Multiplicity の特徴
- 複数のパソコンを 1組のマウスとキーボードで操作でき、クリップボードの共有やパソコン間でのファイルのドラッグ・アンド・ドロップをサポート
- 動作が安定しており、最大 9台のデバイスを操作できる
- シームレスモードとKVMモードを実装
- バージョン3.6で日本語をサポート
Multiplicityで共有されたマウスはマルチディスプレイ時のようにパソコン間を自由に行き来し、マウスカーソルが表示されているパソコンがアクティブになる。
開発元
- 開発元:STARDOCK SYSTEMS, INC.
- 開発元の拠点:米国
ダウンロード
Multiplicity Proを 30日間試用できる。
プランの比較
KM | KVM | KVM Pro | |
シームレスモードで利用できるデバイス数 | 最大 2台 | 最大 9台 | 最大 9台 |
KVMモードで利用できるデバイス数 | 未サポート | 1台 | 最大 9台 |
デバイス間のコピー・アンド・ペースト | ◯ | ◯ | ◯ |
デバイス間のドラッグ・アンド・ドロップ | ✕ | ◯ | ◯ |
Wake on LANによるデバイスの起動 | ✕ | ✕ | ◯ |
暗号化されたリモート接続 | ✕ | ✕ | ◯ |
シームレスモードとKVMモード
- シームレスモード
マウスカーソルがモニタ間を移動し、操作するパソコンにマウスカーソルを移動してアクティブにする。
共有するのは 1 組のマウスとキーボードで、使用するすべてのパソコンにモニタが必要。 - KVM モード
ホットキーを使用してモニタに表示するパソコンを切り替えて操作する。
モニタ・マウス・キーボードを共有するため、設定を行えばモニタのないパソコンも操作できる。
システム要件
- バージョン:3.6
- OS:Windows 7/ 8.x/ 10/ 11
使用するパソコンが有線・無線を問わず全て LAN 接続されている環境。
インストール
公式サイト の「Get it Now」をクリックし、右上に表示される「Free Trial」をクリック。
Multiplicity ではマウス・キーボードが接続されているパソコンを Primary 、Primaryのマウス・キーボードを使用して制御するパソコンを Secondary として設定し、Primaryからセットアップする。
ダウンロードページに移動して 5秒後にインストーラーのダウンロードが自動的に開始する。
ダウンロードが開始しない場合は Click this link のコンテキストメニュー(右クリックメニュー)から 名前を付けてリンク先を保存 を選択。
ダウンロードしたインストーラーを起動し、ユーザーアカウント制御のプロンプトが表示されたら「はい」で許可。
使用許諾書に問題なければ I agree to the terms of this license agreements をチェックして「Next」。
インストール先を確認して「Next」をクリックするとインストールが開始する。
インストール先の変更は不可。
Windows Defenderのファイアウォールでブロックされた場合は「アクセスを許可する」。
ネットワークプロファイルに関するダイアログが表示されたら内容を確認して「はい」を選択。
Windows 11 のネットワークプロファイルはデフォルトで パブリック に設定されているため、設定を変更する場合は Windowsの 設定 から ネットワークとインターネット の イーサネット で プライベートネットワーク を選択する。
インストールが完了したら設定するパソコンに応じて「 Primary PCにする」か 「Secondary PCにする」を選択。
Primary PC
30日トライアルを開始する を選択して受信可能なメールアドレスを入力。
メールアドレスが認証されるとトライアルが開始する。
Secondary PC
Secondary に設定したパソコンは コンピュータ名 と パスコード が表示される。
Primaryで設定する際に Secondary のパスコードが必要になる。
設定
Primary PC に設定したパソコンは シームレスモード と KVMモード の選択画面になるので、使用するモードを選択。
シームレスモード と KVMモード は併用でき、シームレスモードで稼働中の Primary PCのモニタに KVMモードで別のパソコンを表示することもできる。
ネットワーク上にある Secondary PC が検出されるので、検出された Secondary の コンピューター名 をクリックし、PC名を入力して下さい。にコンピュータ名が 入力されたら「追加」。
シームレスモード
シームレスモード選択時は追加した Secondary PCに表示されているパスコードを入力。
IPアドレスを常に使用する はパソコンに 静的IPを割り当てている場合にチェックする。
Primary PCが中央に表示されるので Secondary PCをドラッグして配置する。
モニターの配置をそのまま再現すると使いやすい。
新たに Secondary PCを追加する場合は 左サイドパネルの シームレス を選択し、「PC追加」から追加する Secondary PCを選択してパスコードを入力。
Secondary PCのパスコードはシステムトレイにある Multiplicity のアイコンをダブルクリックしてホーム画面を開き、「クリックしてパスコードを表示」でいつでも確認できる。
設定完了後は右上の鍵アイコンをクリックして 施錠 に切り替えると設定をロック可能。
パソコン起動時に Multiplicityが反応しない(シームレスモードでマウスカーソルが移動しない)場合は、システムトレイに Multiplicity のアイコンが表示されているか確認し、アイコンがなければ Multiplicityを上書きインストール後にパソコンを再起動する。
KVMモード
KVM は CPU切替器のことで1組のマウス・キーボード・モニタを複数のパソコンで共有することができ、KVMモード選択時は追加した Secondary PCに表示されているパスコードを入力。
デフォルトで Primary PCのモニタ解像度にスケーリングする グローバルスケーリング に設定されているので、変更が必要な場合はリストから倍率を指定。
KVNモードのホーム画面に Secondary PC が追加される。
新たに Secondary PCを追加する場合は左サイドパネルの KVM 選択し、「PC追加」から追加する Secondary PCを選択してパスコードを入力。
KVMモード を起動するためのホットキーは KVMモードに切り替えるキー で設定。
Multiplicity の使い方
Multiplicity はパソコン起動時に自動起動してバックグラウンドで動作するため、シームレスモード では Multiplicityの操作は必要なく、クリップボードの共有 や パソコン間のドラッグ・アンド・ドロップ が可能で、複数のパソコンを使用しながら 1台のパソコンを操作しているような感覚で利用できる。
KVMモード
KVMモードは割り当てた ホットキー で接続画面が表示されるので「Connect」で接続。
ホーム画面の KVM から「接続する」でも接続可能。
KVMモードで接続すると画面上部にマウスオーバーでコントロールバーが表示されれ、Secondary PCがマルチモニタ環境の場合はモニタの切替や表示画面のフィット、 KVMモードの終了などの操作ができる。
KVMモードでは Primary PC と Secondary PC でクリップボードの共有は可能だが、ドラッグ・アンド・ドロップでのコピーは不可。
備考
類似の KVMアプリ Synergy より安定しており、クリップボードの共有だけでなく PC間のファイルコピーも可能で機能的にも優れている。
複数のパソコンを同時に使用している環境なら一度使うと手放せなくなるが、LAN経由で通信しているため環境によっては他のプログラムが干渉し、ブラウザなど特定のアプリがアクティブの場合にセカンダリーPCでキー入力がおかしくなるなど、使用環境固有の問題が発生する事がある。
購入方法
Multiplicit のライセンスは使用期限がなく、マイナーアップデートは無償の買切りタイプ。
公式サイト から購入するプランを選択。
KVMモードを使用する場合は Wake on Lan が利用できる KVM Pro を推奨。
支払い方法はクレジットカード・PayPal・銀行振込(WIRE TRANSFER)が可能で、決済システムは米国の FastSpring を利用している。
銀行振込は三井住友銀行のグローバルコレクトジャパン宛に振込。
決済が完了するとライセンスキーと Multiplicityのダウンロードリンクが表示される。
ライセンスキーとダウンロードリンクは「◯◯様 ご注文のレシートはこちら~」というタイトルのメールにも記載されている。
製品のアクティベート
ライセンスを購入したら Primary PCの Multiplicitを開いて 情報 の「ライセンス変更」をクリック。
プロダクトキーとメールアドレスを入力して「起動する」。
「終了」で Multiplicity が利用可能になる。
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