PC HelpSoft PC Cleaner のリスクとアンインストール

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PC HelpSoft PC Cleaner の特徴

  • 不要なレジストリなどを削除してパソコンを最適化するフリーミアムアプリ(有料製品の機能を制限して無料でインストールできる製品)
  • 2018年以前はローグウェアだった可能性が高く、一部のセキュリティアプリでは現在も PUAとして検出される

PUA/ PUP(Potentially Unwanted Application/ Potentially Unwanted Application Program)は パフォーマンスに影響を及ぼすプログラムや広告・プロモーションを行うプログラムのほか、セキュリティソフトを回避するアプリ、評判の悪いアプリ、バンドルアプリなどマルウェアほど明確な危険性はないが、悪用されるリスクがあるグレーウェアの総称。

開発元

  • 開発元ベンダー;PC HelpSoft
  • 開発元ベンダーの拠点:カナダ

PC HelpSoft はフランスの上場企業 Claranova(旧 BVRP Software SA)傘下の会社で、BVRP Software SAは 2003年に Avanquest Global Software Publishingを立ち上げ、Avanquest Fix-It Utilities・Driver Geniusをリリースしているが、PC HelpSoft 買収後は PC Cleaner・Driver Updater のホワイトラベル製品を OneSafe Software のブランドで販売している。

日本国内では 2006年にAvanquest Softwareとソフトバンクが出資した合弁会社 アバンクエストBB が設立され、当初は海外アプリを販売していたが現在サイトは閉鎖。

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Avanquest Software のサイトでは Avanquest Fix-It Utilities のほか、PC Cleanerや OneSafe PC Cleanerなども販売されている。

PC HelpSoft PC Cleaner の使用リスク

  • 無償で利用可能な機能とアップデートが必要な機能が混在して、ユーザーインターフェースが紛らわしい
  • 初期設定でインストールするとシステムに常駐し、ユーザーの不安を煽る通知を表示する場合がある

有料製品の機能を制限して無料でインストールできるフリーミアムアプリは、大なり小なりアップグレードへの導線が引かれており、トロイの木馬やスパイウェアのような性質もないため、アプリの使用リスクは限定的。

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セキュリティソフトの反応

2019年頃まではカスペルスキーやトレンドマイクロなども PUAとして検出していたが、現在の PC Cleaner(ver 9.0)・Driver Updater(Ver 6.2)のインストーラーに反応するセキュリティソフトはわずかで、PUAのブロックを有効にした Windows Defenderで Edgeを使用してダウンロード・インストールしてもブロックしない。

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VirusTotal では ESETDr.WebMalwarebytes などが PUA/ PUPとして検出するが、リスク判定したセキュリティアプリは 8%に留まり、Sophosカスペルスキー がインストールされた環境でも PUAは検出されなかった。

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Adw Cleaner を実行すると PC Cleanerは隔離された後、再起動時にアンインストールされる。

Driver Updater は隔離されない。

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ESET では PC Cleanerや Driver Updaterから Avanquestの名を冠した PUAを検出する。

PC HelpSoft PC Cleaner の概要

2018年 12月リリースの Chrome 71で実装された 不正なリダイレクトを規制する機能 や、セキュリティアプリによる PUAの検出により、 パソコンビギナーを標的にしたローグウェアは激減し、PC HelpSoftの製品もセキュリティソフトが脅威として検出しないレベルになっている。

ローグウェア(偽装セキュリティツール)は、閲覧中のウェブサイトがウイルス感染しているようなポップアップ表示などでユーザーの不安を煽ってアプリのインストールを促し、アプリをインストールすると偽のウイルス駆除のために代金を要求してくるマルウェア。

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インストール時に自動実行が有効になっているので、無効にせずにインストールすると自動的にスキャンが開始する。

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スキャン後は 審査してクリーンアップ で個別クリーニングは可能だが、「今すぐ修正」での一括処理は有料版へのアップグレードが必要。

Driver Updater はスキャンのみで、アップデートの実行には有料版へのアップグレードが必要。

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初期設定でシステムのモニタリングや通知などが有効になっているため、アプリを閉じる際に通知が表示されてバックグラウンドで動作する。

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モニタリングは設定で無効にできるが、設定画面が 設定 メニューではなく ツールボックス にあるなど配置は独特。

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自動スキャンとモニタリングが有効になっているので、何かあると通知が表示され、場合によっては 修復に有料版へのアップグレードが必要になる。

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アンインストール

現バージョンの PC Cleanerや Driver Updaterは通常のアプリなので、Windowsの アプリと機能 から アンインストールできる。

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アプリと機能 でアンインストールすると ProgramDataフォルダ内の PC Cleanerフォルダや、レジストリが削除されずに残るので、気になる場合は Revo Uninstaller などのアンインストール支援アプリで利用する。

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