出店者の楽天市場への不満が明らかに

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2019/04/19

公正取引委員会が実施した「デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査」の中間報告が発表された。

(平成31年4月17日)デジタル・プラットフォーマーの取引慣行等に関する実態調査について(中間報告)

今年2月にAmazonが出品者負担で全商品1%のポイント還元を発表した際、これを問題視した世耕経産相が公取委に調査を求めたのが発端。

アマゾンジャパン 5月からの全商品にポイント付与で、原資負担を出品者に強制へ、強権発動に不満の声も

このAmazonのポイント負担のニュースは、まるでAmazonが悪の権化のような取り上げようで、通販新聞のように他サイトでもポイント原資は出品者が負担していることを報じているところは少なかった。

各プラットフォームを利用している出品者なら、Amazonが特別というわけではないことくらい分かるはず。
この流れは世界的に起こっているGAFA叩きの一環に見えて仕方なかったのだが、今回の実態調査はどうやらヤビ蛇になったらしい。



利用料の違い

今回は独占禁止法の問題なのだが、その前に楽天・Yahoo・Amazonではそもそも出店料が違っている。

楽天
  • 出店料:月額19,500円・50,000円・100,000円
  • システム利用料:売上に対して2.0%~7.0%
  • ポイント原資負担:1%
  • 利便性向上のためのシステム利用料:売上に対して0.1%
  • アフィリエイト:商品のカテゴリーに応じて2~8%(成果報酬)
  • R-Messe:月額3,000円・5,000円
  • 決済手数料:3.5%~ 決済は楽天ペイを利用。

※出店料やシステム利用料などはプランによって異なる
※決済手数料は月間決済額により変動
※商品画像の登録容量はプランによって異なる

Yahoo
  • 出店料:無料
  • システム利用料:無料
  • ポイント原資負担:2.5%
  • アフィリエイト:1%(成果報酬)
  • 決済手数料:クレジット3.24% ・モバイル決済4.48%など

※商品画像の登録容量は無制限

Amazon(大口出品)
  • 出店料:月額4,900円
  • システム利用料:8%~45%(商品カテゴリーによって異なる)

※システム利用料には決済手数料が含まれている
※商品画像の登録容量は無制限

出店費用ではYahooショッピングのコストパフォーマンスは抜群。
Yahooショッピングが提供してる商品登録やページ作成などのツールは、お世辞にも使いやすいとは言い難く、システムも楽天やAmaoznと比較すると制限が多いものの、無料なので文句の付けようがない。(文句をつけている出品者は多いようだが。。)

Amazonは月額固定費が安いので、気軽に始められるメリットが有る。
システム利用料が少々割高だが、決済手数料を含んでいるため、集客力を考えると高額というわけでもない。
ただ、Amazonへ商品を納品して出荷してもらうフルフィルメントサービスを利用する前提だと、配送料のほかに在庫保管手数料(¥8.126 ×{[商品サイズ(cm3 )] / (10cm×10cm×10cm) }×[保管日数/ 当月の日数])や配送代行手数料(88円 x 販売個数)などが別途必要になる。
「Amazonが出荷」と「出品者が出荷」では購買率が変わってくるので、このあたりが悩みどころ。
また、他のモールと異なり、Amazonは登録された商品に対しては、複数の出品者が便乗できるため、自ずから価格競争が発生する仕組みになっているのも大きな特徴。

楽天は最も集客力が高く、そして最もコストが高い。
今回の調査結果で多くの出品者が楽天に不満を持っていることが明らかになったが、大いに不満を持っていながら楽天へ出店し続けているのは、楽天の売上が他モールよりも良いからで、広告費などの流動費を含めて損益を計算すると、それほど利益は出ていないのだが、すでに実績がある大きな売上を失うわけにもいかず、仕方なしに継続している出店者が多いと聞く。

「利用料やその他支払う金銭に合理的な根拠がない」という項目で楽天は71%もあり、多くの出品者が独占禁止法違反(優越的地位の乱用)を実感していることがわかる。

規約の変更

楽天・Yahoo・Amazonともに規約の変更は行われるが、最もひどいのが調査結果の通り「楽天市場」。
Amazonはポイント原資の出品者負担を取り消したが、楽天は「利便性向上のためのシステム利用料」や「R-Messe」など、有無を言わさず「お客様のために!」「サービス充実」という理由で一方的に規約を変更して、出品者への負担を増やしている。

「一方的に規約に変更があったか?」という問では、楽天93.2%・Yahoo49.9%・Amazon72.8%が「ある」と回答。
「不利益な内容があったか?」という問では、楽天93.5%・Yahoo37.7%・Amazon69.3%が「ある」と回答。

楽天とAmazonを比較する際、流通総額で楽天が3.4兆円、Amazonが1.5兆円という数字を見かけるが、楽天の数字には楽天トラベル、ブックス、ゴルフ、チケット、ブランドアベニューなどなどECモール「楽天市場」以外の売上が含まれており、純粋に「楽天市場」としての売上高は非公開になっているため、流通総額では単純比較はできない。
すでにAmazonは「楽天市場」を超えているという見方もあるようだが、状況的に「楽天市場」がAmazonの猛追を受けているのは事実で、楽天はAmazonを意識した施策を次々に打ち出している。

Amazonへの出品には「白背景」「商品は単品で掲載」という条件がある。
アパレルの場合はコーディネートした画像や、トルソーを使用した画像も使用不可。
白背景の画像はパス切りをするか、クロマキー合成をする必要があるので、手間がかかる反面、Amazonとしてはサイトに統一感と商品の見やすさが得られ、ユーザービリティが大きく向上する。

一方、楽天の商品画像には、これまで訴求するための文章などを入れることができたが、最近になって画像の条件がAmazonと同じ白背景に変更され、文字や帯などが入っていると検索順位に悪影響を及ぼすようになった。

良い方向に向かうのであれば、従来の指針を変更すること自体は間違いではないものの、画像の白背景などは出店者への作業が増加する。
楽天は金銭面だけでなく、作業面などでも規約の変更により出店者へ負担を強いており、それらの不満が積み重なったものが今回の調査結果と言える。

更に出店者の反感を買いたいのか楽天は「送料の統一化」を発表している。

「楽天市場」の送料無料ラインの統一化方針、店舗の反応は? 今後の焦点は?

当たり前だが出品者は個々に運送会社と契約しており、配送料金は出荷数に応じて異なっている。
どのように統一するのか大いに疑問だが、三木谷氏が躍起になっているAmazonのフルフィルメントに対抗した「楽天スーパーロジスティクス」への導線のような気がしないでもない。

公取委の調査結果では楽天の売上占有率は30%~70%の出店者が44%と、約半数になっていることからも、楽天市場から抜けるに抜けられない現状が分かる。

今後は「消費者保護」「ユーザービリティの向上」などの大義名分を掲げた「優越的地位の乱用」に対して、公取委がどこまでメスを入れられるのかが焦点になる。





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