動画のカット編集が無劣化で行えるオープンソースの無料 動画編集ソフト
Avidemux はオープンソースで開発が進められている ノンリニア編集の無料動画エディタで、動画のカット編集 と 音ズレの補正が 無劣化で行えるほか エフェクト や フィルタリングの処理も可能。
システム要件
バージョン 2. 8. 0 現在
OS : Windows Vista/ 7/ 8/ 10
ソフトの入手先
Avidemux のインストール
Avidemux のインストーラーに アドウェア や スパイウェアは含まれていない。
FossHub の Avidemux ページから インストーラーをダウンロード。
インストーラーを起動するとセットアップウィザードが開始するので「 次へ 」。
インストール先にこだわりがなければ デフォルト設定で「 次へ 」。
コンポーネントの選択も デフォルト設定で「 Next 」。
使用許諾書に問題なければ ライセンスに同意する にチェックを入れて「 次へ 」。
スタートメニューに追加するショートカットも デフォルト設定で「 次へ 」をクリック。
ユーザーアカウント制御のダイアログが表示されたら「 はい 」で許可すると インストールが開始する。
「 完了 」でセットアップが完了。
日本語化
Avidumux は初期状態では ほとんど英語表記になっているため、TiltStrさんのサイトから日本語パッチをダウンロードする。
TiltStr Avidemux 日本語言語ファイルダウンロードページ
ver.2.8.0 の「 Download 」アイコンをクリックして Zip ファイルをダウンロード。
ダウンロードした ZIP ファイルを解凍後、フォルダ内の Avidemux _ja.qm ファイルを Avidemux フォルダ内にある i18n フォルダへ移動。
ファイルの置換またはスキップ ダイアログが表示されたら ファイルを置き換える を選択し、アクセス拒否 のダイアログが表示されるので「 続行 」をクリック。
C:\Program Files\Avidemux 2.8 VC++ 64bits\qt5
Avidemux を起動して 日本語化されていることを確認したらセットアップ完了。
Avidemux の使い方
Avidemux は カット編集・音ズレの補正・ファイルの結合・エンコード・各種フィルタの適用 が可能で、無劣化編集の場合 フィルタは利用できず、ファイルの結合も 解像度が同一のものに限られる。
サポートしている ビデオコーデック
サポートしている 動画ファイル
ファイルは Avidemux にドラッグで追加できるほか、メニューバーの ファイル から 開く、ツールアイコンの ビデオを開く からも 追加可能。
Avidemux に取り込んだ動画の情報は、メニューバーの ファイル にある インフォメーション で確認できる。
追加した動画ファイルの操作は シークバー と コントロールボタンで行う。
: フレーム移動
: キーフレームに移動
: 開始 / 終了 マーカー
: 黒ベタフレームの検索
: 先頭 / 末尾のフレームへ移動
: 60 秒前 / 60 秒後に移動
シャトルリングは 速度調整をしながら 早送り と 巻き戻し ができる。
フレームの種類
コーデックを使用して圧縮されている動画の場合、圧縮されたフレームには Iフレーム・Pフレーム・Bフレーム の 3種類ある。
1フレームで完結しており 元のフレーム画像を復元できる フレーム。
Pフレーム
Iフレームの画像との差分情報のみフレームで、Pフレームをデコードするためには 直前のIフレームの情報が必要。
Bフレーム
前後のフレームとの差分も使って圧縮されたフレームで、Bフレームをデコードするためには 前後の Iフレーム と Pフレームの情報が必要。
上が キーフレーム ( I フレーム ) 、下が Pフレームのイメージで、キーフレーム以外は情報が欠落しているため、無劣化でカットする場合は キーフレームを指定する必要がある。
ビデオを再エンコードしない Copy モードで キーフレーム以外のフレームでカットすると、ビデオはコピーモードですが、カット位置がキーフレームではありません。 と ダイアログメッセージが表示される。
現在選択しているフレームは フレーム形式 で確認できる。
無劣化のカット編集
無劣化のカット編集は キーフレーム ( I フレーム ) でカットすることで、再エンコードせずに 出力できる。
カット編集は 開始フレーム と 終了フレーム にマーカーをする。
A アイコンが 開始マーカー 、Bアイコンが 終了マーカーで、シークバー や コントロールボタン でカットするキーフレームに移動して マーカーを行う。
マーカーした部分は シークバー上 に青枠で表示され、 Ctrl + x もしくは Delete で指定範囲が削除される。
カット編集した動画を 無劣化 で出力するには、映像出力 と 音声出力 の項目を Copy にする。
出力形式 はソース ( 素材 ) で使用しているコーデックを格納できるコンテナであれば 何を選んでも問題ないが、ソースと同じ ファイル形式 を選択するのが一般的。
編集と設定が完了したら ツールアイコンの ビデオの保存 をクリックし、保存先 と ファイル名を指定後に「 保存 」。
映像のみ出力
無圧縮出力では 動画から音声を削除することも可能。
メニューバーの 音声 から トラック選択 を選択。
音声トラック構成設定 で有効になっている トラック 1 のチェックを外し、映像出力 と 音声出力 を Copy で出力すると 音声が削除された 映像のみのファイルが作成できる。
音声の差し替え と 多重音声
音声トラックの構成設定 では 音声トラックを追加 から MP3 や AAC などの 音声ファイルを指定すると 音声を変更できる。
映像 と 音声の収録時間が異なる場合、映像が優先されるため 音声が映像より長いと途中で切れ、短いと無音状態になるので、事前に Audacityなどで音声ファイルを編集しておく。
トラック 1 と トラック 2 など 複数のトラックを有効にすると、多重音声 としてファイル出力され、デフォルト音源は トラック 1 が再生される。
音ズレの ロスレス補正
映像 と 音声 にズレが生じている動画ファイル も 映像出力・音声出力 で Copy を選択することで 無劣化 補正が可能。
音声出力 で シフト を有効にし、任意の時間を指定後 ツールアイコンの ビデオの保存 をクリックして「 保存 」。
エンコード 出力
キーフレーム 以外のフレームでカットする場合 や フィルタ を使用する際は、ロスレス出力 ができないため 再エンコード が必要になる。
カット編集した動画を 再エンコード して 出力するには、映像出力 の項目で エンコード に使用する ビデオコーデックを指定する。
編集が完了したら フロッピーアイコンをクリックして 保存先とファイル名を指定して「 保存 」。
映像の構成設定
エンコードするコーデックに MPEG など非可逆のタイプを選択した場合は 構成設定 が可能で、選択したコーデックによって内容は異なるが、エンコーディングモード や ビットレート などの設定ができる。
構成設定を変更する場合は 映像出力 の「 構成 」を選択。
Mpeg4 AVC の 構成 では エンコーディングモード や 品質 の編集が可能。
映像フィルタの適用
Avidemux は強力なフィルタ機能があり、ノイズ除去 や 輪郭のシャープ化 などソースを鮮明にするフィルタの他、グレースケール ・インターレース解除・フェード処理・拡大縮小 などの処理が可能。
映像出力 で Copy 以外のコーデックにすると「 フィルター 」が選択可能になる。
フィルタは トランスフォーム・インターレース・カラー・ノイズ・シャープ・字幕 ・芸術的 があり、フィルタは併用できる。
トランスフォーム
トランスフォームは 変形 のフィルタで、クロック や FPSの変更、ロゴを追加 がある。
クロップは映像を切り取って任意のサイズに変更するフィルタで、フィルタは映像全編に適用され、部分的な範囲指定はできない。
左右や上下に入っている黒帯を消す場合などに有効で、黒帯を消す場合は右上の「 自動クロップ 」で選択できる。
FPSを変更
動画全体のフレームレートを変更するフィルタで、ソースよりもフレームレートを減らすと再生速度が下がり(スロー再生)、増やすと再生速度が上がる。
ソースのフレーム数を削減したり 追加するのではなく、フレームの表示数を変更するだけなので 画質には影響がない。
リサンプルFPS
再生時間を変更せずに 指定したフレームレートに合わせ、既存のフレームを削除 もしくは 複製を行うフィルタ。
ロゴを追加
指定した画像ファイルを動画に挿入するフィルタで 表示範囲 は指定できず 動画全編 に表示される。
画像のサイズ変更はできないので 事前にサイズ調整したロゴ画像が必要。
背景を透過している PNG や GIF も挿入可能で フェードイン / アウト の エフェクトも設定できる。
上下反転・回転・左右反転
動画全体を上下反転・回転・左右反転 させるフィルタで、回転のみ角度を設定する。
境界を追加
ソースに黒帯を追加するフィルタで 追加する黒帯のサイズを指定。
拡大
クロップした範囲を拡大するフィルタ。
拡大縮小
映像を拡大縮小するフィルタ。
黒縞境界帯
映像に黒帯を追加するフィルタ。
アスペクト比を固定 にチェックを入れると ソース・目標値 のアスペクト比が選択可能になるので、エラー X / Y が 0 になるよう 拡大・縮小率を設定。
拡大縮小方式
中間値をとるもので ダウンサイジング ( 縮小 ) に適している
バイキュービック
バイリニアより滑らかな中間値をとるもので アップスケーリング ( 拡大 ) に適している。
Lanzcos3
周辺の画素から値を算出する拡大法で バイキュービック よりも高画質を得られる。
スプライン
区分多項式 の補完法で、ランチョスよりもシャープな結果が得られる。
ニアレストネイバー法
補完する箇所に最も近い位置にある画素を使用して補完するため 色数は抑えられるが画質は悪い。
トランジション
シーンチェンジに使用する フェード や 黒ベタ などがある。
インターレース
インターレースはアナログ放送やビデオで使用されている走査線を奇数と偶数に分けて送信する方式で、デジタル化すると縞々になる。
インターレース解除とは交互に欠けている走査線を補完して表示する技術で、ちらつきを押さえる効果がある。
カラー
カラー ではコントラストの調整のほか、色相・彩度やグレースケールなどの調整が可能。
ノイズ・シャープ
ノイズ は映像に含まれる ノイズを除去するフィルタで、シャープ は 輪郭を強調するようなフィルタ。
字幕
ASS, SRT などの字幕ファイルをインポートして、動画に字幕を挿入することも可能。
芸術的
芸術的 は アスキーアートへの変換 や マトリックス風にするフィルタ。
ピクセル化 や クロマキー などのフィルタも登録されている。
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