Googleの個人情報収集と 脱Googleの手引き

Googleの利用に関する懸念

DeGoogle活動は Google をネットライフから排除することを掲げた草の根運動で、Googleからの脱却とプライバシー保護を訴えている。

  • フィルターバブル
    ユーザーが検索していると推測される検索結果を表示するアルゴリズムを採用しているため、現実と乖離した確証バイアスが発生しやすい状態を生みやすい。
  • プライバシーの侵害
    検索キーワード・閲覧したしたウェブサイト・位置情報・クリックした広告など、ユーザーの行動を追跡し、データを集約することで精緻なユーザープロファイルを作成、利用している。
  • データ漏えい
    Googleサービス間でデータが共有され、サードパーティ製アプリとの連携によって、外部の開発者がユーザーデータにアクセスが可能になる。
  • 精度の低い検索結果の表示
    検索ユーザーに対して広告の表示回数を増加させるため、故意に関連性の低いページを上位表示し、ユーザーが Googleの検索ページに戻るよう仕向けていることが 裁判の資料 から指摘されている。
  • 広告プラットフォーム化
    検索結果がスポンサーサイトとリスティング広告、画像、YouTubeのカルーセルなどで埋まり、純粋な検索結果が 1ページ目に表示されないなど、広告プラットフォーム化が進行している。
  • 検索結果の操作
    ウェブサイトのトラフィックに上限を設定している可能性が指摘されるなど、検索結果の公平性に対する疑念を払拭できていない。

Googleは情報収集のプロセスが不透明で、ユーザーがオプトアウトできないものや、オプトアウトの設定が分かりづらいなどのケースがプライバシーの侵害として提起され、改善策は講じられているが、1民間企業が精度の高い膨大な量の個人情報を収集することへの懸念は払拭できていない。

便利な Googleのサービスは無料で利用する代償として個人情報を提供している。

Googleの検索エンジン

2023年 Googleの検索結果ページは 更に収益化に傾倒し、検索順位が 1位でも実際に表示されるのはスポンサーサイトなどの下になるため、実質的に 3位以下での表示になり、検索キーワードによっては1ページ目に表示される純粋な検索結果が 3サイト程度になることも珍しくなく、精度の低い検索結果の表示による弊害もあって、世界中のサイト運営者から苦情が上がっている。
パソコンでは Bingや DackDack Goに切り替えるユーザーが増えており、2023年になって Googleは 5%もシェアを失っているが、裁判で  Googleのピチャイ最高経営責任者が支払いを認めた ように、Googleが自社の検索エンジンを初期設定にする対価として スマホメーカーに年間 100億ドル超を支払い、操作に不慣れなユーザーが多いモバイルデバイスで 95%以上のシェアを確保しており、検索の改善を謳いながら検索品質を低下させ、収益化を加速させている。
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プライバシー問題で告発された事案

  • Googleのロケーション履歴問題
    2018年 8月 14日 AP通信が「ロケーション履歴をオフにしていても Googleが一部の位置データを保存している」と報道し、4日後には米国でユーザーが Google を提訴。
  • Google + の個人情報 漏洩
    2018年 3月 Google+の APIにバグが発見されるまで 最大 50万人の個人情報が流出した可能性があり、 Google+ は 2019年 4月でサービスを終了。
  • Gmail の内容を外部の開発企業が閲覧
    サードパーティアプリケーション開発者が Gmail にアクセスでき、数千通のメールを読んでいたことが 2018年 7月 2日 の WSJで 報じられる。
  • Androidデバイスで 位置情報を収集
    2017年 11月 Quartz は GPSをオフにして位置情報が必要なアプリを使用せず、SIMカードをセットしていない状態でも、Androidデバイスがモバイルネットワークの基地局の情報(Cell ID)を収集しているという調査結果を公開。

    Googleは Quartzの調査結果を認めた上で、2017年 11月のアップデートで基地局の情報(Cell ID)収集を停止。
  • Google Chrome の問題
    2008年に米国の非営利団体 Consumer Watchdog は、Google Chrome がユーザーの同意なしにパソコン内部の情報をサーバに送信している動画を公開。
  • Gmail のプライバシー侵害
    2004年に Googleが Gmail のサービスを開始した際、世界中で 31の市民団体がプライバシーの侵害で懸念を表明。
    Gmail は 2017年までメール内容をスキャンして内容に応じた広告を表示しており、現在はメッセージの内容は広告に利用されていないが、GoogleカレンダーやGoogle Now で利用するため、メッセージのスキャンは継続している。

How to DeGoogle-001

Googleは独占禁止法違反(反トラスト法違反)で 2017年6月に欧州で「自社のショッピング検索サービスを優先的に表示」したとして24億2000万ユーロ(約3,000億円)の制裁金が科されたほか、2018年7月に欧州で「自社の比較サイトを優先的に表示」したとして43億4286万500ユーロ(約5700億円)、2019年3月には「オンライン広告市場で独占的な地位を悪用」したとしてEU競争法違反で14億9446万ユーロ(約1900億円)など、いずれも係争中だが、欧州だけでも約1兆円の罰金を巡って裁判が行われているほか、Android関連も合わせると米国・オーストラリア・韓国・インドなど世界中で提訴されている。

Googleアカウントの設定

利用できるサービスが多いほど、収集される情報がパーソナライズ化されて質と価値が向上するため、個人情報収集の潜在的なリスクを低減するためには、アカウントに関連付けるサービスを減らすしかなく、利便性とのトレードオフになる

how-to-degoogle-013

アカウント管理 で アクティブティなど一部のデータ収集は停止できる。

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セキュアな Googleの代替サービス

個人情報を収集しない検索エンジン

  • DuckDuckGo
    DuckDuckGo は トラッカーをブロックして 個人情報を収集しない検索エンジンで、プライバシー保護を重視しているアプリやサービスで利用が推奨されている。
  • Startpage
    Startpage は 検索結果の収集やトラッカーのない Google の 検索結果を表示するメタサーチエンジンで Google から移行しやすい。

プライバシーを保護するウェブブラウザ

  • Firefox
    デフォルトでトラッカーや仮想通貨のマイニングがブロックされ、閲覧履歴も収集しない。
  • Brave
    オープンソースの Chromiumをベースにしたウェブブラウザで、広告・トラッカーのブロックなどプライバシー保護が強化されている。

プライバシー保護を重視したメールサービス

  • Proton Mail
    エンドツーエンド(E2E)でメールを暗号化するだけでなく、ログの保存やトラッキングを行わない、プライバシー保護を重視した 匿名メールサービス。
  • Tutanota
    エンドツーエンド(E2E)による暗号化と ログの保存や トラッキングを行わない、プライバシー保護を重視した匿名メールサービス。

データが暗号化されるオンラインストレージサービス

  • Sync
    エンドツーエンド でデータを暗号化し、保存するデータも 暗号化される 数少ない プライバシーを重視した オンラインストレージサービス。
  • ProtonDrive
    エンドツーエンド でデータを暗号化し 保存するデータも 暗号化される オンラインストレージサービス。

Googleを除去した Android OS

  • LineageOS
    オープンソースで開発されている LineageOS は無償で提供され、セキュリティパッチも毎月配信されており、個人情報を収集するようなアプリは一切含まれていない。
  • /e/OS
    LineageOS のフォークで、独自のアプリストア を実装しているため、Googleアカウントを使用せずに利用できる。

Google Playストアの代替サービス

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