ローカルフォルダだけでなく オンラインストレージ や NAS などもサポートした 無償のファイル同期アプリ
Allway Sync は 米国のソフトウェアベンダー Botkind が開発している ファイル / フォルダ 同期アプリで、ローカルフォルダだけでなく OneDrive , Google Drive , Dropbox などのオンラインストレージ や NAS や ローカルネットワーク上にある他の PC 間での同期 / バックアップが行える。
同期設定は「 ジョブ 」として登録が可能で、同期方法も「 双方向 」と「 単方向 」のほか、ファイルを上書きするだけでなく 変更前のファイルをアーカイブすることも可能。
Dropbox の無料版 ではアプリを使用した接続台数が 3台に制限されているが、Allway Sync を使用して Dropbox と連携することで 接続台数の制限に関係なく同期することもできる。
Allway Sync Free には 同期ファイル数に上限が設定されており、30 日間で 40,000 を超えるファイルが処理できない。( Botkind が提供しているクラウドストレージ Allway Cloud とローカルファイルの同期は含まれない )
処理としてカウントされるのは ファイルの 作成 , 更新 , 削除 で、同一ファイルでも 更新を繰り返して上限に達すると 設定数を下回るまで同期されなくなるが、Allway Sync を コピーツールとして使用したり、ファイルのリネームなどを一括して大量に実行するなどのイレギュラーがない限り、月間 40,000 の上限で 個人ユーザーが不足することは稀かも。
システム要件
バージョン 20.0.3 現在
OS:Windows7 / 8 (8.1) / 10 ( 32bit & 64bit )
※ Visual C++ Redistributable 2019
ソフトの入手先
Visual C++ Redistributable 2019
Allway Sync のインストール
無料版でも アドウェア や サードパーティ製アプリのバンドルなどはないが、Microsoft Visual C++ Redistributable 2019 が必要なため、Visual C++ Redistributable 2019 が未インストールの環境では 別途インストールしなければならない。
Allway Sync のダウンロードページにある「 Allway Sync 」の「 Download 」をクリックしてインストーラーをダウンロードする。
「 スタート 」→「 設定 」で「 Windows の設定 」を開き「 アプリと機能 」の一覧に「 Visual C++ Redistributable 2015 – 2019 」がない場合は「 Requires Visual C++ Redistributable 2019 」のリンクをクリックして Microsoft Visual C++ 2015-2019 再頒布可能パッケージ をダウンロードしておく。
OS のアーキテクチャは自動で判別されているので 64bit / 32bit それぞれ環境に適合したインストーラーがダウンロードされる。
「 Visual C++ Redistributable 2015 – 2019 」が未インストールの場合は ダウンロードした「 VC_redist.x64 / VC_redist.x86 」を起動して Microsoft Visual C++ 2015-2019 再頒布可能パッケージ をインストールする。
Allway Sync をインストールした際に「 VCRUNTIME 140.dll が見つからないため、コードの実行を継続できません。」というエラーダイアログが表示される場合は「 Visual C++ Redistributable 2015 – 2019 」が未インストールなので、 Microsoft Visual C++ 2015-2019 再頒布可能パッケージ をインストール後に再度 Allway Sync のインストールを実行する。
「 Microsoft Visual C++ 2015-2019 再頒布可能パッケージ 」インストールされた環境で、ダウンロードした Allway Sync のインストールを起動し、ユーザーアカウント制御が表示されたら「 はい 」で許可。
日本語化されたセットアップウィザードが開始するので、使用許諾書を確認して問題なければ「 同意する 」にチェックを入れて「 次へ 」。
インストール先の指定。
特にこだわりがなければデフォルトのまま「 次へ 」。
自動同期を可能にするため バックグラウンドで動作する「 Windows サービス 」のインストール設定。
同期を常に手動で行う場合 以外はチェックを入れてインストールする。
デスクトップへのショートカットアイコンの作成。
不要であればチェックを外して「 次へ 」。
「 完了 」でセットアップ完了。
Allway Sync が起動したら 上部メニューバーの「 Language 」から「 Japanese 」を選択して日本語化する。
Allway Sync の使い方
Allway Sync は一部のダイアログや設定画面が日本語化されていないが、基本的な操作方法は「同期するフォルダを指定」して「同期方法を設定」したものを「ジョブ」として登録するだけで、登録後は設定に従って自動同期が可能なので それほど困ることはない。
ジョブの登録
自動・手動に関係なく Allway Sync は 同期するフォルダを ジョブとして登録する必要がある。
同期するフォルダは左右で指定。
中央矢印の「 変更 」をクリックすると 同期方向の選択ができ、デフォルトは 双方向 になっている。
バックアップなどの場合は単方向に変更する。
デフォルトで「 新規ジョブ 1 」になっている「 ジョブ名 」は上部メニューバーの「 ジョブ 」から「 ジョブ名の変更 」もしくは コンテキストメニュー(右クリックメニュー)から「 ジョブ名の変更 」で 編集可能。
ジョブを追加する場合は 上部メニューバーの「 ジョブ 」から「 ジョブの追加 」もしくは コンテキストメニュー(右クリックメニュー)の「 ジョブの追加 」を選択。
同期フォルダの設定
同期するフォルダは「 Windows フォルダ 」「 オンラインストレージ 」「 FTPサーバ 」「 Web DAV フォルダ 」
「 Sync Gateway 」は Botkind が開発している Windows PC と Mac を同期させる Mac用のアプリで、「 Sync Gateway 」を実行している Mac と同期する場合に使用する。
Windows フォルダの同期
PC 内のフォルダ や 外付け HDD などのデバイスのほか、 ローカルネットワーク上に接続された デバイス間で同期は「Windows フォルダ 」で設定を行う。
Allway Sync はデフォルトで「 Windows フォルダ 」になっており 変更する場合はドロップダウンメニューから選択する。
同期するフォルダを指定するため「 参照 」をクリック。
「 参照 」をクリックして ファイルエクスプローラを開く。
同期するフォルダを指定して「 OK 」。
ローカルフォルダを指定すると「 Bind to drive characteristics 」の設定が表示される。
Bind to drive characteristics は 同期する際に ドライブレター ではなく ドライブの物理特性を基準に同期フォルダを検索するもので、外付け HDD などドライブレターが変わっても 設定した同期先を検出が可能になる。
Bind to drive characteristics が無効の場合は ドライブレターを基準に同期するため、同期するフォルダのドライブが D ドライブ から Eドライブに変更になっても D ドライブ へ新規フォルダを作成して同期を行い、 Dドライブが存在しなかったり書き込みできない場合は 同期できないまま処理が終了してしまうので「 Bind to drive characteristics 」はチェックを入れて有効にしておくことを推奨。
Compression and encryption は「 圧縮 と 暗号化 」で デフォルトは圧縮も暗号化も行わない「 Store plain files 」になっており「 Compression files 」にすると フォルダ内の同期ファイルが 全て ZIPファイルになり、「 Compression and encryption files 」を選択すると パスワードの入力項目が表示され、同期ファイルがパスワード保護されたZIPファイルに圧縮される。
Compression and encryption を「 フォルダ A 」で設定し、 Store plain files で設定した「 フォルダ B 」と双方向で同期設定した場合 「 フォルダ A 」にファイルはすべて パスワード付きの ZIP ファイルになり、「 フォルダ B 」はプレーンファイルで保存される。
ローカルネットワーク上にある他の PC と同期する場合は、同期先のフォルダは「 読み書き可能 な共有フォルダ 」になっていることが前提で、共有設定で「 パスワード保護共有 」が有効になっているとログイン情報が必要になる。
オンラインストレージ の同期
Allway Sync で利用可能なオンラインストレージサービスは OneDrive , Google Drive , Dropbox , Box , Allway Cloud で「 オンラインストレージ ⇔ オンラインストレージ」「オンラインストレージ ⇔ ローカルフォルダ 」間での同期が可能。
そのため 2つのアカウントを取得して 「 Dropbox 1 ⇔ Dropbox 2 」「 Dropbox 1 ⇔ ローカルフォルダ , Dropbox 2 ⇔ ローカルフォルダ 」「 Dropbox ⇔ OneDrive 」といった使い方や、Dropbox の無料版 に設定されてる接続台数の上限 3台 を超えて Dropbox を使用することもできる。
オンラインストレージ上のフォルダを同期する場合は 同期するオンラインストレージを選択。
「 設定 」を開き Allway Sync とオンラインストレージを関連付けるため「 Go to ~ page for obtaining an authorized access token 」のリンクをクリック。
ブラウザが起動して 各オンラインストレージサービスへのログイン画面が表示されるので ログイン情報を入力して ログイン。
アクセスを許可。
Allway Sync が オンラインストレージと連携。
同期するフォルダを指定するため「 参照 」をクリック。
オンラインストレージの トップ に移動するため アドレスバーの前にある フォルダ移動アイコンをクリック。
接続したオンラインストレージを丸ごと同期する場合は トップに移動して「 OK 」。
フォルダを指定する場合は 任意のフォルダをダブルクリックするとフォルダが開き、アドレスバーに表示されるので 確認して「 OK 」。
オンラインストレージ上に 新規フォルダを作成する場合は 下部のテキストボックスに フォルダ名を入力後「 Make New Folder 」をクリックして追加。
同期フォルダを指定したら 後の設定は Widnows フォルダと同じ。
オンラインストレージ間の自動同期なども可能になる。
オプション ( 同期設定 )
オプションでは 作成したジョブの 同期ルール や 自動同期 のほか Allway Sync の自動起動などの設定を行う。
「 オプション 」はメイン画面 右下にある ギア アイコンをクリックするか 上部メニューバーの「 表示 」から「 オプション 」を選択。
自動同期は Allway Sync が起動していないと実行されないので 自動同期を行う場合は PC 起動時に Allway Sync を自動起動させてバックグラウンドで動作させておく必要がある。
Allway Sync を自動起動させるには「 一般設定 」の「 スタートアップに登録する 」にチェックを入れる。
自動同期を使用せず 任意のタイミングで手動同期させる場合は 「 Add the synchronization application links to Window Explorer context menu 」にチェックを入れ、コンテキストメニュー ( 右クリックメニュー ) に Allway Sync を登録しておくと便利。
「 Add the synchronization application links to Window Explorer context menu 」にチェックを入れると レジストリエディターの ユーザーアカウント制御 が表示されるので「 はい 」で許可。
ジョブ に登録されているフォルダを選択して コンテキストメニューから「 Synchronize 」で同期処理が開始する。
ジョブの同期設定は 左ナビゲートバーから ジョブを選択し 同期ルールや 自動同期の設定を行う。
「 同期ルール 」では主に「 同期方向 」と「 削除を反映 」「 更新を反映 」の設定を任意に行う。
「 更新を反映 」は ソース側で更新されたファイルをターゲット側で上書きするもので、無効にすると編集内容が反映されず、ソース側の新規ファイルのみターゲット側に追加されるようになる。
「 削除を反映 」は ソース側で削除されたファイルやフォルダが 同期中のターゲット側でも削除されるもので、オンラインストレージのように ソース側とターゲット側を完全に同期させたい場合は有効にする。
「 1 時間以内の更新を無視する 」はサマータイム導入国で使用されるもので、切り替えのタイミングで時間差が生じる際の更新を防ぐ。
「 Security attributes 」は NTFSフォーマットのドライブ間で同期する場合にのみ有効で ファイル /フォルダのアクセス権限などのセキュリティ属性をコピーする。
チェックが入っていない場合は デフォルトのNTFSセキュリティ権限が適用される。
「 Copying locked files 」は ロックされたファイルのコピーを許可するもので Windows XP 以降で使用可能。
自動同期では 同期を開始するタイミングを設定する。
ソース側の変更をリアルタイムでターゲット側へ反映させる場合は「 ファイルの変更が確認された時 」を有効化して リストから「 Immediately 」を選択。
同期のタイミングは ソース側とターゲット側の関係によって異なってくるが、Allway Sync Free の場合は 30日間で同期可能な処理数に 40,000 の制限があるため、同期するファイル数にもよるが必要以上に更新をかけると 処理数が上限に達して支障が出る可能性があるので注意が必要。
バックアップ目的の同期設定で最も重要な「 ファイル管理ポリシー」で、ファイルのバージョン管理や削除したファイルの処理などを設定する。
Allway Sync はデフォルトで 同期設定したフォルダ直下に「 _SYNCAPP 」フォルダを生成し、同期用のメタデータファイルの他に 同期で削除されたファイルは「 Versioning 」フォルダ内の「 yyyy-nn-dd hh-mm 」フォルダに移動するようになっている。
※設定画面では「 Backup 」フォルダになっているが 現バージョン ( 20.0.3 ) では「 Versioning 」フォルダへ変更されている。
「 _SYNCAPP 」フォルダは隠しフォルダのため「 コントロールパネル 」→「 デスクトップのカスタマイズ 」→「 エクスプローラーのオプション 」 の「 表示 」で「 隠しファイル、隠しフォルダを表示する 」にチェックを入れるか、「 ファイル管理ポリシー」にある「 削除されるファイルについて 」の項目を「 ユーザー定義ファイルフォルダへ移動 」に変更して 削除したフォルダの一時保管用として任意のフォルダを指定する。
同期によって削除されたファイルは 「 Versioning 」フォルダ内に 移動し、デフォルト設定では「 Keep specified number of synchronizations 」が 3 回 になっているので、対象のフォルダが 3 回同期された時点で削除される。
削除されるまでは 「 Versioning 」にあるフォルダやファイルを戻すだけで復元が可能。
「 Never delete 」を選択すると 自動削除は行われず 同期によって削除されたファイルは 保存されていくが 定期的にメンテナンスを行わないとディスク容量 圧迫の一因になる。
「 Keep for specified period of time 」は 同期回数ではなく 指定した日数 ファイルが保存される。
同期によって上書きされたファイルも 削除されたファイルと同様に デフォルトで 隠しフォルダの「 _SYNCAPP 」に移動し、対象のフォルダが 3 回同期された時点で削除される。
削除したファイルも上書きされたファイルも「 Versioning 」フォルダ内に処理された日時「 yyyy-nn-dd hh-mm 」フォルダに保存され、フォルダ名だけでは 削除したファイルなのか 更新されたファイルなのか判別できないため、バージョン管理をしっかりと行いたい場合は「 ユーザー定義ファイルフォルダへ移動 」を使用して 削除ファイル と 更新ファイル の区分けと、削除するタイミングの見直しを推奨。
解析と同期
ジョブの設定が完了したら同期の前に「 解析 」を行ってから「 同期 」を開始する。
自動同期の設定をしている場合でも 新規ジョブ作成時は「 解析 」と「 同期 」を実行。
解析を実行するとソース側 とターゲット側で 50% 以上の 差分ファイルが存在する場合は「 実態が異なる 」として検出されるので、問題がない場合は「 無視 」を選択。
ソース側・ターゲット側の 両方のファイルが変更され 不整合が発生しているファイルは「疑わしいファイル」として検出される。
同期するファイルは 単体で 同期方向の変更や 非同期設定が行えるので「疑わしいファイル」で検出されたファイルの処理は個別に編集する。
「 実態が異なる 」「疑わしいファイル 」などのエラーは「 オプション 」の「 エラー処理 」で設定が可能で、自動同期 はデフォルトで エラーが無視 される設定になっているため 必要に応じて変更する。
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