1台のパソコンに複数の OS をインストールできる 仮想化 アプリ
Oracle VM VirtualBox は 米国のソフトウェアベンダー Oracle が開発している PC/AT互換機のエミューレータで、1台のパソコンで 複数の OS を 独立したデバイスとして操作することができ、バージョン 7.0 から TPM2.0 と セキュアブート をサポートして Windows 11 のインストールも可能になった。
VirtualBox 6. 1 からバージョンアップする場合は 上書きインストールが可能だが、アップグレードすると EFI でインストールした ゲストOS の Windows10/ 11 が起動しない。

VirtualBox7.0にアップグレード後 OSが起動しない場合の対処法
VirtualBox 6.1 から 7.0 にアップグレードした際に EFIモードの OS が起動しない場合の対処法 VirtualBox 6.1 から 7.0 にアップグレードした際 EFIモード でインストールした […]
アップグレードに不具合が生じた場合は VirtualBox 6. 1 と Extension Pack を上書きインストールすればダウングレードできる。
Oracle VM VirtualBox 6.1 については下記参照

Oracle VM VirtualBox 6.1 のインストールと使い方
Oracle VM VirtualBox は メジャーバージョンアップして 7. 0 がリリースされ、Oracle VM VirtualBox 6. 1 は 2023年 12 でサポートが終了 する。 Oracle V […]
システム要件
バージョン 7. 0. 4 現在
OS : Windows 8.1/ 10/ 11 21H2 ( 64-bit のみ )
CPU : SSE2 をサポートした CPU
RAM : 実行するホスト・クライアント OS の推奨メモリ合計
HDD : インストールするクライアント OS に応じて数十GB
マルチプロセッサを使用する場合は ハードウェアを仮想化するため Intel VT/ AMD-V をサポートした CPU の利用と BIOS の設定が必要。
Microsoft Visual C++ Redistributable のインストール
Oracle VM VirtualBox 7.0 は Microsoft Visual C++ Redistributable 2019 が必要なので、パソコンに未インストールの場合はインストールする。
ダウンロードページ から x64 を選択して「 ダウンロード 」でインストーラーをダウンロード。
ダウンロードした インストーラーを起動し、Microsoft Visual C++ 2015-2022 Redistributable をインストールして PC を再起動。
ソフトの入手先
Oracle VM VirtualBox 公式ダウンロードページ
Oracle VM VirtualBox のインストール
VirtualBox のインストーラーには アドウェア や スパイウェアは含まれていない。
ダウンロードページにある Oracle VM VirtualBox Base Packages のリンクをクリックして Windows Installer をダウンロード後、Oracle VM VirtualBox Extension Pack もダウンロード。
ダウンロードした VirtualBox のインストーラーを起動し、ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「 はい 」で許可。
セットアップウィザードが開始するので「 Next 」。
インストールするコンポーネント と インストール先 は デフォルト設定で「 Next 」。
インストール時に ネットワークが一時的に切断されるので 続行する場合は「 Yes 」。
Python Core と win32api がインストールされるので「 Yes 」。
インストールの準備ができたので「 Install 」。
「 Finish 」をクリックしてセットアップウィザードを終了し、起動した VirtualBox を閉じてから ダウンロードした Oracle VM VirtualBox Extension Pack を開く。
VirtualBox が起動して ダイアログが表示されたら「 インストール 」をクリック。
使用許諾書が表示されるので 内容を確認して問題なければ「 同意します 」をクリック。
Oracle VM VirtualBox のセットアップ完了。
UEFI/ BIOS の設定
ゲスト PC で利用する CPU コアの割り振りや 仮想化 支援機能を有効にするためには、VirtualBox の設定を行う前に UEFI/ BIOS を設定する。
UEFI/ BIOS を起動して Advance や 詳細 にある CPU に関する項目で、AMD は SVM ( Secure Virtual Machine ) 、Intel は Intel VirtualizationTechnology を有効にする。
Oracle VM VirtualBox の使い方
VirtualBox は ホストの CPU や メモリのリソースを割り振って 論理的に 別のパソコンが動作している環境を構築するため、低スペックな PC だと動作に支障がでる。
Oracle VM VirtualBox ユーザーマニュアル
仮想マシンの作成
仮想マシンは CPU・メモリ・ストレージ を設定 して作成する。
ホーム画面の 新規 をクリック。
各項目を設定して「 次へ 」。
Folder ( マシンフォルダー ) : 空き容量に余裕のあるドライブを指定。
ISO image : インストールする OS ( ゲストOS ) の ISO イメージファイル
タイプ : インストールする OS
バージョン : インストールする OS のバージョン
ISO イメージファイルではなく OS のインストールディスク を使用して ゲストOS をインストールする場合は ISO image を空欄にする。
メインメモリー で 使用する 仮想マシン に割り当てるメモリサイズを指定し、UEFI で Intel VT/ AMD-V を有効にしている場合は Processor で 使用する CPU のコア数を設定して「 次へ 」。
EFI ( Extensible Firmware Interface ) は BIOS の後継になる ファームウェアのインターフェース仕様で、有効にすると ゲストOS を UEFI モードでインストールできる。
Creative a Virtual Hard Disk Now ( 仮想ハードディスクを作成する ) にチェックが入った状態で、Disk Size で 作成する 仮想ハードディスクのサイズ を設定。
設定内容を確認して「 完了 」。
OS が未インストール状態の仮想マシンが追加される。
仮想マシンの設定
必要に応じて 作成した仮想マシンの設定を編集する。
左サイドバーから 設定する 仮想マシン を選択して 設定 をクリック。
一般
ホストとゲスト間で ファイルの移動 や コピペ を可能にするため クリップボード と ドラッグ & ドロップ の設定をする。
一般 の 高度 タブを選択して クリップボードの共有 と ドラッグ & ドロップ を 双方向 に変更。
システム
システム では 仮想マシン の作成時に設定した メモリサイズ や CPU のコア数の編集のほか、ブート設定、ネステッドVT-x/AMD-V などの設定ができる。
メモリサイズ や ブート設定 は マザーボード タブで編集。
CPUコア数 変更 や ネステッドVT-x/AMD-V を有効にする場合は プロセッサー タブで編集。
32-bit の OS で 4GB 以上の メモリを扱う拡張機能 で、有効にすると ホストPC の PAE/ NX 機能が 仮想マシンで使用可能になり、ホストOS が32-bit で ゲストOS に Ubuntサーバ を使用する際には必須。
ネステッドVT-x/AMD-V( 使用する際には UEFI/ BIOS の設定が必要 )
仮想マシン を ハードウェアレベルで システムリソースの割り当てを実行するため、ソフトウェアレベルでの割り当てに比べ処理能力が向上する。
ディスプレイ
ビデオメモリを ディスプレイ の項目で設定。
スムーズな描写のため ビデオメモリは最大サイズを推奨。
3D アクセラレーションを有効化 : 有効
ストレージ
システムドライブ と 仮想光学ドライブ 以外に ドライブを追加する場合は ストレージ で設定。
ストレージデバイス の 追加アイコン をクリックすると 選択画面になるので、追加 で既存の仮想ディスク を選択するか 作成 で 仮想ディスク を作成する。
ネットワーク
クライアント PC は デフォルトで NAT ( ネットワークアドレス変換 ) が有効になっているため、ホスト と クライアント PC の IP アドレス 間 で変換が実行され データの転送が可能で、ホストがインターネットに接続できれば クライアントもインターネットが利用できる。
NAT で IPアドレスの変換を行わず、直接 ホスト PC のネットワーク環境を利用する場合は ネットワーク で 割り当て を ブリッジアダプター に変更。
EFI を有効にして OS をインストールする場合、ブリッジアダプター に変更すると インストール時にエラーが発生するため、EFI モードでインストールする際は NAT を使用して インストール後に ブリッジアダプター に変更。
ブリッジアダプター を選択した場合は 名前 の項目でホスト PC が使用しているネットワークアダプタを指定する。
共有フォルダ
共有フォルダ はホスト PC の既存フォルダを共有設定して ホストとゲスト双方でアクセス可能にする。
共有フォルダを追加するには 左サイドバーの 共有フォルダ を選択して 右上のフォルダアイコンをクリック。
フォルダーのパス で その他 から共有するホスト PC のフォルダを選択し、ゲストPC 起動時に 共有フォルダへのアクセスを有効にする場合は 自動マウント にチェックを入れる。
ゲストOS のインストール
仮想マシンの作成時に OS の ISOイメージファイルを指定している場合は マシンを起動してセットアップを行う。
左サイドバーから OS をセットアップする 仮想マシンを選択して 起動 をクリック。
仮想マシンが起動すると 右サイドに 通知センター が表示され、通知アイコンで 表示/ 非表示 の切り替えができる。
OS をインストール。
インストールが終了したら セットアップして完了。
インストールが完了したら 設定 の ストレージ を開いて OS の ISOファイル を選択し、属性 にある 光学ドライブ のメニューから 仮想ドライブからディスクを除去 で開放する。
CD/ DVD を使用したインストール
ISO イメージファイルではなく インストールディスク を使用して ゲストOS をインストールする場合は、仮想マシンに ホストのディスクドライブを追加する。
設定 の ストレージ を開いて ストレージデバイス から 空 の光学ドライブアイコンを選択。
属性 のディスクアイコンをクリックして ホストドライブ を指定し、ホスト の光学ドライブに インストールディスクをセット後、仮想マシンを起動する。
Guest Additions のインストール
ゲストOS のインストールが完了したら ホスト・ゲスト間 の マウス/ キーボードの統合・クリップボード共有・ドラッグ アンド ドロップ・解像度の変更 などを サポートする Guest Additions をインストールする。
ゲストOS を起動して、メニューバーの デバイスから Guest Additions CDイメージの挿入 を選択。
Guest Additions のセットアップウィザードが起動しない場合は、 PC を開いて マウントされている CD ドライブを開き VBox Windows Additions を起動。
ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されるので「 はい 」で許可。
Guest Additions のセットアップウィザード が開始するので デフォルト設定で インストール。
「 Finish 」で OS を再起動してセットアップ完了。
メニューバー/ ツールバー の 再表示
表示モード をフルスクリーンや シームレス に変更して メニューバー や ウインドウ下のツールバーが非表示になった場合は、Host キー ( 右 Ctrl ) + Home キー で メニューを呼び出せる。
スケールモード を選択した場合は 右 Ctrl キー + Home キー でメニューを呼び出し、表示 から スケールモード を再選択してチェックを外すと 通常画面に戻る。
ホスト デバイスへの接続
CD/ DVD・USB メモリ など 外部デバイスを利用する場合は 対象となるデバイスをマウントする。
外部デバイスをマウントするには メニューバーの デバイス から対象のデバイスを選択し、ホスト PC に接続されているデバイスをマウントすれば ゲスト PC で利用可能になる。
Windows 11 の ホスト PC にプリンタを USB接続し、Windows XP の ゲスト PC でマウント後にドライバをインストールすれば Windows 11 で 未サポートのプリンタも利用できる。
仮想マシンのクローン
作成した 仮想マシン は クローンを作成できるため、テスト用の環境など 用途によって使い分けが可能。
クローンの作成は コピー元の 仮想マシンを選択して コンテキストメニュー ( 右クリックメニュー ) から クローン を選択するか、コピー元の 仮想マシンを選択して メニューバーの 仮想マシン から クローン を選択。
クローンの設定画面が開くので 名前 や 保存先 などを 設定して「 次へ 」
追加オプションが無効の状態だと クローンで作成した仮想マシンのライセンス認証が解除され、別デバイスとして 新たにライセンス認証が必要になる。
クローンタイプを選択して「 次へ 」でクローン処理が実行される。
元の仮想マシン をコピーするため 元の仮想マシンを削除しても 動作可能だが、クローンに時間がかかり ファイルサイズも大きくなる。
リンクしたクローン
元の仮想マシンをベースにしているため 元の仮想マシンを削除すると 起動できないが、クローン処理が早く ファイルサイズも抑えることができる。
最新の Windows は クローンで作成した 仮想マシンの初期化 や Windows の再インストールを行うと ライセンス認証が必要になる。
仮想マシンの移動
作成した仮想マシンの保存先を変更する場合は、VirtualBox のホームメニューから 操作する。
仮想マシンの移動は コピー元の 仮想マシンを選択して コンテキストメニュー ( 右クリックメニュー ) から 移動 で 移動先を指定する。
仮想マシンの削除
作成した仮想マシンを削除する場合も VirtualBox のホームメニューから 操作する。
仮想マシンの削除は 削除する仮想マシンを選択して コンテキストメニュー ( 右クリックメニュー ) から 除去 。
すべてのファイルを削除 で 仮想マシンのデータが削除され、 除去のみ はファイルは保存されたまま VirtualBox の登録から削除される。
スナップショット
スナップショット は システムイメージを保存する Windows の システムの復元ポイント と同じような機能で、保存した スナップショットの状態に ロールバックできる。
現在のシステムイメージを保存したい場合は 仮想マシンを終了後 プロパティ を選択して 属性 タブの 名前 に 任意の名前を付けて「 作成 」。
ロールバックする場合は 復元するスナップショットを選択して 復元 で実行。
スナップショットの削除
リンクでクローンを作成した仮想マシンを削除しても、リンク元の仮想マシンは スナップショットを削除するまで ( 〇〇のリンク ) と 削除した仮想マシンが表示される。
リンクでクローンを作成した際のスナップショットが保存されているため、クローンを削除しても リンク元には リンク先が表示される。
スナップショットを削除する場合は 仮想マシンのメニューから「 スナップショット 」を選択。
すでに削除しているクローンのスナップショッを選択して 削除 。
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