シンプルで使いやすいリモートデスクトップアプリ
Splashtop は PC をリモート操作するアプリで、ホストになるサーバまたはパソコンに「 Streamer 」というプログラムをインストールし、クライアント端末には Splashtop 2 というプログラムをインストールして使用する。
Splashtop には ホストとクライアント間でのファイル転送などの機能はないものの、音声や画面の表示設定などもあり、シンプルにリモート操作するなら必要十分。
ただ、無料で使用できるのは同一ネットワーク内にあるパソコンのみで、 Splashtop の真価が発揮される外部からのリモート操作を可能にするには、月額で100円強の定額料金が必要。
Splashtop を使用する際は「操作する PC やサーバが起動状態にある」ことが前提条件のため、リモート操作する PC は常時起動させておくか Wake On LAN を設定して外部から起動する必要がある。
Wake On LAN の設定
パソコンを遠隔起動させる WOL は NIC が実装している機能で、パソコンはシャットダウンしている状態でも電源ケーブルが接続されていれば マザーボードには 待機電源が供給されているため、WOL を有効にすることでネットワークアダプタからの起動が可能になる。
WOL は NIC に割り振られている 物理アドレス や MACアドレス , ノードID と呼ばれる固有の識別番号 宛に マジックパケット という信号を送信して起動させる仕組みのため、外部ネットワークから遠隔起動する場合は ルーターの設定も必要になる。
詳細は下記参照。

Windows10の Wake On Lan (WOL)設定
遠隔操作で Windows を起動させるための Wake On LAN 設定 Wake On LAN (WOL)はスリープ状態やシャットダウンしているパソコンに対して、マジックパケットと呼ばれる信号を送信して起動させる仕 […]
システム要件
Splashtop Streamer
バージョン 3.3.2.1 現在
OS:Windows XP Pro / Vista / 7 / 8 / 10
CPU:2コア1.6GHz以上
RAM:1GB以上
オーディオ設定:32khz~96khz
Splashtop 2 (for Windows)
バージョン2.6.4.0現在
OS:Windows XP / Vista / 7 / 8 / 10
CPU:Intel AtomおよびPentium M以上
RAM:1GB以上
DirectX:9.0以上
※最新のグラフィックドライバ
ソフトの入手先
日本語サイトは有料の法人向けなので、個人で使用する場合は本家サイトの Splashtop Personalをダウンロードする。
Splashtop Streamer のインストール
Splashtop Personal のダウンロードページには Streamer と Splashtop 2 のダウンロードリンクが表示されており、リモートで操作される(ホスト)側の PC に Streamer をインストールする。
Streamer は「remote to:」と表示されている右側になる。Streamer 側の「 WindowsXP,7,8,10 」のリンクをクリックしてインストーラーをダウンロード。
インストーラーを起動してユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」で許可。
後は自動的にインストールされる。
Streamer の設定画面が開いたらインストール完了。
すでに Splashtop アカウントを取得している場合は、アカウント情報を入力してログイン。
アカウントを取得していない場合は アカウントを作成する。
ログイン後、仮想ドライバーのインストール画面がでるので「インストール」を選択。
このドライバーはホスト側のモニタを非表示にする機能を追加するもので、 Streamer のセキュリティ設定で「画面を非表示にします」を有効にする場合に使用する。
アカウントの作成
Splashtop は Streamer と Splashtop 2 をアカウントとパスワードを使用して接続するので、 Streamer をインストールしたらアカウントを作成する。
Streamer の「状態」タブにある「 Splashtop アカウントを作成」をクリック。
アカウントはメールアドレスとパスワードのみなので、任意のアドレスとパスワードを入力して「アカウントの作成」をクリック。
無事にアカウント作成。
初めの画面に戻るのでアカウントを入力してログイン。
左のナビゲートメニューから「設定」を選択し、「自動起動」にチェックが入っているか確認。
「リモート接続を介した音声のみ出力」はリモートアクセスで音声を再生する際に ホスト ( Streamer 側)がミュートになる。
「このコンピューターの音声のみに出力」はリモートアクセスで ホスト の PC から音声を出力するもので、操作しているデバイスからは音声が出力されない。
「このコンピューターとリモート接続の両方の音声を出力」は ホスト からも操作しているデバイス側からも音声が出力される。
「スリープ設定の変更」をクリックするとコントロールパネルの「電源オプション」が開くので、スリープに入る時間等を任意で行う。
デフォルトのままだとセキュリティは設定されておらず、 Splashtop を起動できれば誰でもリモート操作が可能になってしまうので、セキュリティ設定の実施を推奨。
Windowsアカウントのパスワード、または Splashtop で設定したセキュリティコードのいずれか、もしくは両方でセキュリティをかけることができる。
また、「 接続終了時の自動ロック 」「 画面の非表示機能 」「 キーボードとマウスのロック 」もあるので必要に応じてチェックを入れておく。
「画面の非表示機能」を有効にすると、リモート操作時のホスト( Streamer 側 )の PC 画面は上図のようになり、マウスカーソルは表示されるが、作業状態を隠すことができる。
「画面を非表示にします」を有効にしてもリモート接続時にモニタがブランク状態にならない場合はドライバを再インストールする。
C:\Program Files (x86)\Splashtop\Splashtop Remote\Server\Driver\Monitor
上記のアドレスにアクセスしてPCの環境に合わせて 64bit の場合は「 install_driver64.bat 」、32bit の場合は「 install_driver.bat 」のコンテキストメニュー(右クリックメニュー)から「管理者として実行」を選択。
これで Splashtop Streamer のインストールと設定が完了。
Streamer のアイコンがタスクトレイに表示されていなければ Splashtop からのアクセスができないので要注意。
Streamer の設定はタスクトレイのアイコンのコンテキストメニューから「基本設定」で変更可能。
Splashtop 2 のインストール
Streamer がインストールされている PC を操作する側の デバイスには Splashtop 2 をインストールする。
アクセスラインセンスは1つのIDに対して5台で、それ以上のデバイスで接続するとパスワードを受け付けなくなる。
現在使用しているデバイスのアクセスライセンスを他のデバイスへ移行するには、使用しているデバイスから Splashtop 2 をアンインストールすればOK。
Android 用 Splashtop Personal は下記参照

Splashtop Personal Android アプリの使い方
Android デバイス から PC を遠隔操作できる リモート デスクトップ アプリ Splashtop Personal の Android アプリ は Windows 用のアプリと同様、 Splashtop Str […]
左側の「remote from:」と表示されている 「 WindowsXP,7,8,10 」のリンクをクリックしてインストーラーをダウンロード。
ダウンロードしたインストーラーを起動してユーザーアカウント制御が表示されたら「はい」で許可。
インストールは Streamer と同様、自動で行われる。
インストールが完了したらデスクトップに作成された Splashtop Personal のショートカットアイコンをクリックして起動。
使用許諾書が表示されるので確認の上、問題がなければ「同意する」をクリック。
デフォルトでエラー報告を送信するにチェックが入っているので、気になるようならチェックを外しておく。
使用許諾書に同意するとセットアップに移行するので 「既に Splashtop アカウントを持っています」をクリック。
Streamer のインストール時に作成した Splashtop のアカウントを入力。
初回ログイン時はセキュリティのため認証が必要で、初めて Splashtop 2 を使用するデバイスはログインに失敗する。
ログインに使用しているメールアドレスにデバイスを認証するためのメールが届いているので、「このデバイスを認証」のリンクをクリック。
リンクをクリックするとブラウザが起動して認証されたことが表示される。
認証後に再度ログインすると「 Streamer をインストールしてください」と表示されるが、すでにインストール済みなので、気にせず「開始」をクリックすると Splashtop 2 が起動する。
Splashtop の使い方
Splashtop はリモートアクセスを実現するプログラムなので、基本的に起動するだけ。
ただし、リモートされる側のサーバや PC が起動し、 Streamer が動作していることが前提。
無料での利用はローカルネットワークに接続されているデバイスに限られるため、用途は限られるが、メイン PC に Streamer をインストールしていれば、他の部屋にあるノート PC やスマホ、タブレットなどのデバイスから、 Splashtop でメイン PC をリモート操作することができる。
ローカルネットワーク内の ホスト( Streamer 側 )とクライアント( Splashtop 側 )がいずれも Windows で Wake On Lan を設定している場合は、クライアント からホストを起動することも可能。
遠隔地から Splashtop で PC をリモート操作するためには、オプションで提供されている「Anywhere Access Pack 」の購入が必要。
料金は月額1.99ドルもしくは年額16.99ドルなので、およそ一ヶ月あたり200円。
また、遠隔地からのリモート操作では、 Splashtop 2 の Wake On Lan が使えないので、別途 Wake On Lan のアプリを使用するか、 Streamer がインストールされている PC を常時起動しておく必要がある。
Splashtop 2 を起動して カラーで表示されているのが起動中のホスト、グレーアウトしているのが スリープ もしくは シャットダウンしているホスト。
接続するホストを選択すると「接続」ボタンが表示されるのでクリックして接続。
Wake On Lan を設定しているとローカルネットワーク内であれば「接続」をクリックすると遠隔起動が可能。
遠隔地から接続する場合は事前に Wake On Lan アプリなどでホスト( Streamer 側)の起動が必要。
「 PCをスリープ解除しますか?」のダイアログが表示されたら「OK」。
表示は「スリープ」になっているが、Wake On Lan の設定次第でシャットダウンからの起動も可能。
ホストが起動すると自動的に接続する。
右端の「編集」アイコンでは解像度の設定が可能。
デフォルトでは「リモートコンピューターのネイティブ解像度」になっているが、Windows PC をクライアンに使用する際は「ローカルコンピュータに合わせる」の方が使いやすいかも。
デスクトップが表示され、マウスやキーボードもローカルの PC を操作している感覚で使用できる。
Splashtop 2 のメニューは上部に格納されており、クリックするとドロップダウンする。
メニューは左から「接続切断」「Ctrl + Alt + Del」「画質調整」「画面サイズ」「全画面表示」「画面切り替え」。
「画面切り替え」については Streamer 側の PC がツインディスプレイを使用している時のみ有効。
Windows の PC をクライアンに利用する場合は、解像度を「ローカルコンピュータに合わせる」で接続して全画面表示にしてしまえば、ローカルネットワーク内なら、ほぼ違和感なく操作できる。
遠隔地から接続している場合は通信環境に左右されるため「レスポンスの遅いパソコン」を使用しているような操作感になる。
接続できない場合
Splashtop の接続が失敗する場合、ほとんどは Splashtop 2 と Streamer を最新バージョンに更新することで解決する。
クライアントが Windows の時のみ、接続時に「ビデオデバイスの初期化に失敗」とエラーメッセージが表示されることがある。
このエラーは、 クライアント( Splashtop 2 )側に Direct X がインストールされていないか、グラフィックドライバが古いことが原因で、 いずれも最新バージョンにアップデートすれば解決する。
Direct X の確認方法は、「ファイル名を指定して実行」で「 dxdiag.exe 」と入力して「OK」。
Direct X 診断ツール が開いたら「ディスプレイ」タブの「 Direct3Dアクセラレータ」が「使用可能」になっているか確認する。
Windows 10 の場合 Direct X はWindows に標準実装されており、スタンドアローンでは提供されていないため、Windows アップデートを実行。
Direct X が問題なければ、グラフィックスのドライバを最新バージョンに更新。
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