルの共有
ファイルの共有は pCloud Drive 内のファイルを選択し、コンテキストメニューの 共有を管理 から リンクを共有する で、共有リンクがクリップボードにコピーされる。
共有リンクにアクセスすると pCloud ユーザーは自身の pCloud にダウンロードでき、pCloudユーザー以外は「Direct download」からファイルをダウンロードできる。
有料プランでは パスワード や リンクの有効期限 を設定できる。
フォルダの共有
フォルダの共有は pCloud Drive 内のフォルダを選択し、コンテキストメニューの 共有を管理 から リンクを共有する か フォルダに招待 を選択。
- リンクを共有する
ファイルの共有と同じで クリップボードに共有リンクがコピーされる。 - フォルダに招待
pCloud ユーザー間でフォルダを共有。
フォルダに招待 を選択すると設定画面になるので、さらにコラボレーターを招待する に共有相手のメールアドレスを入力してアクセス権限を選択し、任意でメッセージを入力後「招待状を送信する」でメッセージを送信。
共有相手には 招待状が届き、共有を承諾すると自身の pCloud 内への共有設定画面が開く。
共有中のファイルやフォルダは 設定 の 共有 で確認と共有設定の編集ができる。
ファイルリクエスト
ファイルリクエスト は指定した pCloud上のフォルダにファイルのアップロードを依頼する機能で、pCloud Drive内のフォルダを選択し、コンテキストメニューから ファイルを要求する を選択。
pCloud ユーザーでなくても指定フォルダにファイルのアップロードが可能。
リンクがクリップボードにコピーされるので、メールなどに貼り付けて送信。
リンクにアクセスするとファイルのアップロード画面が開き、アップロードしたファイルは pCloud に保存される。
バージョン履歴からのリストア
ウェブアプリは アカウント の my.pCloud.com をクリックするか、直接 https://my.pcloud.com/ にアクセスする。
左サイドパネルから Rewind を選択し、「リワインドの日付設定」でロールバックする日時を指定後「Rewind」をクリック。
ロールバックできるのは無料プランが15日、有料プランは30日、バージョン履歴拡張オプションを購入すると1 年まで可能になる。
バージョン履歴拡張オプションは Rewind の画面で「今すぐ拡張する」から購入できる。
pCloudが指定した日時にロールバックするので、復元するオブジェクのコンテキストメニューから リストア を選択。
ダイアログが表示されるので「リストア」で実行。
リストアしたファイル/ フォルダはルートディレクトリに作成される Rewindフォルダ に復元日時別に保存される。
リストアしても 現在のバージョンは上書きされない ので、必要に応じて Rewindフォルダに復元されたファイルで上書きする。
バックアップ
ウェブアプリの バックアップ ではサードパーティのストレージに保存されているデータのバックアップできる。
- デスクトップ
pCloudのデスクトップアプリでバックアップ設定したデータを保存 - モバイル
pCloudのモバイルアプリで自動アップロードを有効にしたデータを保存 - サードパーティ
Googleフォト・Google Drive・OneDrive・Dropbox・Facebook に接続してデータをバックアップ
サードパーティのストレージに保存されているデータのバックアップは、 サードパーティ を選択してバックアップするストレージの「開始」をクリックし、サービスにログイン後 pCloud のアクセスを許可。
サードパーティストレージのバックアップはデバイスのバックアップフォルダ(pCloud Backup)とは別に Backups フォルダに保存される。
バックアップするフォルダの指定はできない。
パブリックフォルダ
ウェブアプリの My pCloud にある パブリックフォルダ はインターネット上で公開された状態になっており、パブリックフォルダに保存したファイルは共有リンクや埋め込み用のリンクを取得でき、静的HTMLで作成したウェブサイトのホスティングができる。
使用する際はアップグレードが必要。
オーディオ
オーディオ は pCloudに保存されている音声ファイルをストリーミング再生できる機能で、左サイドパネルの オーディオ を選択すると保存されている音声ファイルが表示され、コンテキストメニューから プレイリストの作成 や 再生 ができる。
ID3タグを埋め込んだファイルは「アーティスト」や「アルバム」でまとめることも可能。
再生は pCloudが実装してるプレーヤーが使用される。
備考
Dropboxや Google Driveはプライバシー保護よりも機能性を重視し、Syncや Proton Driveは機能性よりもユーザーのプライバシーや安全性を重視したクラウドストレージで一長一短あるが、pCloudは pCloud Cryptoを導入することで機能性と安全性を両立させており、有料プランもリーズナブルなのでホームユースにも最適。
購入方法
公式サイト の 年間・生涯 から購入するプランを選択。
pCloudは 1ヶ月・1年のサブスクリプションとオンラインストレージには珍しい買い切りのライフタイムプランがあり、4 年以上継続利用するとライフタイムプランのコストパフォーマンスが非常に高く、年間のサブスクリプションも他のクラウドストレージよりも低く設定されている。
サインインしていない場合は pCloud にサインイン。
pCloud Encryption を利用する場合はチェックして追加。
pCloud Encryption はアカウント管理画面からの申込みも可能。
決済情報を入力して「今すぐ支払う」で決済するとアップグレード完了。
サブスクリプションのキャンセル
pCloudのウェブ版 にログインして アカウントアイコンから サブスクリプションの管理 をクリック。
サブスクリプション で有効になっているプランの「キャンセル」をクリックするとダイアログが表示されるので「はい」で実行。
アンケートが表示されるので「サブスクリプションをキャンセルする」を選択し、ダイアログが表示されたら「はい」。
Premiumアカウントの解約に関するメールが送信されるので確認。
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