1台のパソコンに複数の OS をインストールできる 仮想化 アプリ
Oracle VM VirtualBox は Oracle が開発している PC /AT互換機のエミューレータで、1台のパソコンで 複数の OS を 独立したデバイスとして操作することができる。
ver 6. 1. 28 にアップグレード後 仮想マシンが起動できない場合
Windows 10 Pro で Hyper-V が有効になっている環境では 最新の ver 6. 1. 28 にバージョンアップすると Call to NEMR0InitVMPart2 failed: VERR_NEM_INIT_FAILED が表示され 仮想マシンが起動できないため ver 6. 1. 26 にダウングレードする。
Download VirtualBox (Old Builds)
VirtualBox のインストーラーはダウングレードが可能なので 6.1.28 のアンインストールは不要。
システム要件
バージョン 6. 1 現在
OS : Windows 7 / 8 / 8.1 / 10 ( 64 bitのみ )
CPU : intel VT / AMD-V をサポートしている intel / AMD のCPU
RAM : 実行するホスト・クライアント OS の推奨メモリ合計
HDD : インストールするクライアント OS に応じて数十GB
ソフトの入手先
Oracle VM VirtualBox 公式ダウンロードページ
Oracle VM VirtualBox のインストール
VirtualBox のインストーラーには アドウェア や スパイウェアは含まれていない。
ダウンロードページにある Oracle VM VirtualBox Base Packages のリンクをクリックして Windows Installer をダウンロード後 Oracle VM VirtualBox Extension Pack もダウンロード。
ダウンロードした VirtualBox 本体のインストーラーを起動すると セットアップウィザードが開始するので「 Next 」。
インストールするコンポーネント と インストール先 は デフォルト設定で「 Next 」。
スタートメニューへの登録 や デスクトップのショートカット作成 が不要であれば チェックを外して「 Next 」。
インストール時に ネットワークが一時的に切断されるので 続行する場合は「 Yes 」。
インストールの準備ができたので「 Install 」。
ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「 はい 」で許可。
シリアルバスコントローラーのインストールを訊ねてきたら「 インストール 」。
「 Finish 」をクリックしてセットアップウィザードを終了。
VirtualBox が起動したらダウンロードした Oracle VM VirtualBox Extension Pack を起動。
ダイアログが表示されたら「 インストール 」をクリック。
使用許諾書が表示されるので 内容を確認して問題なければ「 同意します 」をクリック。
ユーザーアカウント制御 のダイアログが 表示されたら「 はい 」で許可。
Oracle VM VirtualBox のセットアップ完了。
UEFI / BIOS の設定
ゲスト PC で利用する CPU コアの割り振りや 仮想化 支援機能を有効にするためには VirtualBox の設定を行う前に UEFI または BIOS の設定が必要。
UEFI / BIOS を起動して Advance や 詳細 にある CPU に関する項目で AMD は SVM ( Secure Virtual Machine ) 、 intelは Intel VirtualizationTechnology を有効にする。
Oracle VM VirtualBox の使い方
VirtualBox は ホストの CPU や メモリのリソースを割り振って 論理的に 別のパソコンが動作している環境を構築するため 低スペックな PC だと動作に支障がでる。
仮想マシンの作成
仮想マシンは CPU・メモリ・ストレージ を設定 して作成する。
メイン画面の 新規 をクリック。
各項目を設定して「 次へ 」。
マシンフォルダー : 空き容量に余裕のあるドライブを指定
タイプ : インストールする OS
バージョン : インストールする OS のバージョン
使用する 仮想マシン に割り当てるメモリサイズを指定。
仮想ハードディスクを作成する にチェックが入った状態で「 作成 」。
ファイル形式は VDI を選択して「 次へ 」。
VHD : Microsoft の仮想ディスクイメージ形式
VMDK : VMware の仮想ディスクイメージ形式
作成する仮想ハードディスクのサイズを選択。
仮想ディスクの最大サイズを指定。
OS が未インストール状態の仮想マシンが完成。
仮想マシンの設定
作成した仮想マシンの CPU や ビデオメモリ の設定をする。
左サイドバーから OS をセットアップする 仮想マシンを選択して 設定 をクリックすると 仮想マシンの設定画面が開く。
CPU
UEFI / BIOS で CPU の 仮想化 支援機能を有効にした場合は システム の プロセッサー タブで使用する CPU のコア数を指定可能。
デフォルトでは 1コアになっているので 仮想マシンの処理速度を高める場合は コア数を増やして 拡張機能 にチェックを入れる。
ゲストOS に Windows を使用する場合は システム の マザーボード タブにある 拡張機能の I/O APIC を有効化 になっているか確認。
EFI
EFI ( Extensible Firmware Interface ) は BIOS の後継になる ファームウェアのインターフェース仕様で、有効にすると ゲストOS を UEFI モードでインストールできる。
EFI モードで インストールする場合は システム の マザーボード タブにある 拡張機能の EFI を有効化 にチェックを入れる。
EFI を有効化 にしてゲストOS をインストールすると BIOS モードが UEFI になる。
ディスプレイ
ビデオメモリを ディスプレイ の項目で設定。
スムーズな描写のため ビデオメモリは最大サイズを推奨。
3D アクセラレーションを有効化 : 有効
ネットワーク
クライアント PC は デフォルトで NAT ( ネットワークアドレス変換 ) が有効になってるので、ホスト と クライアント PC の IP アドレス 間 で変換が実行され データの転送が可能で、ホストがインターネットに接続できれば クライアントもインターネットが利用できる。
NAT で IPアドレスの変換を行わず 直接 ホスト PC のネットワーク環境を利用する場合は ネットワーク で 割り当て を ブリッジアダプター に変更。
ブリッジアダプター を選択した場合は 名前 の項目でホスト PC が使用しているネットワークアダプタを指定する。
ブリッジアダプターにするとローカルネットワークに表示され、ネットワーク上にあるプリンタも TCP/IP で接続可能になる。
共有フォルダ
共有フォルダ はホスト PC の既存フォルダを共有設定して ホストとゲスト双方でアクセス可能にする。
共有フォルダを追加するには 左サイドバーの 共有フォルダ を選択して 右上のフォルダアイコンをクリック。
フォルダーのパス で その他 から共有するホスト PC のフォルダを選択し、ゲストPC 起動時に 共有フォルダへのアクセスを有効にする場合は 自動マウント にチェックを入れる。
ゲストOS のインストール
OS の インストールは OS のディスクを物理ドライブへセットするか ISO イメージファイル を使用する。
左サイドバーから OS をセットアップする 仮想マシンを選択して 設定。
左サイドバーの ストレージ を開いて ストレージデバイス から 空 の光学ドライブアイコンを選択。
属性 のディスクアイコンをクリックして、ホストPC の物理ドライブを使用して ゲストOS をインストールする場合は ホストドライブ 、ISO イメージファイル を使用する場合は ディスクファイルを選択 して OS の ISOファイルを指定。
デバイスのブート設定 を変更する場合は 左サイドバーの システム の 起動順序 で編集。
設定が完了したら OS をインストールするため 起動 をクリック。
EFI モードで ゲストOS をインストールすると OS 起動時に VirtualBox のロゴが 表示される。
セットした OS の起動ディスクを読み込み セットアップが開始するので OS をインストールする。
マウス / キーボード のキャプチャ
作成した 仮想マシンに OS をインストールする際 ゲストOS で マウスがサポートされていない状況だと Virtual Box が マウス と キーボード をキャプチャして ゲストOS に入力を可能にするが、キャプチャが有効になると ゲストOS のウインドウから マウスが抜け出せなくなる。
ゲストOS が マウス / キーボード をサポートしていない場合 ゲストOS の画面をクリックすると ダイアログが表示され キャプチャー を選択すれば ゲストOS 内で マウス操作が可能になる。
「 右 Ctrl 」が使用できない場合などは Virtual Box の 上部メニューバーの ファイル から 環境設定 を開き、 入力 の 仮想マシン タブにある ホストキーの組み合わせ のショートカットを任意に変更する。
Windows 11 へのアップグレード・インストールは下記参照

Oracle VirtualBox で Windows 11 を使用する方法
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Guest Additions のインストール
ゲストOS のインストールが完了したら ホスト・ゲスト間 の マウス / キーボードの統合 や クリップボード共有 , ドラッグ・アンド・ドロップ , 解像度の変更 などを サポートする Guest Additions をインストールする。
メニューバーの デバイスから Guest Additions CDイメージの挿入 を選択。
Guest Additions のセットアップウィザードが起動しない場合は PC を開いて マウントされている CD ドライブを開き VBox Windows Additions を起動。
Guest Additions のセットアップウィザード が開始するので デフォルト設定で インストール。
システムデバイスのインストールを訊かれたら「 インストール 」。
「 Finish 」で OS を再起動してセットアップ完了。
クリップボード / ドラッグ & ドロップ
ゲストOS が再起動したら クリップボード と ドラッグ & ドロップ の設定をする。
メニューバーの デバイス にある クリップボードの共有 と ドラッグ & ドロップ を 双方向 に変更すると ホストとゲスト間で ファイルの移動 や コピペが可能になる。
ゲストOS の画面自動リサイズ
Guest Additions をインストールすると ゲストOS は VirtualBox のウィンドウサイズに 自動でリサイズされる。
画面サイズが 変わらない場合は メニューバーの 表示 から ゲストOS の画面自動リサイズ をクリックして無効にしてから再度 クリックして有効にする。
メニューバー / ツールバー の 再表示
表示モード をフルスクリーンや「シームレス に変更して 上部メニューバー や ウインドウ下のツールバーが非表示になった場合は Host キー ( 右 Ctrl ) + Home キー で メニューを呼び出せる。
スケールモード を選択した場合は 右 Ctrl キー + Home キー でメニューを呼び出して 表示 から スケールモード を再選択してチェックを外すと 通常画面に戻る。
ホスト デバイスへの接続
DVD や CD , USB メモリなど 外部デバイスを利用する場合は 対象となるデバイスをマウントする。
外部デバイスをマウントするには上部メニューバーの デバイス から対象のデバイスを選択。
ホスト PC に接続されているデバイスをマウントすることでゲスト PC で利用可能になる。
ホスト PC にプリンタを USB接続し ゲスト PC でマウント後にドライバをインストールすれば Windows 10 を未サポートのプリンタも利用できる。
仮想マシンのクローン と 移動 / 削除
作成した 仮想マシン は クローンを作成できるため テスト用の環境など 用途によって使い分けが可能。
クローンの作成は コピー元の 仮想マシンを選択して コンテキストメニュー ( 右クリックメニュー ) から クローン を選択するか、コピー元の 仮想マシンを選択して メニューバーの 仮想マシン から クローン を選択。
クローンの設定画面が開くので 名前 や 保存先 などを 設定して クローン で実行。
元の仮想マシン をコピーするため 元の仮想マシンを削除しても 動作可能だが クローンに時間がかかり ファイルサイズも大きくなる。
リンクしたクローン
元の仮想マシンをベースにしているため 元の仮想マシンを削除すると 起動できない反面 クローン処理が早く ファイルサイズも抑えることができる。
仮想マシンの移動
作成した仮想マシンの保存先を変更する場合は VirtualBox のホームメニューから 操作する。
仮想マシンの移動は コピー元の 仮想マシンを選択して コンテキストメニュー ( 右クリックメニュー ) から 移動 で 移動先を指定する。
仮想マシンの削除
作成した仮想マシンを削除する場合も VirtualBox のホームメニューから 操作する。
仮想マシンの削除は 削除する仮想マシンを選択して コンテキストメニュー ( 右クリックメニュー ) から 除去 。
すべてのファイルを削除 で 仮想マシンのデータが削除され、 除去のみ はファイルは保存されたまま VirtualBox の登録から削除される。
スナップショットの削除
リンクでクローンを作成した仮想マシンを削除しても リンク元の仮想マシンは スナップショットを削除するまで ( 〇〇のリンク ) と 削除した仮想マシンが表示される。
リンクでクローンを作成した際のスナップショットが保存されているため クローンを削除しても リンク元には クリンク先が表示される。
スナップショットを削除する場合は 仮想マシンのメニューから「 スナップショット 」を選択。
すでに削除しているクローンのスナップショッを選択して 削除 。
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