Android版 Wake On Lanの設定と使い方


Wake On Lan(WOL)はスリープ状態にあるパソコンに対して、マジックパケットと呼ばれる信号を送信して起動させる仕組みのこと。
同一ネットワーク上にあるPCを遠隔操作で起動させたり、遠隔地にあるPCを起動させることが可能になる。



WOLはネットワークカードが実装している機能で、使用する際の大前提としてネットワークカードへの電源供給が必須だが、一般的なPCではネットワーク機能はマザーボードに実装されており、シャットダウンしてしまうと電源供給が行われずWOLは使用できない。
そのためWOLを使用する際にはPCをスリープ(待機電源モード)状態にしておく必要がある。

遠隔地にあるPCを起動させる際は、「マジックパケットを送信するデバイス」と「マジックパケットを受信するPC」、更に「ルーター」の設定をしなければならない。

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インターネットとパソコンを結びつけるルーターには、ワームなど外部からの脅威からパソコンを守るためのセキュリティが備わっており、WOLの信号もルーターが「怪しい信号」として遮断するため、信号を通過させる設定が必要になる。
一方、同一ネットワーク内のPCをWOLで起動する際はルーターの設定は必要ない。

WOLのマジックパケットを送信するAndroidアプリは多く、PCが正常に起動するものから、一定条件で起動するもの、全く無反応なものまで様々。
その中で「Wake On Lan」は問題なくPCを起動でき、設定項目も至ってシンプルで、必要権限も順当な優秀アプリ。

システム要件

Android4.0以上

必要権限

USBストレージのコンテンツの変更または削除と読み取り
WiFi接続の表示
ネットワークへのフルアクセス
ショートカットのインストール
WiFiからの接続と切断

ソフトの入手先

Google Playストアlink

Wake On Lanのインストール

Playストアから「インストール」をタップするだけ。

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アプリのサイズは9.27MB。

PCでの設定

Wake On Lanの設定を行う前に起動させるPCを設定する。

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「コントロールパネル」→「システム」で左ナビゲートバーのメニューから「デバイスマネジャー」を選択し、「ネットワークアダプター」を▷をクリックして実装しているネットワークアダプターをダブルクリック、もしくは右クリックメニューから「プロパティ」を選択。

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「プロパティ」の「詳細設定」で「Wake On ~」とか「PME」という項目を見つけて「有効(Enable)」にする。

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続いて「電源の管理」で「このデバイスで、コンピューターのスタンバイを解除できるようにする」と「Magic Packetのみ、コンピューターのスタンバイ状態を解除できるようにする」の両方にチェックを入れておく。

「Magic Packetのみで~」のチェックを外すると、マジックパケット以外のネットワークパケットを受信した際にもスタンバイが解除してしまうので、予期せぬ起動を防ぐためにチェックを入れておく。

ネットワークアダプタの設定が完了したら、続いてBIOSの設定に移るのでPCを再起動し、BIOSもしくはUEFIを起動する。

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使用しているマザーボードによってBIOSかUEFIのいずれかが起動する。
BIOS/UEFIのセットアップを呼び出す代表的なキーは、「F1」「F2」「F8」「F10」「F12」「Delete」で、PCのメーカーによって異なるので、マニュアルなどを参照。
BIOSの呼び出し未経験の場合は、起動時のタイミングが掴みづらいので根気が必要かも。

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設定するのは電源管理で、要はWOLで電源が投入できるようにするだけ。
電源設定項目はBIOSによって表記が異なっているが、大抵は「Power ~」になっている。

上図のUEFIの場合、電源管理は「詳細」タブの「APM」になる。

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「APM」のメニューを開くと軒並み「無効」になっているので、WOLに関する「PMEによる電源ON」を「有効」にする。

変更したら「ESC」キーを数回押して退出画面を開き、「設定を保存」してPCを通常起動させて完了。

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次にIPアドレスを固定する。
「コントロールパネル」→「ネットワークと共有センター」を開き、左ナビゲートバーにある「アダプターの設定の変更」をクリック。

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常時使用しているネットワークアダプタを選択して、右クリックメニューから「プロパティ」をクリック。

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「インターネット プロトコル バージョン4(TCP/IPx4)」を選択して「プロパティ」をクリック。

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「IPアドレスを自動的に取得する」から「次のIPアドレスを使う」にチェックを入れ、「IPアドレス」「サブネットマスク」「デフォルトゲートウェイ」および「優先DNSサーバ」を入力。

IPアドレスについては使用しているルーターによって異なるので、ルーターが使用しているIPアドレスを確認。
ルーターが使用しているIPアドレスが「デフォルトゲートウェイ」と「優先されるDNSサーバーの値になり、サブネットは使用しないので「サブネットマスク」の値は「255.255.255.0」でOK。
デフォルトゲートウェイが「192.168.0.1」であれば、IPアドレスは「192.168.0.x」になり、デフォルトゲートウェイが「192.168.1.1」であれば、IPアドレスは「192.168.1.x」になる。
xに入る値はデフォルトゲートウェイで使用されている数値と「0」を除いた254までの任意の値。

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設定が終わったらコマンドプロンプトを開き、「C:¥User¥ユーザー名 >」と表示されている後に ipconfig /all と入力。

表示された情報で「物理アドレス」の「xx-xx-xx-xx-xx-xx」が、ネットワークアダプターに割り振られているもので、MACアドレスやノードIDとも呼ばれているもの。
WOLを使用する際は、ネットワークアダプタに信号を送信してPCを起動させるので、ネットワークアダプタ固有のアドレスが必須になる。

その他、「IPv4アドレス」には先ほど設定したPCのIPアドレスのほかに、サブネットマスクやデフォルトゲートウェイなども表示されるので確認しておく。
ルーターのIPアドレスはここでも確認できるので、不明なときは先にコマンドプロンプトで調べるのもあり。

コマンドプロンプトは、Windows7の場合「スタートメニュー」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」の中にある。
Windows10なら「スタートメニュー」→「すべてのアプリ」→「Windowsシステムツール」。
Windows8.1ならスタート画面の下部にカーソルを持って行き、画面下部の↓をクリックし、表示された全てのアプリからコマンドプロンプト探す。

Wake On Lanの設定

Wake On Lanは、同一ネットワーク内のPCを起動する場合と、遠隔地からPCを起動する場合で設定が異なる。

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インストールしたWake On Lanを起動し、「+」ボタンをタップ。

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「下方向にフリックしてデバイスを検索」は使用せず、右上にある「手動での追加」をタップ。

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設定するのはわずか3項目だけ。
「ニックネーム」は起動するPCが分かる任意の名称。
「MACアドレス」はコマンドプロンプトで確認した物理アドレス。
コマンドプロンプトでは「xx-xx-xx-xx-xx-xx」という体裁だが、入力時には「-(ハイフン)」も「:(コロン)」も必要なく、大文字小文字も気にせず、半角英数で12桁の英数字を入力すればOK。

「ホスト名/IPアドレス/ブルードキャストアドレス」にはIPアドレスを入力するのだが、この部分が同一ネットワークと遠隔地から操作で異なってくる。

同一ネットワーク内のPCを起動する場合は、PCで固定したIPアドレス(コマンドプロンプトのIPv4アドレス)を入力する。
この場合、当然ながらWake On Lanを操作するスマホやタブレットなどのデバイスは、起動するPCと同一ネットワークに所属している必要がある。
つまりPCが接続されているルーターにWiFi接続していなければ使用できない。

遠隔地からWake On LanでPCを起動する場合は、PCのIPアドレスではなくルーターのWAN側アドレスが必要になる。
勘違いしやすいが、デフォルトゲートウェイの「192.168.x.x」はルーターのLAN(Local Area Network)アドレスで、WAN(Wide Area Network)のアドレスではない。

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WANアドレスの確認はルーターによって異なるが、EO光の場合はブラウザで「192.168.0.1」にアクセスして、「ユーザー名」と「パスワード」を入力。
「EO光ネットルーター設定」が開くので、左のメニューから「情報」→「現在の状態」で「拡張表示」をクリック。

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WAN側状態の「WAN側IPアドレス」に表示されているアドレスを、Wake On Lanの「ホスト名/IPアドレス/ブルードキャストアドレス」に入力する。

入力する項目はこれだけで、デバイスのIPアドレスや起動状態監視ポート番号は空欄でOKなのだが、遠隔地からPCを起動するためWAN側IPアドレスを入力した場合は、ルーターでポートの開放が必要になる。

ただし、WAN側のIPアドレスも動的なので、ルーターの再起動や一定期間で変化するため、定期的にIPアドレスをチェックして、Wake ON Lanの「ホスト名/IPアドレス/ブルードキャストアドレス」を更新する必要がある。

WAN側IP(グローバルIPアドレス)の確認サイトへアクセスすればルーターへアクセスしなくてもIPアドレスを取得できる。

確認くん-UGTOP

ダイナミックDNSを使用すればなんとかなりそうだが、うまくいかなかったので、また今度。

ルーターの設定

冒頭で説明したとおり、ルーターは外部からの脅威を防ぐセキュリティを備えており、不必要な信号は全て遮断されるため、ポートを開放して信号を通過させる必要がある。
ルーターによってはWOLに対応しているものもあるので、ルーターのマニュアルを参照。

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ポート開放もルーターによって設定が異なるが、EO光のルーター「eo-RT100(N1)」では、ブラウザで「192.168.0.1」にアクセスして、「ユーザー名」と「パスワード」を入力。
「詳細設定」→「ポートマッピング設定」を開き、「追加」をクリック。

LAN側ホストには起動するPCのIPアドレス。
プロトコルは「UDP」。
ポート番号はWake On Lanでデフォルトになっているポート番号「9」を入力し、優先度は任意。

要は、「192.168.0.2」というアドレスのPCに対して、UDPという規格の通信手段で9番ポートに送られてきた信号を通過させる、という事。
この設定をすることで、離れたところからWake On Lanで起動信号を送信すると、信号はルーターのWANアドレスに向かって飛んでいき、9番ポートを通過して、起動するPCのネットワークアダプタにたどり着く。起動信号を受け取ったネットワークアダプタは、PCに電源を供給するコマンドを実行し、PCがスリープから回復することになる。

使用方法

設定が面倒なだけで、使用方法はリモコンの電源ボタンを入れるのと同じ。

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右上にある「起動」をタップすれば、登録しているデバイスを一括で起動できる。

個別に起動する場合は各デバイスのニックネームをタップ。
ニックネームの前にある丸数字をタップすると設定画面が開く。

起動テストはPCをスリープにし、同一ネットワーク内のPCを起動する設定なら、起動するPCと同じネットワークにWiFi接続してから、Wake On Lanの「起動」をタップ。
遠隔地からの起動設定の場合は、同一ネットワークに所属していると動作しないので、WiFiからモバイルネットワークに切り替えてから、Wake On Lanの「起動」をタップ。

スリープの設定

Windows10ではスタートメニューに「電源」という項目があり、常に「スリープ」「シャットダウン」「再起動」から選択するようになったが、Windows7では「シャットダウン」の横にある▶をクリックしてから「ユーザー切り替え」や「ログオフ」「スリープ」「再起動」などを選択するようになっており、つい「シャットダウン」をクリックしてしまいがちなので、デフォルトをシャットダウンからスリープに変更しておく。

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タスクバーにカーソルを移動させて右クリックメニューから「プロパティ」を選択。
「スタートメニュー」タブの「電源ボタンの操作」を「シャットダウン」から「スリープ」に変更するだけ。

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WOLで起動させたPCが再びスリープに戻るまでの時間を変更する場合は、「コントロールパネル」→「電源の管理」で「プラン設定の変更」をクリックして任意の時間を設定すればOK。






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